お手軽価格のVRヘッドセット。約3万円のQuest Lite(仮)は2024年にリリースか
ウワサ話ではありますが、低価格モデルが出るかもしれないというウワサは積極的に信じていきたいものです。
韓国のテックビジネスメディアPulse News Koreaが、MetaとLGがタッグを組み、2025年にMeta Quest 4 Proを発売する見込みと報道しています。同記事には、2024年に200ドル以下の低価格モデルも発売する見込みと記されています。
なおPulse News Koreaは、日本でいう日経グループになるのかな。韓国の毎日経済新聞の仲間、Maekyung Media Groupの一員です。
公式情報ではありません。ご注意を
なお注意するべきは、Metaの公式リリースではなく、MetaのVR担当スタッフの談話をまとめたものでもないということ。観測気球というか、記者の勢い余ったところがあるかもしれない、というスタンスで読むべき記事です。
という前置きをしたうえで、低価格版のQuestシリーズのウワサ話を俯瞰して見ていきましょう。
Quest Lite(仮)はVR専用機となるか
2023年2月、Metaはテックニュースメディア・The Vergeに対して2027年までのロードマップを公開しました。このロードマップは3台のQuestシリーズについて言及しています。
1つはコードネーム・Stinson。この9月に正式発表される見込みのQuest 3のことです。
もう1つはコードネーム・Ventura。2024年に発売予定とされている廉価型モデルです。MetaのVR担当責任者のマーク・ラブキン氏はThe Vergeの取材に「このヘッドセットの目標は非常にシンプルです。VRコンシューマー市場で最も魅力的な価格帯で、可能な限り最大のパンチを詰め込むことです」と語っています。
Pulse News Koreaの記事を受け、コードネーム・Venturaがどんなハードウェアとなるのかを想定したのがXR Daily News。「名前はわからないけど、Quest 3 Liteと仮称して」、次のような要素を持つモデルになると予想しています。
・カラーパススルー機能はカットするんじゃないかな。RGBカメラの部品代って高いもんね
・レンズは安価なQuest 2と同じフルネルレンズを使うと思う
・SoCはQuest 3と同じXR2 Gen2だと思うよ高いけど
・IPD調整機構を外す/簡略化や、パネルの低解像化もありえるかも
小型化・軽量化を目指したQuest 3から、Quest 2のようなボリューミーある筐体・構造ベースとしながら、さらに外界を捉えるカメラをオミットすることでVRヘッドセット専用機にするというVentura(Quest Lite(仮))の未来予想図。Quest用の有料ゲーム/アプリが売れに売れたら、このコストダウン化の予想図の正解確率は高まりそうですね。
Quest 4 Pro(仮)はアップル Vision Pro vs サムスンの戦いに参戦するもの
コードネーム・La Jollaは、Quest Proの後継機とされているモデルです。2023年2月に公開されたロードマップ記事内でも「ビジネスシーンで活用できる高解像度モデルを作りたい」と記されています。
Pulse News Koreaはこのコードネーム・La Jollaを高価格帯のVR/MRヘッドセット=Quest 4 Proになるとしており、MetaとLGがパートナーシップを結ぶことで、LGのグループ企業も巻き込んだエコシステム戦略で共同開発すると記しています。
この話のキーとなるのは、LGが大手ディスプレイパネルメーカーであるということ。
アップルのVision ProはソニーのマイクロOLEDが採用されると伝えられた2023年6月、サムスンがGoogle・Qualcommと共同で開発しているという高解像VR/MRヘッドセットの発売が遅延するというリーク情報が出ました。サムスン側がVision Proの仕様を把握して計画を変更したのは明らかでしょう。
そして高解像VR/MRヘッドセットのディスプレイパネル分野でアップル/ソニー vs サムスンの市場争いがはじまるなか、LGも乗り遅れるわけにはいきません。Pulse News Koreaの記事が本物のスクープ情報だと仮定すると、LGにとってはMetaとのパートナーシップは願ったりかなったりのはず。
個人的にはコンシューマーモデルに目がいくものの、ハイエンド機の争いも気になる
ヘッドセット単体で20万円を超えるようなハイエンドモデルで培われたテクノロジーは、翌年・翌々年のコンシューマーモデルで採用されるケースもあります。そう考えると、各社のハイエンドモデルの作りに注目するのも楽しくなりますよ。