先生って美人ですね。憧れます。
と言われたのは初めてかもしれない。
小学校4年生の彼女は、私のところへ来て、
なんの戸惑いも恥じらいもなくそう言った。
私は嬉しい気持ちより先に、動揺した。
こんなふうに言われたことは、30年近く生きてきて初めてだったからだ。
そして、しばらくして
誰かに憧れられるような人間になったのかと、
くすぐったい気持ちになる。
しかも、それを言ってのけたのは
私の半分も生きていないような女の子だ。
彼女の語彙と気持ちを表現しようと思う心意気にただ驚かされた。
私が当時の彼女の年齢のときには、誰かに憧れてそれを伝えるなど、できただろうか。
そして彼女は教えてくれる。
そうやって、言葉にして表す大切さを。
その言葉に、救われる人がいるということを。
写真は5歳の子からもらった 純度100%ご厚意のお手紙です。