FPの復習(ストックオプションについて)
今回は相続分野から外れて株式についての取りまとめをしてみました。
自営業で税制対策をしてる人はもしかしたら触れる機会があるかもしれませんね。
ストックオプションとは
ストックオプション(StockOption)とは会社経営者・役職員が自社の株を○○円で買える権利の事を言う。
簡単に言えば「給料の一部を現金でなく自社株で払う。」と言ったものです。
ストックオプションと持株会の違い
持株会とは
大手企業、上場企業では福利厚生の一環で持株会をやっている企業も多いのではないでしょうか。
持株会とは、給料から天引きして一定金額を社員から集めて毎月自社株式を買い付ける、と言う事である。
社員からすれば給料から天引きされるので自社の業況によって資産が上下するので感じ方は企業によりまちまちだと思いますね。(笑)
ストックオプションとの違い
一番の違いは「給料と別に」なのか「給料からか」になるでしょう。
ストックオプションは企業から見てもメリットがある制度なので財務的なメリット等を見てみましょう。
ストックオプションのメリット
全額現金で給料を支払わなくても良い。資金繰りを安定化させられる。
株価上昇で社員にモチベーションを維持させる事が出来る。
創業時よりコツコツ付与を受けていれば株価評価で高額な所得を得る事が出来る。
デメリット
株価下落によってモチベーションが下がってしまう。
多額のストックオプション行使により社員が退職する恐れ。
一般株主に対する公平性の欠如
権利行使時の手続き上の手間(上場企業の場合インサイダー防止策が講じられる)
ストックオプションの税制
ストックオプションには「税制適格ストックオプション」「税制非適格ストックオプション」の二つに分かれる。
どちらのストックオプションを使うかで税制が大きく異なるので、こちらお抑えておきましょう。
税制適格ストックオプション
多くの企業ではこちらを使っているのが一般的です。
なぜなら、税制メリットが大きいから。
税制適格になる為の要件を超ざっくりおさらいすると以下のようにまとめられます。
社内の人に付与する事
大口株主及び親族はNG
付与されてから10年目までに権利行使する事
権利行使価格を契約時以上の価格にする事
譲渡制限がついている事
権利行使額が年1200万円を超えてはいけない
証券会社に株を保管委託する事
色々要件がありますが、ルールを守れば適格ストックオプションを使う事が出来ます。
税制非適格ストックオプション
一方で税制適格以外のストックオプションを税制非適格ストックオプションと言います。
要件から外れる事で自由が利きますが、権利行使時と売却時に税制が掛かってしまい、かなり税金がとられてしまう事がありますので、要件はなるべく満たして適格ストックオプションで税金対策をしておくことが良いでしょう。
課税の方法
税制適格ストックオプション
簡単に言えば「売却する時に含み益に譲渡所得として税金が計算される。」
これだけです。
権利行使価格を決めたらあとは売却のタイミングを伺えば税金が計算できますのでもらう側からすると分かりやすい考え方になりますね。
税制非適格ストックオプション
一方で非適格の場合、権利行使時に給与所得(雑所得)として所得税がかかります。
課税標準は「時価ー権利行使価格」の差額となります。
総合課税となりますので、ここで掛かってしまうと所得によりかなり不利になる場合がありますから注意が必要ですね。
あとは適格と同じように売却時に含み益分が譲渡所得として課税計算されます。
まとめ
今回はストックオプションについてまとめてみました。
よく、ベンチャー企業の創業者がストックオプションで巨額の財産を築いて余生を過ごしてる、なんて話題になりますが、上手くいけばとても良い制度ですよね。
サラリーマンなのであまりご縁が無い部分ですが、いつか会社を起業したり社内で偉くなった時にストックオプションで上手く資産を増やしていきたいな、なんて思ってたりします。(笑)
FPの分野ではかなりマニアックな部分になりますが、こういう色んな制度についてFPの観点から見て勉強してみるのも面白いのではないでしょうか。
今回はここまで。
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