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発見!お米を変えればご当地ものになる。
MNHの小澤です。
「つや姫」でつくったというだけで、お客さんが目を輝かせ、ばんばん売れていく団子。
そんな反応に驚きながらも、結果的には嬉しい悲鳴をあげていた。
後で知ったのだが、山形の人は「つや姫」をほとんど食べたことがないらしい。
もちろん基本的に“はえぬき”の米をもらって食べている。しかし“高級米”であるつや姫は、生産者も限られ希少な銘柄なので、地元人でも食べる機会が少ないのだそう。
この大ウケの経験を機に、ぼくらはハットトリック団子という名前を「つや姫団子」に変えた。
売れると分かっているので、その後何度も売りにいった。東京で仕事を終えた金曜の夜に、車に荷物を積み込み、福島の白河辺りで一泊。翌朝からモンテディオの競技場で売る。当時のぼくらとしては、日銭で何十万と稼げるのはとても助かったので、足繁く通ったものだ。
さらに「つや姫団子」のすごいところは、人が集まると保証される場所でなくても、確実に売れることだった。事実、何でもない道の駅でも「つや姫団子」はよく売れたのだ。
このように、ハットトリック団子をつくったことが、結果「つや姫団子」という金の卵を産むことにつながったといえるだろう。
「つや姫団子」に関しては、もう飛ぶように売れた記憶しかない。
例えば、庄内町が東京都内で、毎年名産品を売るイベントがある。白金のホタル祭りでは2日間で1500本以上、新橋の全国交流物産展では3日間で2000本以上を売りあげている。
そして、もう1つ大きい発見としては、「お米を変えればご当地のものになる」ということだ。
早速ぼくらは、秋田こまちを使った団子や、山梨産の米を使った団子をつくって地元で売った。そしてじきに、製造元のアーバンさんも、お米を変えた団子を独自につくって地域展開をしはじめた。これはもともとは、MNHがつくった道なのである。
その発想が後々、山形で開発する玄米デカフェにつながる。つまり、各地のお米をつかったご当地デカフェを展開する下地となったのだ。