最低賃金引上げで思うこと
10月より最低賃金が改定されている。全国平均28円UPは過去最高の引き上げである。
明日公示の選挙でも最低賃金を引き上げることを公約に入れている党が目立つ。賃金が安く物価も安い日本は世界的に見て「安い国」となっている。 人口減少が避けられない今、国力を弱体化させないためには賃金や物価の上昇は不可欠である。最低賃金を上げるということ自体は賛成であるが、それに伴い懸念していることがある。
「扶養」という仕組みである。一般にパート女性は夫の扶養となっている可能性が高い。そのため、扶養の範囲内で働こうとする。とすると最低賃金を上げても、労働時間が短くなるだけである。
税法改正で150万円(103万円を改定)までを扶養控除の対象としたが、思うよう女性の労働が増えなかったのは社会保険の扶養基準(130万円未満)を改定しなかったから。
パートの社会保険加入は500人以上の会社で一定要件のもと加入義務が発生している。この先2022年10月~100名以上、2024年10月~50名以上の会社に勤務している人にも適用が広まっていくこととなっている。それでも「扶養」という枠組みがある限りより短時間で扶養の範囲でと就労調整をする人も出てきている。
最低賃金を上げることが必ずしも労働力UPに必ずしも直結しない要因を作っている「扶養」という仕組みも一緒に考える必要があるのではないかと思う。
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