徳川家康の遺訓から学ぶ人生で大切なこと(1/2)
皆さんは、徳川家康の遺訓をご存知でしょうか?
約250年続いた江戸幕府を築いた偉人の言葉には、人生において大切なことが詰まっています。
人生で辛いことがあったり、悩んでいるときに読むと心がすーっと軽くなります。
全文を紹介した後に一つ一つの文章について私の考えを交えながら解説していきたいと思います。
徳川家康の遺訓
<東照公御遺訓>
人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。
不自由を常と思えば不足なし。こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。
堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。
勝つ事ばかり知りて、負くること知らざれば害その身にいたる。
おのれを責めて人をせむるな。
及ばざるは過ぎたるよりまされり。
「人の一生は」から始まるこの文章、好きすぎて私は暗記してしまいました。仕事で辛いことがある時は必ず読み直しています。
それでは一つ一つの文章を見ていきましょう。
人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。
「人生は、重い荷物を持って遠い道を歩くようなものだ。急いではいけない。」
人生は楽しい方がいいし、辛いことが少ない方が良いですよね。
しかし、人生とは、「重い荷物を持って遠い道を歩く」ように、辛くて長いものだと教えてくれています。
あの徳川家康でさえも人生は辛いものだと言っているのです。
不思議なことに、人生は辛いものだと受け入れてしまうと、今持っている悩みが少し軽くなる感じがしませんか?
悩みがあって普通、辛くて普通、それが普通の状態なのです。
悩みがある時、「なぜ私だけ?」と思ってしまいますが、うまくいっていそうな周りの人も案外悩みを抱えているものです。
人はこの悩みや苦しみが消え去れば幸せな状態がやってくると思いがちで、この状況を何とかしないと、悩みを無くさないとともがいてしまいますが、その悩みが解決したとしてもまた次の悩みや苦しみがやってきます。
なぜなら人生とはそういうもの、人間とはそういうものだからです。
この一節を読むと、急がず焦らず腰を据えて、どうせ人生が辛くて長いのならば、いっそその辛さも楽しんでやろう、そう思えてきます。
不自由を常と思えば不足なし。こころに望みおこらば困窮したる時を思い出すべし。
「不自由である状態が普通だと思えば不満は生まれない。心に欲望が生まれたら辛かった時を思い出しなさい。」
人間は欲のある生き物です。あれが欲しい。こうなりたい。誰かより優れていたい。誰かに認めて欲しい。
それは人間である以上普通の状態ですが、その欲のままに生きていると、幸せにはなれません。
なぜなら、その欲が満たされても次の欲が出てきて、、、と人間の欲には際限がないからです。
どこかで止めないとその欲が満たされる頃には、もともと持っていた大切なものを失っているかもしれません。
何かが足りていない状況が普通の状態だと思えば新たな欲は出てこないでしょう。
「足るを知る」生き方こそが手早く幸せになれる生き方だと思います。
堪忍は無事長久の基、いかりは敵と思え。
「がまんすることが無事に長く安らかでいられる基礎で、「怒り」は敵と思いなさい。」
「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」という徳川家康の言葉にもあるように、この一節からも忍耐、我慢が大事だということを教えてくれていますよね。
怒りの感情が出てきたときも感情をコントロールし、冷静になることも大切です。
以上、徳川家康の遺訓の半分に触れていました。残りの節についても別のnoteで書こうと思います。