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#10 愛情と狂気

〈あらすじ〉

答えてください。
娘を殺したのは私でしょうか。

娘の小学校受験が終わったら離婚すると約束していた夫婦に悲報が届く。
病院に駆けつけた二人を待っていたのは「おそらく脳死」という残酷な現実だった。
一度は、事実を受け入れた二人だったが、直前になって翻意する。そして娘との生活を続ける事を決意した母親。それは愛情なのか、それとも狂気かー。愛する人を持つすべての人へ。


〈感想〉
家族が、愛する人が「おそらく脳死」と判断された場合、自分はどういう決断をするか。いくら考えたところで、正解は出なかった。どんな決断をしたところで、後悔もやるせなさも残る。

母親の愛だともいえる心情は分からなくもないが、私だったらあそこまでは、たぶんできない。(この物語の家庭のようにお金があったとしても。とはいえ、実際に身に起きた事ではないので、たらればで想像するしかないのだが)

それでも、母親の愛ともいえる感情が怖かった。行動も度を越しているように思えた。

脳死と判断された時、どんな答えを出せば「正解」となるのか。でも、きっと答えはひとつじゃないのだろう。人の数だけ、答えはきっとあるのだろうなと思う。

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