#23出産の話〜パパの視点から〜
先月、ついに念願の第一子が誕生した。
出産のことや子育てのことは、これから書き綴っていきたいと思っている。
将来、子供に「あのときこんな感じだったよ。」と
伝えられる日が来るのがとても楽しみだ。
そのときに向けて記録として残していきたい。
その時は突然やってきた。
出産予定日まで2週間を切ったある日のこと。
その日は、近所に住むお義母さんの誕生日会があり、
美味しい料理と盛り上がる会話に時間が経つのを忘れて楽しんでいた。
ご飯を食べ、ケーキもいただいてお腹が満たされていた。
話が盛り上がっているときに
赤ちゃんが元気に妻のお腹を蹴っていた。
『すくわーと、みんなの話し声を聞いて
そろそろお外に出たくなってきたかな?』と話しかけていた。
そうは言いながらも、出産経験者から
出産の直前には、胎動が少しおさまると聞いていたので、
まだまだ胎動があるし、
予定日ぐらいに生まれるかな
と二人で話していた。
その日の夜、自宅に戻り、
次の日が仕事だったので、早めに就寝した。
むぎたは、どこでもすぐに寝られるので、
あっという間に寝てしまった。
どのくらい時間が経ったか分からないが
しばらくして妻が真剣な表情で起こしてくれた。
「破水したかもしれない。」
むぎたは寝ぼけすぎていて、現状を理解できないでいたが、
妻の表情から深刻な状況であることは分かった。
破水した場合、すぐに病院に行かないといけない。
むぎた夫婦は車を持っていないので、
妻のご両親に来てもらい、
すぐに病院に駆け込んだ。
いつ陣痛が来ても大丈夫なように
妻が入院セットを準備してくれていて助かった。
コロナ対策で、妻の付き添いは一人だけ。
しかも、病院のナースステーションまで。
それより先は妻が一人でいくことになった。
不安でいっぱいの妻の背中はとても寂しそうだった。
病院で診てもらうと、すぐに破水していることがわかり、
深夜だったにも関わらず、緊急入院となった。
入院が決まっても
むぎたにできることは何もなく、
翌日も仕事があるため、帰宅し、就寝した。
妊娠期から妻が通っていた病院は、
入院中の面会や立ち会いが制限されていた。
入院した妻がどんな様子なのか、
赤ちゃんが産まれたのかもわからず、
唯一知る手がかりが妻からの連絡だけだった。
妻が入院した翌日の朝、
妻に連絡したが、既読にならなかった。
むぎたは、悶々としたまま仕事に行った。
仕事も合間も気になって仕方がなく、
妻からの連絡を待ち続けた。
そして、ついに妻から連絡が来た。
「赤ちゃんが産まれたよ!」
破水をしてから陣痛が始まり、
約15時間も痛みと戦っていたようだ。
本当に大変だったようで、
しばらく放心状態になったと言っていた。
初産で相当心細かっただろうし、
陣痛の痛みは計り知れないものだったと思う。
そんな中一人で頑張ってくれた妻には、本当に感謝だ。
その後、写真や動画も送られて来た。
動画では、産まれたばかりで
とっても小さな赤ちゃんが、
一生懸命に大きな声で泣いていた。
妻の疲れ切っているが、ホッとした様子に
こちらもホッとした。
それと同時に、これまでは妻に頑張ってもらう機会が多かったが、
これからは、むぎたが家事と育児を率先してやっていこうと思った。
出産当日、ガラス越しで15分間のみ
面会できるということだったので、
仕事を終えてすぐに病院に向かった。
ガラス越しでの初対面。
言葉には表せられない感情が押し寄せてきた。
そんな中でも一番大変だった妻へは、
感謝の気持ちでいっぱいだった。
その後の入院中の妻や我が子との面会はできなかったので、
毎日妻から送られてくる写真や動画が楽しみだった。
特にしゃっくりの動画が可愛かった。
人間とは思えない可愛い音で
一生懸命にしゃっくりをしていた。
1日でも早く我が子を抱っこしたいと思い、
退院予定日を心待ちにしていた。
しかし、なかなかそううまくはいかなかった。
続きは、次回に。