私かわいそう。 とつぶやいてみた。過去の自分が考えていたことだ。 かわいそうな理由はいくつかあった。 私は年の離れた優秀な兄がいた。塾にも通わず、学校の授業と自力での学習だけで名門大学に行った。 私は兄が大好きだった。兄が好きな漫画を読み、兄の話を聞き、兄のテスト勉強の手伝いのために家の中で兄とすれ違う時にテスト範囲の問題を出したりしたこともあった。大好きなお菓子を我慢して兄に渡したことも覚えている。 でも兄は私を置いて家を出て行ってしまった。進学のためだ。 ところで、
文章を書くきっかけは、何だったかな。 中学生の時、大好きな作品があって、大好きなキャラクターがいて、彼らの違う一面を見たくて、自分で作り出してみたこと、だった気がする。 周囲に“書く””描く”友人がいて、自由に書いていいんだ、ということを知った。 たくさん本を読んだし、たくさん文章を書いた。 でも段々とそのコミュニティが煩わしくなって、本からも遠ざかって、今はただただ、モノを消費する毎日になっている。 それで良いのだろうかという問いかけが、常に頭の片隅にある。ほんの1ミリくら