FPの復習(専門家との連携・独占業務)
今回はFPとしてアドバイス業務を行うにあたって必要な専門家との連携についてまとめてみました。
当然ですがFPの資格だけでは「お金周りの知識が広く浅くある」と言う状態なので、具体的に税金計算や登記代行、金融商品の販売などは出来ません。
各種専門家との連携の上で適切なアドバイスを出来るよう心掛けなければなりません。
FPと関わりのある専門士業
士業一覧
以下が主な士業となります。
弁護士
税理士
司法書士
土地家屋調査士・測量士
宅地建物取引士
社会保険労務士
不動産鑑定士
なかなか多くて最初は混乱するかもしれませんが、
以下ではFPとして覚えておきたい部分について一つずつまとめてみました。
弁護士
ご存じの有名な士業の一つですね。主に法律周りの事務全般を執り行う事が出来ます。
弁護士として登録されると「日本弁護士協会(日弁連)」に名前が登録されますので、確認も容易に行う事が出来ます。「弁護士です。」と名乗ることは「名称独占」と言い、当然にして弁護士じゃないと出来ません。
独占業務
「非弁行為」と言い、弁護士でない者が法律事務を行う事は禁じられています。
ここで言う法律事務とは主に、法律相談・裁判での立証活動・その他法的事務等を指しており「報酬を得る」「業として行う」と言う事については弁護士でないと出来ないものになっています。
FPで関連してくるもので例を挙げてみると、
不動産関連での契約書面の内容検討
借地権・借家権等法律相談
債券債務の法的整理
離婚等の財産分与に係る業務 ...等が挙げられますね。
税理士
税理士についてもFPと重要な連携先になります。大まかな税制についての概要を話すことが出来ますが、具体的な部分については税理士にバトンタッチする事が多いところになります。
独占業務
税理士の独占業務については「税務の代理」「税務書類の作成」「税務相談」が挙げられます。三大独占業務とも言われますね。
本人の確定申告については自ら出来ますが、複雑な業務やライフイベントがあった場合、税理士に確定申告を依頼する事が出来ます。その際「税務代理権限証書」であったり「電子申請証明書」であったりした書類をもって代行した事の証明となりますので、税理士でない人に確定申告を代行させないよう留意しましょう。
FP関連では
所得税計算、相続・贈与税の具体的な計算
各種特例を用いた際の税務相談、税金計算
具体的な税制相談、税額の比較・申告代行 ...等が挙げられますね。
司法書士
司法書士と弁護士は同様な業務を行っていますが、主に登記、供託、訴訟等の法律業務を行います。
弁護士と異なる点は民事調停・裁判・筆界の特定等、民事訴訟においては少額(140万円)までの簡易裁判を取り扱う事が出来ます。金額に上限が設けられていると言う事ですね。
司法書士も弁護士も同じく司法試験に合格して士業を行っていますのでいずれも法律のプロフェッショナルと言えます。
独占業務
司法書士の独占業務は裁判所や法務局に対して提出する書類の作成等が挙げられます。その中でも特筆して多い業務としては法務局への登記の手続きとなります。法務局へ行ってみると司法書士の方が沢山待合室にいたりしますので特徴的ですね。
また、不動産登記に掛かる業務では表題登記は「土地家屋調査士」、権利の登記は「司法書士」が行う業務になりますので、間違えないようにしましょう。
FP関連では
所有権移転登記
相続登記
後見制度においての相談 ...等が挙げられます。
土地家屋調査士・測量士
税理士や弁護士に比べると耳にする事は少ないかもしれませんが、土地家屋調査士は不動産関連業務において非常に重要な役割を果たしています。主に不動産の測量や表題登記を行う業務を行っており、マイホームを建てる際やアパート、マンション新築の際は必ず携わる専門家となっています。
独占業務
土地家屋調査士の独占業務については不動産登記における「表題の登記」、そして土地の境界線を特定する「筆界の特定」等が主な独占業務となっています。上記でも記載しましたが、不動産登記に掛かる業務では司法書士との密接な連携が必要となりますので、よくあるパターンとして、司法書士と土地家屋調査士が共同で事務所を設立している、なんて事がよくあったりします。それほど密な関係であると言えます。
FP関連では
分筆時の測量、実測
新築建物に係る表題の登記
境界線の特定、紛争解決 ...等が挙げられます。
宅地建物取引士
「宅建士」との略称で有名な資格ですね。不動産屋さんに行くと必ず何人か在籍しています。不動産業者の場合、「5人に1人」以上の割合で宅建士有資格者が在籍していないといけないという規制があります。その為、宅建士を有していると不動産業界では重宝される事になりますので、キャリアアップにもとても適している資格であるともいえます。
独占業務
宅建士における独占業務は「重要事項の説明」「重要事項説明書への記名・押印」「契約書への記名・押印」となります。ここで言う「重要事項」とは宅建業法35条、いわゆる「35条書面」に規定されいている内容を指します。「契約締結前に・宅建士が・重要事項を説明しなければならない。」と言う事を覚えておきましょう。
FP関連では
売買に当たって価格の査定
不動産売却時の媒介依頼 ...等が挙げられます。
社会保険労務士
社労士と言われる資格です。その名の通り、国民年金・厚生年金等社会保険関連業務及び労働保険に係る業務全般を担います。
元々行政書士と同じような業務を行っていましたが、1980年、行政書士法改正に伴い社労士と行政書士の完全な分離が図られました。
独占業務
社労士の独占業務は「1号業務」「2号業務」「3号業務」のうち、1号2号業務については独占業務、3号については独占でないものとなっています。
1号業務:手続きの代行、各種申請書の提出
2号業務:帳簿の作成、法廷帳簿(出勤簿・賃金台帳・労働者名簿)の作成
3号業務:相談業務、社会保険・労働法に基づく各種相談
少しややこしいですが、1号・2号については有償であれば独占業務となります。「有償独占」となるので無償であれば独占ではないと言う細かい論点もあります。
FP関連では
年金に係る相談業務・具体的な年金額の試算、計算
各種社会保険関連、労働法関連の具体的な相談
法人で従業員の福利厚生関連の事務全般 ・・・などが挙げられます。
不動産鑑定士
名前の通り、不動産の価格について査定をしてくれる業務を行います。
一番の仕事は公示価格の算定に当たって国の土地の価格を査定しています。
市場の価格形成を阻害しないよう、熟練の知識・知見で土地を算定しているのです。
独占業務
名前の通り、「不動産価格の算定」が独占業務となります。不動産鑑定士ではない者が不動産鑑定を行った場合、刑事罰になりますので、気を付けましょう。
FP関連では
不動産売却時の市場価格調査
合筆や文筆をする際の登記後の価格査定
その他価格査定全般 ・・・等が挙げられます。
まとめ
今回はFP業務において関連してくる専門家についてまとめてみました。
かなり長くなりましたが、ざっと関わってくる専門家はこんな感じなのではないかなと思ってまとめました。
他にも行政書士、公認会計士、建築士、等々、、、
その道のプロ、サムライ業なんて言われていますので何かのイベントで関わる機会が出てくるので、FPに関わらずだれに頼ったらいいのか、と言うのは覚えておくといいのではないかと思います。
今回はここまで。
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