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スタバで働く大学生男子のヒエラルキーは高い

私のこと

28歳。仕事はWebメディアの編集(何でも屋)。12月からパニック障害(オフィス&人間こわい病)になり現在休職中。

突然パニック障害になってしまってからなんだかんだ休職の道を選んだものの、よくなる気配も悪くなる気配もない。たまにの発作が起こる限りはこれが続くんだろうなと思う。ただ、通院を続ける中で背中の痛みとか呼吸困難とか、電車の中で(お前らみんな死ね死ね死ね死ね、誰か知らんけど)と念じることはなくなった。病院の力は偉大だ。思い込みという名前の治療をしっかりしっかり与えてくれてるから、はやく体もしっかり騙されてほしい。

お薬の効果と周りのあたたかみを感じながら過ごす毎日の中で、いま私ができることと言えばなんなのか。ほぼただのニートがそんなことを考えながら過ごす毎日の、ぼんやりした“いま”を文字にしてみようと思って流行りのnoteに書いてみる。いわゆるはけ口、メモ帳、日記、である。

今日のこと

朝10時に目が覚め13時まで布団でだらだら、二度寝して15時に起き、なんかしねーとやばいという謎の圧を感じ準備して誰かと約束するわけもなく簡単なメイク(ファンデーションをするのも億劫だし昔の肌に戻れ戻れ戻れ戻れでもまあいいか、年齢には勝てん)を施し力技で外出に成功。
区役所に寄るべく電車を乗り継いで目的地まで。区役所でいつも番号札を引いてくれたり呼んでくれたりするおじさんとおばさんが必死に111番のお客様を読んでいる姿をぼんやり観察して待つこと5分。その5分の間に111番のお客様は見つかったのだけど、次は115番のひとを何度も呼ぶ彼ら。それでお給料が発生するのかとか考えたら私が普段やってる仕事は年収10000000円とかもらってもええんちゃうか?と思ってしまったり。でもそこ比較したってまじで意味ないなと思い、すみません、と、もごもご心の中で謝った。彼らにだって生活がある、そして私にも。

スタバにて

用事をすませて駅そばのスタバにイン。インスタバにしないのは「え」を足してしまうと例のインスタ「映」になってしまうからで誰でも彼でもバエたがる時代が大嫌いだからスタバでも呼びたくない、正直スタバも入りたくない、だが駅最寄カフェなので致し方ない気持ち。言い訳ともいう。どうでもいい。本読んだりしたくて入店。
レジを担当していたお姉さんから「手が冷たいですね、あったかくしてください」と優しく手を握られ目線をあわせることなくやんわりと笑顔で返した。最近LGBTの記事や百合アニメを見過ぎているせいか、女性と触れ合うともしかしてソッチなんか?どうなんか?とそわそわしてしまうことが多々アリ。意識すればするほどにそういう思考になるのは無意識に脳に染み込んでいるのだろうか。

「スターバックスラテでよろしいですか?」

視界に入ってきた隣のレジ担当のお兄さん。マダムに対して素敵な笑顔と甘めの声でお声がけしている姿に、ぎゅんって感じ。注文を繰り返すのはカフェ店員さん方の優しさなのだろうが、お客としては口頭でちゃんとお伝えしたのでよろしくないわけがない。いつもの癖のせいか、一見普通の大学生に見える彼がなぜスタバで働くに至ったのか考えてみる。癖というのはついついやってしまうもので、いつからだろう、小さいの頃から周りが何を考えているのか勝手に決めつけて凹んだりしていたが、最近は外観や態度を見ただけでその人の生活から血液型まで考えてしまう。居酒屋さんに一人で立ち寄るサラリーマンなんかは家族構成から考える。観察癖。そのせいで病気になった気もする。

スターバックスラテ。通称スタバは日本全国にあるMac持ち込みノマドワーカー、フラペチーノ女子、家出学生、日本語を勉強する留学生カップル、デート前の白ニット女子などさまざまなジャンルの民が集まる、憩いの場である。喫茶店とは異なり現代風のおしゃれなスペースが提供されているためか、人がとても集まりやすい。カフェとはリラックスできる一休み空間だと思っていたがその概念はもうないらしい。多分。きっと。わいわいがやがや。日本進出の海外発カフェはなんでこんなにもわかりやすい人間しか集まらないのか。一時は人の多さが本当に嫌でタバコ臭いドトールやじめじめした喫茶店で読書したりしていたが、そういったお店を探す方が今は難しい。ので、すっかりオシャレカフェフラペチーノスタバに慣れてしまった。親にあわせる顔がない。

大学生アルバイト・太郎くんの解析

彼こと太郎くん(偽名)がここで働く理由は一体どこにあるんだろうか。以下、全て妄想妄言偏見独断。悪口ではまったくないのでお願いします。

太郎くん。21歳。静岡出身。現在一人暮らし。都内大学に通う経済学部3年生。スタバ勤務そろそろ2年目。男女50人ぐらいのインカレテニスサークル所属。英文学部の1年生の花子ちゃん(セミロング茶髪カラコンはディファイン)と夏合宿から付き合って半年。デートは月1回程度。友達はサークル関連6割、学科1割、バイト先3割。広く浅く、深い人は深く関わる方針。飲み会は月5回ぐらい均等にこなす。そろそろ就活のことを意識してきたのでwantedlyで見つけたIT企業にインターン応募中。将来はベンチャーで働いてみたいと思いながらもバイト先の先輩からいろいろ話を聞いてやっぱり最初は安定した商社で働いてみるのもいいかな、と思い始めている。

太郎くんがスタバで働こうと決心したのは大学1年の冬。友達も一人暮らしも安定してきたのでそろそろバイトをはじめようと思う。周りのひとのバイトは居酒屋、本屋、アパレル、カフェなどなど。誰かと一緒に働くのもありかな、と思った矢先にある日飲み会前に立ち寄ったスタバでキャラメルフラペチーノを注文すると、ウサちゃんの絵と「ありがとう♡」のかわいい丸文字が書かれたドリンクを受け取る。見ればどちゃくそに可愛い店員さん。そして彼女の周りには象徴的なグリーンのエプロンを身にまとったイケメン&美女たちがキラキラとシャキシャキと働いていた。(スタバってバイト募集してるのかな)。あたりを見渡せばバイト募集中!のポスターと地元より高めの時給が。そうして太郎くんはスタバで働くことを決め応募し、見事その世界に足を踏み入れたのである。

ここで、太郎くんがスタバに勤務することで手に入れたものは?という疑問が浮かぶ。他の友人と異なる道を選び見事スタバ男子の権利を勝ち取った彼だが、彼にとってスタバで働くことのメリットはなんだったのだろうか。

①俺もキラキラの仲間入り
②職場の可愛い&かっこいいひとたちと友達に
③「バイト何してるの?」「俺?スタバ」「えー!いいな〜!」権
④周囲の人間と自分との差別化

ざっと上記が考えられる。(本当にあくまでも個人的見解)何よりも大切なのは「他と違う自分」を手に入れたことだ。自分も経験したので言えることだが、世の中の下文系大学生はその4年間を出会いに費やしがちになり、その中で友達の人数や中身を自分たちだけが持つスペシャルなモノサシで決めつけ、充実度をそれぞれ計っている。その充実度が高いほど大学内でのヒエラルキーが高くなり「お前あいつと友達なの?」と羨望の目で見られるようになるのだ。今回の太郎くんについてはその「友達」にあたるものが「スタバ」に成り代わった、というケース。ヒエラルキーを登りつめた者はどんどん飲み会に呼ばれ人からも頼られるようになる(ただ勉強のできるできないは個人差があるので要注意)。きっと大学を卒業するころにはいまよりさらに立派なスタバ系男子に成長していることだろう。

おわりに

たった一度見ただけの相手にこれだけコメントを残してしまって何をやってるんだと思うが、言葉にすることで幾分自分が言いたかったことが見えてくる、というのはいいことだ。だが本当に偏見ばかりで太郎くんには私のオナニーに付き合ってもらったようなもので申し訳ない。彼の今後の未来に幸せあれ。

今後も思ったこと、見たこと、痛かったこと、嬉しかったこと、漠然としたこと、いろいろ書いていきますので、よろしくお願いします。

(次は数年ぶりに元彼に再会して大人なりすまし詐欺にあった話)


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