金曜日は日記を 20241019-1025
すきなエンタメ紹介みたいになっている、1週間の日記です。
20241019(Sat)
濃いめに淹れたコーヒーを飲みながら、小川哲さんの『君のクイズ』を読んだ。わたしは小川哲さんの本を読むとなぜだかパワーがみなぎってしまうので、”濃いコーヒー”×”小川哲さんの本”はトリプルレッドブルくらいの効果がある。レッドブル飲んだことないから想像ではあるが。『君のクイズ』は何度も読んでいて、結末までぜんぶ知ってるのにおもしろい。クイズトーナメント決勝戦の最終問題、問題文が読み上げられる前に正解した男の謎に、対戦相手である主人公が迫っていく。クイズを巡る軽快なミステリーかと思いきや、めちゃくちゃ人間臭い”人間”の話をしていて、その掘り下げ方が好きで何度も読みたくなる。問題を辿ることで主人公とその男のことを掘り下げつつ真相に迫っていく、このスピード感がたまらない。ミステリーもクイズも得意分野じゃないのにこの本は本当に好きだ。小説にはいつもいろんな世界に連れて行ってもらっている。
20241020(Sun)
空がまだ明るい時間から外で日本酒を飲んだ。そういう祭りだから迷惑行為でもなんでもないけど、明るい時間に外で飲酒という行為にドキドキがおさまらないので「お祭りで、太陽の下で飲む日本酒、最高!」って何回も言って脳に聞かせながら飲んだ。おいしい日本酒は舌の上で甘くとろけて、体にほわっとぬくもりをくれる。その甘さでくらくらし始めたら、辛口できりりとした日本酒で整えることもできてしまう。酒蔵でお酒を仕込んでいる人が直接売ってくれて、贅沢すぎて飲む前に会話するだけで酔いそうになってしまった。たくさん飲んでもまだ空は明るくて、いつもより赤く見えた。日本酒飲んで笑う夕暮れ。
20241021(Mon)
早朝、ひさしぶりに観た『ちひろさん』のことをこの日記に書こうとしたら、日記とは思えないほどの長文で書いてしまった。一本のnote記事にして投稿しようとしたものの、一気に集中して書いたからか誤字だらけで支離滅裂な長文になっていて、整えるのに苦労した。仕事しつつ休憩時間にちょこちょこ整えてなんとか投稿。好きなものへの愛があれば、15分で3000字は支離滅裂な早口オタク感想文を書けることが判明した。整えるのには倍くらいの時間がかかるが……
20241022(Tue)
昨日書いた『ちひろさん』のnoteが「今日の注目記事」にピックアップされ、うれしくて踊る。たくさんスキをいただき、フォローまでしていただき恐縮でござる!(うれしくて変になってるのでござる)話は変わるが毎週聴いていて大好きなPodcast番組の『こんな本、どうですか?』の最新回のテーマが「本の帯」ですごくおもしろかったので、本好きな人に聴いてほしい。そのなかで『恋空』の単行本の話になっていて、なつかしすぎて学生時代の自分の本棚のことを思い出した。あの世代に青春時代を過ごした女子たちで『恋空』を持っていた人めちゃくちゃ多いと思う。上下巻並べたらハートになるあれだよ! 本の手触りまで思い出してしまい、しばし心は実家のいまはなき本棚へ。しかも放送で話題になっていた、シンプルすぎる映画化決定前の帯バージョンを持ってたんだよなあ。なつかしい。たしか初版本を持っていたはずなんだけど、あの本どこにいったんだろう。
20241023(Wed)
駅前の通りを歩いていると、おじさんがすれ違いざまにわたしの顔をのぞきこんで「おらーーー」みたいな奇声をあげてきた。びっくりしたわたしの表情を見てにやっとしたことに無性に腹がたったので、振り返って目を見て「わーーー」って大声を出すと、なぜか舌打ちをして走り去った。なんやねん。奇声には奇声で返しただけなのに、その場に残されたわたしが不審人物みたいに周りの人からじろじろ見られて嫌だった(そりゃ見るか。わたしも見る)いま思い返すと危険行為のような気もするので、みなさん奇声おじさんを相手にするのはやめましょうね。
20241024(Thu)
ちょっとここ数日まとまったコンテンツ摂取の時間がとれていなくて、今期のドラマが溜まり気味である。とか言いつつ仕事の休憩をじっくりとってnoteは読んじゃうんだよなあ。おもしろいnoteを更新してくれる人、いつもわたしの休憩時間を彩ってくれてありがとう、の気持ちを込めてスキを押しています。大感謝。今日は高瀬隼子さんがU-NEXTのnoteで連載されているエッセイが更新されていて小躍りしながら読んだ。毎回「こわいもの」について書いていて、今回は「新しい恋愛がこわい」だった。ご自身の著書のタイトルでエゴサーチして見つけた「新しい恋愛がしたい」人の生活をリアルタイムに追う、って狂気じみた行動がおもしろくて、ちょっと笑いながら没入して読んでしまった。前回の「座右の銘がこわい」もかなり好きで、高瀬隼子さんが芥川賞受賞後に忙しいなかで色紙にサインした座右の銘が最高なので読んでほしい。良すぎて笑います。
20241025(Fri)
早朝に散歩をすると、すれ違うときだいたいの人に「おはようございます」と言われるのでこちらも積極的に言うようにしている。高齢の方に限らずみんなあいさつを交わしあって朝を迎えている。けれど同じ道でもお昼や夜になるとだれもあいさつをしないし目を合わせることもない。朝に見かけたことがある人も下を向いて歩いている。わたしもそれにならって人の方を見ないようにして歩いている。おなじ道、おなじ人間なのに変なかんじだ。朝だけ人々が通じ合おうとする、ふしぎなわたしの散歩道。