心不全患者の身体機能のカットオフ値について
近年,本邦では高齢心不全患者が急増しており,心臓リハビリテーションの需要が高まっています.
2021年改訂版の「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」では,心臓リハビリテーションの目的として,1再発および再入院防止・長期予後改善,2QOL向上,3運動耐容能増加,4フレイル予防,5抑うつ改善の5点を挙げています.
しかし,上記に示したように,心不全患者は心不全の急性増悪,入退院を繰り返すことにより徐々に身体機能が低下していくことが明らかとなっています.
そのため,患者さんの身体機能を評価し,介入していくことがリハビリテーションではとても重要です.
まず,患者さんの状態を把握するために評価し,その後,リハビリテーションの効果判定のために再評価します.
リハビリテーションでは数多くの身体機能の評価ツールがありますので,今回はその中で心疾患患者に対して予後予測等で有用性が報告されているもののカットオフ値,さらにどの程度の改善を目標とするのかを中心に,ご紹介致します.
(CPXデータ,6分間歩行試験,歩行速度について)
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