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年始の挨拶メール

新年、明けましておめでとうございます。
事業年度の途中ですが、新年の挨拶をかねてこの3四半期の振り返りを一緒に仕事してるチームメンバの職員と取引先にメールしました。noteにも一部加筆修正して掲載しておきます。


新年明けましておめでとうございます。
2022年も引き続き行政のデジタル化への取り組みを進めてまいります。 

東京都民の皆様のQoL(クオリティオブライフ)の向上に貢献するために情報技術を利活用する取り組みを「スマート東京」というプロジェクト名で推進しています。

具体的には2040年をゴールにスマート東京は3つの柱で推進しています。


1.つながる東京を作る

TOKYO Data Highwayと呼んでいる取り組みです。デジタルサービスを受けるには「接続」できることが大前提となります。そこで、都民の皆様からお預かりしている全ての都の空間(公園や文化施設、避難所、学校など)で光回線、公衆無線LAN、5Gなどの整備を通じて、いつでもどこでも誰でも何があって(災害)もつながる東京を作るべく取り組みを推進していきます。通信キャリアの皆様と連携をとりながら水道、下水道、ガス、電気、道路に続く第六のインフラであるインターネット網を作りあげていきます。年に一度の都民向けのインターネット調査を実施しており、その結果を見ながら弱点のセグメントを強化していきます。東京オリンピック・パラリンピックの会場では当初は通信環境の整備が弱いところもありましたが、通信キャリアの皆様の協力を得て、ほぼすべての会場で5GやWi-Fiを整備することができました。今後のスポーツ施設のレガシーとしてこれらを生かしたサービスづくりの基盤になることを期待しています。

 

2.公共施設や都民サービスのデジタルシフト(街のデジタルシフト)

港湾、水道、下水道、道路、公園、交通、医療、教育など、東京都が提供している様々な行政サービスに情報技術の力を取り入れることで、より良いサービスを提供できるようにします。全ての局でデジタル化を推進する代表的な取り組みを一つ以上定め、それを「リーディングプロジェクト」と名付けて重点的に取り組んでいます。

単にアナログ的な手法をデジタルに置き換えるだけではなく、デジタル化によって行政サービスの品質(QoS クオリティオブサービス)がアナログ時代に比べて改善している状態になることを目標にします。そのため、「テストなくしてリリースなし」を実践すべく、ユーザーテストを必須にしたりサービス開発にあたってのガイドラインを整備しました。加えて、行政サービスの品質の数値化にも取り組む予定です。島嶼部やベイエリア、西新宿などでのスマートシティの取り組みも推進しています。

コロナ対策についても、都庁各局の情報技術利活用の取り組みをサポートしてきました。保健所におけるデジタル技術の活用推進、アプリやwebサービスの開発支援などです。まだまだ課題も多いですが開発と改善を続けていきます。

3.行政のデジタルシフト

都職員の働き方や仕事の道具を変える内部改革の取り組みです。2025年完了を目標にシントセイというコード名で推進しています。職員が職場に来なくても働け、都民の皆様も来庁せずに全ての手続きや相談を受けれる「ヴァーチャル都庁」を目指して取り組んでいます。それに伴い行政手続きの件数の98%をデジタル化する目標で取り組んでいます。

職員が戦える情報環境を提供することがデジタル化の推進には大前提になります。そこで年に一度、職員に仕事をする上での情報環境についてのサーベイを開始しました。2年目の結果については現在集計中ですが、職員が戦える道具を提供し、サーベイをしてフィードバックをもらって改善する、を地道に繰り返して進化させ続けます。


人材、組織面でも進展のある1年でした。

昨年はデジタルサービス局という情報技術に特化したチームを作ることができました。

約2年前、副知事に着任した後の最初の講演で「一つだけ残すものは何か?」と質問された際にとっさに答えたのが「組織を残したい」だったので一つだけ最低限の目標を果たすことができました。

「自分が1つだけ絶対残すべきものはなにかと考えたときに、それは先ほど言った“船”だと思うんですよ。強力なデジタル部隊を作る。これができれば、仮に僕が能力不足で失敗したとしても、船に人が残っていればリカバリーできますよね。ベンチャー企業も同じだと思うのですが、まずは人と組織を作る。都庁には水道や道路などの技術者の集団があり、エンジニアの文化があるんですよ。これからは、東京都の行政の中にデジタルテクノロジーの集団を作り、カルチャーを作っていくわけで、それをきちんと残すのが一番大事だと思います。」

INTERNET Watch

新たに誕生したデジタルサービス局では貢献すべき相手を「1.すべての都民と企業 2.都職員 3.区市町村のICT担当」と定義しています。

特に3つ目の区市町村のICT担当は非常にニーズも高く、この2年で東京都CIOフォーラムや区市町村CIOとの座談会を新たに始めることができました。情報交換の中でデジタルサービス開発、オープンデータ、人材教育など様々な「共同化」の可能性が確認できたので、ここにも挑戦する一年にしたいと思います。

また昨年、職員の採用区分にICT職を創設しました。これまでは部署移動によってデジタルサービスへの知見や経験が途切れてしまい、情報技術人材を育成するのは困難でした。ICT職の人材は継続的にどの部署に行ってもデジタル関係の仕事に取り組むことで、「行政×情報技術」という掛け算のスキルを蓄積していくことができます。

さらにICT職に求められるスキル、スペックを可視化するための「スキルマップ」を開発しました。このスキルマップを使って都庁に不足している人材のスペックを可視化して採用に役立てたり、教育研修体制を充実させて、今後爆発的に必要とされる「公務員×情報技術」の人材育成に備えます。

東京都が何十年にもわたって持続的に、そしてどの部門や担当者がデジタルサービスを作っても品質にムラがなく安定して高い品質を提供し続けることが極めて重要です。そのためにみんなが守るべき行動の掟やガイドラインを整備していくために東京デジタルサービス会議を立ち上げました。

 

さらにオープンソースやオープンデータの取り組みも推進することができました。

税金で作られたシステムは都民の皆様のもの(People’s code)であり誰もが再利用が可能な公共資産であるべきだという思想のもと、オープンソースの取り組みの推進のために「東京都オープン・ソース・ソフトウェア公開ガイドライン(β版(0.1.0版))」を公開しました。オープンソースを増やすことでコードの透明性を高めたり再利用性を高めていきます。

同様に行政のもつデータは市民のコンピュータで判読可能な形で公開すべきという哲学のもと、オープンデータの取り組みを推進しています。データに関する取り組みでは他にも東京データプラットフォーム(TDPF)を立ち上げました。このプラットフォーム上で、行政のもつ様々なデータをオープンデータや限定公開の方式で掲載していく取り組みも推進していきます。さらに、これらのデータを活用して、市民が行政のデジタルサービスづくりに参加する都知事杯ハッカソンや東京都発OSS活用共創プロジェクトである「TOKYO OSS Party」をはじめて開催しています。

 

そのほか西新宿や島嶼部でのスマートシティの取り組み、自動運転やドローンなどの先端サービスの都市実装に向けての取り組みなども行いました。

 

今後も、デジタルサービス局を中心に都庁全体で情報技術を取り入れてより良い行政サービスを都民に届けられるよう、一年一年、着実に積み上げていきます。 

また、デジタル化以外にも「国際金融都市・東京」の実現に向けたプロジェクトも担当しています。

特に待ったなしである東京都の気候危機対策において、金融の力とスタートアップの力を総動員して取り組むべく、グリーンファイナンスとスタートアップを取組の大きな柱として「国際金融都市・東京」を組み立てていく方向性を打ち出せました。

新年度からは具体的なプロジェクトに着手していきます。

 

社会の構造改革に関する取組である、「東京ベイeSGプロジェクト」と「カーボンハーフプロジェクト」については、私はサブリーダーとしてプロジェクトを推進しています。

 

皆様からのご指導、ご支援をいただきながら着実に一歩ずつ前進したいと思います。

本年もよろしくお願いいたします。


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