自分をよく見せる
【第九十二回】
こんばんは。
今日、夕方のニュースで街頭インタビューを受けていた女性の、傘の模様がよく見たことのある、画家というかデザイナーの作品で、何なら実家のクッションカバーと同じ模様だった気がして、私はその人の美術展にも行ったことがあるのに名前がどうしても出てこず。
画家、鳥、いちご、で検索。
ウィリアム・モリスでした。素敵よねえあのテキスタイル。
その傘を見て私が一番に思ったことは、
母にプレゼントしたいな、でした。
先にも書いたように、クッションカバーに選んでいるくらいなのだから好きな柄なのだろうし、何となく母に似合う気がしたから。
不思議なものです。
私はどちらかと言えば恐らく親不孝者に分類されるタイプの娘だと自覚しているし、昨今はそこまでだけど、特段仲がいいとは言えない間柄だ。
実家を離れた影響が大きいのだろうと思うけれど、それでも久しぶりに会うとなれば、何らかの手土産なりプレゼントなりを、と無意識に考えを巡らせてしまう。
これは自分をよく見せようとしているからなんだろうか?
よくと言うか、良い娘らしくと言うか。
過ぎた時間は取り戻せないと言うのに。
開いた隙間は閉じないと言うのに。
自分をよく見せようと思わないでください。
ありのままのあなたを見せてください。
何もしなくてもあなたは特別な人です。
と、私の中のJ.Y.パークさんが囁く。