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日記5

今まで忘れるように目を逸らしてきた自分の中の嫌なもの、苛虐性、独占欲、暗澹とした脳内。それらは日に日にその陰りを明確に形作り視界を遮ってくる。
私は自分を騙せなくなるのが怖い。汚い劣情は綺麗な愛情に、殺人願望は希死念慮に、苛立ちは悲しさに置き換えなくてはならないのだ。

近頃、家に一人の場合は日がな一日音楽を聴きながら酒と薬を飲み時々思い出したように絵を描く。めちゃくちゃな下書きで足がもつれて動けない。何をしても誰といてもただ一瞬の快楽でそれ以外は全て空虚なモラトリアム人生、私を誰かが何とかしようとすればするほどその次に逆を求めてわざと足を踏み外すような。安心なんか、幸福なんか、未熟で浅はかで運がいい自分にはとっくに保証されていてそれでも価値を感じないから、もっともっと突き刺すような動きがなにか欲しくて。
私はあまりにも周りが見えていない、上も下も右も左も。見たいとも思わない。自分ばかりの身勝手人間だ。これは自己嫌悪では無い、でもそう思っては欲しい。
私自身はつまらなくていいんだ。誰かが楽しませてくれるから。

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