【読書日記】星を編む/ 凪良ゆう
さっき読み終わった。
読み始めたときは、まさかこうならないよねって自分なりの最悪なシナリオを勝手に作って、ドギマギしてた。途中までその不安な気持ちが拭えなくて、ただの小説を読んでるだけなのに、ふとした隙間の時間、仕事中、電車の中、どこででも考えた。どうか、この話の中の人たちがこれ以上苦しんでほしくない一心だった。
話の中の人たちは、それぞれ辛い境遇にいたり、それを抱えて生きてるのに、前向きにそれを受け入れて生きてた。置かれた場所で萎れかけながらも、周りの人の助けを得ながら、また咲いていってた。辛い境遇や状況はその人を強くするんだな、と当たり前のことを感じた。それでも、それだけじゃないことも感じた。
この人の文は、ものすごく読みやすい。なんか、読まなくていい感じ。目にすれば物語が勝手に体に入ってくるみたいな。勝手には入ってくるけど、礼儀のいい靴はちゃんと揃えて入ってくる感じ。そして、ダイニングテーブルについて、私はコーヒーを出す。そしたら、とくとくと物語の方から話始める。そんな朗らかな時間を作り出すの言葉や情景の表現がたくさんだった。でも、危うさがあって目は離せなかった。それくらいのめり込んで読んだ作品だった。