データセンターと電気
データセンターで有名な某地域をみてきたのでアウトプット。米国にDCを作ったこともあるがその時に電気代の圧倒的な違いを痛感して、デジタル社会の競争力は電気だよなと感じていた。
今回はそのDCを支える電気の視点から見学をする機会を得ることができた。デジタル社会を支えるのはDCだけど、それを支えてるのは送電変電の電力系統だ。エネルギーをどうやってつくるのか?の議論はよくでるがどう送るのかも大事だ。送電と変電の設備投資にはDCそのものを作る以上の時間、10年くらいかかることもあるので整備は長期的に考えないといけない。
生成AIなどで電気をこれからさらに使うことになるという報道はよく見るが、首都圏だとどれくらいの電力をこれからデータセンターで使うことになるのだろうか?
2033年には東京電力の場合は全電力の10%、700万KwがDCに必要。原発施設が丸ごと一つ必要かそれでも足りないくらいの規模感だろう。
人体では脳に2割のエネルギーが消費されると聞いたことある。テクノロジーは身体機能の拡張だけど、脳の拡張たる生成AIとその基礎のデータセンターに全エネルギーの2割が使われる日も来たら、どうやって支えるのだろうか。
グーグルやマイクロソフト、アマゾンなど私企業が原発を調達する時代になってきたことの意味合いを考えないといけない。
発電ー送電ー変電ーデータセンター(DC)ー通信ー利用者の構図でデジタル社会は動いてる。見学した場所はかつてニュータウンとして開発が進みその設備があったのでDCをつくりやすかった。それでも今は設備が足りなくて地下トンネルをほって新たに送電網を整備したり、変電所を新設してる。地上ではなくトンネルか?用地買収が大変なので地下をほるほうが安く早いからだ。
DCのロケーションは3つにわかれつつある
都心型:都内
郊外型ハイパースケール(印西とか多摩とか)
地方型(北海道や九州)
地方のDCの話題をよく見るがそれでも都心型と郊外型のニーズが大きい。50km圏内に需要が集中する傾向に。需要地への近接性が重視される傾向は強く、今後はリアルな物体を制御するような活動が増えるのでとくに近接性が大事になる予測も。生成AIのように返事がおそくていいものは再エネがたくさんある地方(九州とか)に置かれる傾向もあり用途に応じて使い分けになっていく。
感じたこと
デジタル社会はDCのうえでうごく。DCは電力ネットワークの上で動く。行政は港湾や道路などのインフラを整備してきたが現代社会ではDCもインフラでありその整備はわがこととして考えないいけない。 都心型については土地がどっちにしろなので新しいビルがねらい目になるかもしれない。たとえば容積率の緩和の際に、公共貢献の一環で、DCと変電設備をビル内に設置とか。開発主がDCをビル内におくことを歓迎する取り組みはできるだろうか?
ハイパースケール型のDCの場合は地元理解も大事になるのではないか? データセンターが郊外地元にできる場合の地元のメリットをどうかんがえるのか?
行政の仕事はインフラを作ること。通信やデータセンターは現代社会の港湾道路空港に匹敵するインフラ。民間主導だけど行政も力を入れて支援しなければいけない。インフラがないと全体が困る。
わたしのメモなので間違いもあるかもだけどご容赦を。