#9 彼女の背中を押したのは
最近ハマっていること。
ちょっとしたスキマの時間に
Instagramを見ること。
画像や映像など
視覚的にさまざまな情報が入ってきて
生活の役に立つこともあるし、
何より見ていて楽しい。
そんな中でも特に
本を紹介するInstagramをよく見ている。
そこで紹介されていた本で、
読んでみてとても考えさせられた一冊。
久しぶりに熱中して読み進め、
1日で読み終えた小説。
出合えて良かった。
『彼女の背中を押したのは』
宮西真冬
あらすじ
書店に勤めていた妹が、ビルから飛び降りた。
相談したいことがあるとメールをしてきたその日に。
結婚と同時に上京し平穏に暮らしていた主人公は、
妹に何があったのかを探るため、
地元に戻りいろいろ人たちに会いに行く。
妹を追い詰めたものは何なのか?
『彼女の背中を押したのは』なんだったのか。
この本の題名であり、
読みながらずっと考えていた一つの問い。
『彼女の背中を押したのは』
この本を読み終わったときに分かる。
一番最後の答えに驚かされたが、
この本の魅力は、その過程にあると思う。
主人公の家庭は、それぞれに特徴がある。
母親は、神経質で、見栄っぱり。
父親は、仕事一筋で、家族のことに無関心。
主人公は、家族から離れるために結婚をして家族と距離をとる。
妹は、容姿端麗だが、心に大きな闇を抱えている。
誰が背中を押したのかを追っていくうちに
主人公が知らなかった家族の一面に気付いていく。
読み進めていくうちに、
現実社会では、巡り合えない
どろどろとした人間の負の感情が
露わになっていく。
がんじがらめな親子関係も
読んでいて納得できる部分が多かった。
数年経ってライフステージが変わった頃に
読み直すと感じ方が変わって
別の物語のようになるのではないかと感じた。
5年後の自分に
読んでほしい。
『彼女の背中を押したのは』