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7回忌 お寺さんのお話


今日は私の祖母の7回忌。
いつもお参りしてもらっているお寺さんが話してくださったお話です。

『西遊記』は多くの方が知っている、有名な物語かと思います。

その物語は主人公は三蔵法師。
この「三蔵法師」という名前は、法師はお坊さんのことを言い、「三蔵」は経蔵・律蔵・論蔵のこと。だから三蔵法師は、その全て持ち合わせている人のことを呼びます。

そして、そのお伴としているのが、孫悟空、猪八戒、沙悟浄。
彼らは人の心にある「三毒」を表しています。

孫悟空は「怒り」
猪八戒は「貪り」
沙悟浄は「愚痴」

どんなに良い心の持ち主でも、
一度はこの「三毒」に当てはまるような気持ちを持ったことがあるはずです。

今で言うと、私たちは新型コロナウイルスに関する様々な出来事に対して、このような感情をぶつけてしまっていると思います。政府に対し、他の国々に対し、また不用心な人に対し、そしてウイルス自体に対し、色々な憤りや貪りを持ち、愚痴を漏らしてしまう。

でも、それはむしろ当たり前のことなのかもしれません。

人には守るべきものや、誰かがいます。
そのために憤り、戦うことも時には必要だからです。

けれど、仏教の教えでは、それらを捨てることに仏の道があることを説きます。
それはこれらのことに「ない」をつけてみる、というわけです。

「怒らない」
「貪らない」
「愚痴を言わない」

これが煩悩を捨てる、と言うこと。
なかなか難しい道かもしれませんね。

でも、大丈夫。
私たちはそこに近づくことはできるんです。


それが「良心」を持つこと。
お寺さんによると、良心はこうした煩悩を断ち切ることではなく、
そう思うことで良いらしいのです。

「怒らないようにする」
「貪らないようにする」
「愚痴を言わないようにする」

この「〜ないようにする」気持ちこそが良心です。
悪い心を持つ人は、こんな気持ちさえ芽生えることがないからです。


だから、このお話に納得された方は皆、良心の持ち主であると言えます。

三毒をしないようにと、心がけをする。
どうですか?思うだけならそこまで難しくはないはずです。



そんな結びで、お寺さんのお話は終わりました。
一緒にいた親族も、笑いどころは笑い、最後には納得した様子で頷き______。


お寺さんとお茶菓子を食べ、
おしゃべりな叔母さん、叔父さんたちはマスク越しで、



「いやぁ、ほんと国会議員ときたら___」
「今の時期にオリンピックなんて____」


そう口々に出るのは、紛れもなく愚痴ばかり。


でも、大丈夫。
数分前まではちゃんと思ってたんですから。

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