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イーヴォ・ポゴレリッチ ~撮影ノオト~

クラシック音楽界の反逆児

衝動的なショパンを聴いた。ピアノ協奏曲第2番。瑞々しく詩情あふれる調べなのに、大きな音の波が絶え間なくこちらの身体に押し寄せ、響きわたる。1983年、イーヴォ・ポゴレリッチの東京でのピアノリサイタル会場でのこと。

当時彼は24歳。その名には「天才そしてクラシック音楽界の反逆児」という言葉が常に添えられていた。

第10回ショパン国際コンクールで最終選考に残らず、それに異をとなえた審査員のひとりマルタ・アルゲリッチが「彼は天才よ!」という言葉とともに、抗議のため審査員を辞任した。いわゆる「ポゴレリッチ事件」として今も語り継がれている、その出来事から3年と経っていない頃だった。

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