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【RAFIQ難民初級講座:体験談】日本が難民を受け入れられない理由


こんにちは!うえぴです。

2月の9日に関西で難民支援を行う団体、RAFIQの難民初級講座に行ってきました。RAFIQは2002年に難民と出会った市民が大阪で立ち上げた市民団体です。詳しくは下のリンクをご覧ください。↓

【RAFIQ:ラフィックってどういう意味?】

RAFIQ(ラフィック)とは、ペルシャ語、アラビア語で「友だち」の意味。初めて支援したのがアフガニスタン難民で、彼らの母国語(ダリ語:ペルシャ語)から採ったそうです。

アフガニスタンでは現在も紛争は続いています。大きな理由の一つは、国内に20以上の民族がいること。民族間のまとまりが得られず、国家としての統一が難しいといわれています。また、一時期アメリカがテロ組織とみなすイスラム主義組織タリバンによって国家権力はほぼ掌握されました。アメリカの侵攻により、一時壊滅しましたが、近年復活しました。しかし現在はタリバンとアメリカの間で暫定合意に向けて交渉しています。

【難民初級講座体験記】

少し話がそれましたが、RAFIQ難民初級講座の体験をお話したいと思います。参加者は9名。私以外は皆さん社会人の方でした。定員が8名と限られていますので、関西地域でもいかに難民に対する意識が高くなってきているのかがわかります。

場所は東三国駅すぐの小さな民家。本当に小さいので見逃してしまいそうです。下の階に事務所、上の階に小さなイベントルームと難民の方用のシェルターがあります。

初級講座はイベントルームで二時間。現在の世界の難民の状況や、日本の難民認定制度など、知らなかったこともたくさんお聞きすることが出来ました。インターネットからですがインフォグラフィックを張っておきます。

お話の趣旨を一言でまとめると、「いかに日本の難民制度がおかしいのか」ということでした。お話をしてくださった竹垣さんも、端々で怒りを見せていらっしゃいました。

私が日本の難民制度において問題だと思ったのは、

①難民認定の明文化された基準がないこと

②仮放免に対する放免金が高すぎること

③難民の受入数が少なすぎること(0.1%)

の三つだと思いました。③はもちろん多くの方が知っていらっしゃると思いますが、特に②は私も初めて聞いたことで非常に驚きました。以下少し説明していきます。

①難民認定の明文化された基準がないこと

竹垣さんのお話では、難民認定の基準は本当に主観的・恣意的であるように思いました。例えば難民として逃げる相当の理由と証拠があっても認定されなかった中東人の方もいれば、弱い証拠を提示しただけで数カ月で難民認定がもらえたアフリカの方もいるとのことでした。

これに対して入国管理局からの回答は全くありません。あったとしても「様々な要素を考慮して」などとしか説明されないのです。

②仮放免に対する放免金が高すぎること

仮放免とはビザが切れてから難民申請した人や不法入国という形になり、入国管理局に収容されている人が、一時的に施設の外に出られることを指します。放免金は2016年に1万円、2017年に30万円、2018年には50万円になったそうです。これは完全に仮放免は認めません、という政府の意向です。

③難民の受入数が少なすぎること(0.1%)

UNHCRの報告書では、申請者に対する難民の受け入れ率が10%以下の国が具体的に挙げられています。その中でも日本はとりわけ低い、と名指しで批判されています。世界的に見ても難民の受け入れ率は6%~30%です。0.1%というのは驚愕の数字といっても過言ではありません。


【なぜ日本は難民を受け入れないのか?】

アフガニスタン戦争に代表されるように、世界には日本人の私たちが日ごろ認識していないような人道的危機がたくさんあふれています。

シリア内戦、南スーダン内戦、イエメン内戦などなど、、、そのほかにもトルコや中国、イランなど国家の方向性に迎合しない思想を持つ人々を迫害する国は多くあります。

日本にとってこれらの「迫害」「内戦」という言葉は、はなはだ遠いものに感じられるでしょう。単一民族、単一言語、政治的無関心、無宗教である日本では、目に見える「迫害」や「内戦」の原因はほとんどありません。

日本が難民を受け入れられない理由は、「想像力の欠如」にあると、私は思います。日本人は決して"Xenophobia"=外国人嫌いではないと思います。一人一人のレベルで見れば、言葉が通じなくとも助けてあげようという気持ちを持つ人は多いでしょう。しかし、国レベルで難民を扱えば、そこには国レベルでの見方しかありえないと思います。

イエメン内戦などがその例です。イエメンではシーア派の反政府勢力とスンナ派の暫定政権をそれぞれイランとサウジアラビアが支援しています。

内戦が泥沼化しているのは問題ですが、何より一番深刻なのは、国民の「飢餓」に他なりません。国内の流通の停止により、イエメン国内では食料が少なくなり、結果として物価が急激に高騰しました。何の罪もない「国民」が国の意向によって、まったく理不尽な状況に置かれているのです。

このように他国の戦いだけに、他国の外面だけに目を向け、そこで暮らす普通の人々の「気持ち」に対する「想像力」を働かせないことが、難民を受け入れないという選択につながっているのではと強く感じました。もちろん、国家として外国人の大量流入を許せば、日本の治安が脅かされるといった根拠のない恐れもあるでしょう。多くの人はそう思っていないかも知れませんが、政府の中でもそのような思想を持っている人がここに関わっていることは、おそらく事実です、

次年度からは東京に行くので、RAFIQさんと関われることは少ないでしょうが、東京でも難民支援に関わりたいと考えています。非上に有意義なお時間をありがとうございました。


東京では、JARさんが最も大きい団体だとお聞きしたので、また訪問してみるつもりです。皆さんも難民支援に興味がある、難民のこと何かやりたい!という方がいれば、一緒にやりましょう。お待ちしてます<3



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