松本一子

松本一子=マツモトイッコと申します。 現在遠距離親子を絶賛実施中! そんな距離を越えた…

松本一子

松本一子=マツモトイッコと申します。 現在遠距離親子を絶賛実施中! そんな距離を越えた親と子のなんやなんかを書いたりします。 どうか皆さま、ワタシに子育てを教えてやってください。 時空はたまに飛びますので、ムスメが大っきくなったり小さいなったりします。

最近の記事

遠距離恋愛ならぬ遠距離親子

ムスメと遠距離親子をして、かれこれ4年目に入ろうかとしている。 もう4年。うちらもまあまあ続いてるじゃん!と遠距離恋愛であれば愛を重ねた証でもあるのかもしれないが、親子の場合そうもいかん。 はぁ~なぁ~れぇ~たぁ~時間がぁ~愛そぉだぁ~てるのさぁ~♪とヒロミゴー様も歌っておられるが、ワタシは離れた分だけムスメの育つ瞬間を見逃した。 毎月ムスメに会いに行くものの、それでは都合のいい部分だけの親をやっているだけ、学校の行事も出来る限り参加はしたがやはり地域に暮らしていないとなる

    • Doll 2号  no.5

      no.1(1話目)はこちら https://note.com/mmm12o2/n/n106685e6726a —— 透明な夢 —— よく見る夢があった。 レナはキッチンに寝ころび、ママに手を握ってもらっている。 ママは「大丈夫よ。目が覚めれば新しい世界よ」と微笑み、レナもママに微笑みで答えた。 そこにあるママの宝石みたいな目には、わずか10㎝の距離からも目が開いているのか判別できないレナの顔があった。 レナが最後にもう一度だけとママの中の自分の顔を覗き込もうとする

      • Doll 2号  no.4

        no.1(1話目)はこちら https://note.com/mmm12o2/n/n106685e6726a —— 漆黒の夜 —— 「なんで地上60階の女の生活を地上3階の女に汚されなきゃいけないの」 と、二人の寝室から聞こえてきたのはママの声だった。 ありきたりだが、ママが大好きで旅行に行くたびに集めたスノードームがキャビネットから崩れて落ちていくのが聞こえた。でも、投げない。 偽物と言われても、作り上げた美しいパパの鼻を壊そうとはしなかった。 他人から偽物と言われ

        • Doll 2号  no.3

          no.1(1話目)はこちら https://note.com/mmm12o2/n/n106685e6726a —— 金色の夕昏 —— 駅と直結したシティーホテルにリナちゃんママこと常田さんのママがエコバックからネギを出してエレベータがくるのを待っていた。 ネギとホテルとエレベータ。 世の中、似ても似つかない親子がいるように整合性の合わない風景もそこら中にある。 キッチンもないシティホテルの部屋にネギ。 意味はないがありえない話ではない。 常田さんママこと常田友里恵が30

        遠距離恋愛ならぬ遠距離親子

          Doll 2号  no.2

          no.1(1話目)はこちら https://note.com/mmm12o2/n/n106685e6726a —— カレー色の昼 —— 「おはようレナちゃん」 「おはようレナちゃん」 「おはようレナちゃん」 校舎に入ると、みんなレナの顔に向かって挨拶をしてくる。 やはり顔にだ。 みんな条件反射にレナの顔に反応し挨拶しているだけで、レナの中身の存在に気付くほどの注意は払っていない。 だから、レナがつるんとした頭部の皮膚に穴をあけているだけの生き物とし今廊下を歩き、教室

          Doll 2号  no.2

          Doll 2号  no.1

          —— 白の朝食 —— 「ねぇ、どうしてママのおめめはそんなに大きいの?」 「それはね、みんなに羨望の眼差しで見られるためよ」 「ねぇ、どうしてママのお鼻はそんなにスッとして高いの?」 「それはね、人のことを馬鹿にして笑う人を“私の方が綺麗なのに何言ってんの?”って蹴散らすためよ」 レナずきんちゃんより 「レナちゃんのおめめは目頭を切開して、二重の幅をあと3ミリ広げたらもっと可愛くなるわね」 ママは口角が完璧に上がった唇にオーガニックのフルーツトマトを寄せ、そう言った。

          Doll 2号  no.1