手を受け継ぐ。
手が綺麗だねって言われることがある。
骨格ストレートらしい、厚みのある手で、
シワや血管が見えず、色も白いのでつるん、
としている。
「まあ、お人形さんみたいに綺麗な手ね!」
と言って撫でまわす年配の方は、
多分フランス人形や日本人形ではなく、
キューピー人形をイメージされている。
私が綺麗な手、と言われてイメージするのは
白魚のような細い指、薄い手のひら、
折れそうな手首なので、
そうかなぁ…と思いながら気が済むまで
手を差し出している。
爪の形もよく褒められるので、
まぁ綺麗ならばいいか、とそれくらいのもんだった。
しかし最近、この手が祖母譲りのものだとしみじみ思うようになった。
形が似ている。
畑仕事で爪が汚れたり、多少のシワがありはしたけど、祖母の手は綺麗だった。
歳をとると肉が削げて、血管が浮いてくる。
逝く頃にはもちろんそうなっていたが、
直前まで祖母は顔も手も綺麗なもんだった。
悪くないなぁ、綺麗に使い続けよう。
昔は嫌いだった手の厚みに味を感じるようになったんだから、価値観って変わるもんだ。
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