潜在意識は、なぜ顕在意識の言うことを聞かないか
人は、自分の意思で判断・行動している。…と言うのは間違いだ、とある脳科学者はいう。
確かに、ポジティブであり続けようってのも、ちっとも続かない。気づけば不安が湧き、それが膨らみながら頭の中を渦巻いて、恐怖に怯えてしまう。
以下の本を読んで思う、潜在意識がいうことを聞かない仕組みを綴ってみたい。
潜在意識の求めるものは「生存」
意思では「左に曲がりたい」と思って強く念じても、気づくと潜在意識が右に仕向けていた。無理にも左に行くと病む。
なぜそんなことになるのか。潜在意識は嫌がらせしたいのか?
もちろん、そんな訳は無く、潜在意識は、自分オリジナルの常識・経験則をもとにして、「生存」の確保に最適な方向に向くだけのこと。
そうか。過去の膨大な自分の経験から、オリジナル経験則に沿って、「死なない、生き延びられるのはコッチ」を断固として選ぶんだ。たから、今までと変わったことは拒むし、知らない世界へ突っ込むのも拒む。
頑固でネガティブで保守的にも感じる潜在意識は、実は自分の生存を必死に確保しようと頑張ってるだけなのだ。徹底したリスク回避を図っているのだ。そして、自分自身の意思・顕在意識のことなんて、気まぐれで信用ならんとアテにしてないのだ。
潜在意識の抵抗を滅失させる
経験則に無い、「得体の知れんことはせん!」と変化を拒む潜在意識に、どうやったら折れてもらうか。
それは、「変化を変化だと感じさせないこと」のようだ。
それを更に掘り下げると、意思で「こう変わりたい」と強く願うのをやめて、「既に変わった後の自分は愉快だわー」とイメージを豊かにして愉快感覚を感じていることだと。
扁桃体が「快」なら赴くから
意思で「こう変わりたい」と強く願望することは、「今は理想と違うダメな状態だから」と思うことに等しい。
「変わらなきゃ」という切迫した必死感は、扁桃体に「不快」判定され、その不快感が「こう変わりたい、変わらなきゃ」に紐づいてしまい、変わることを停止しにかかる。自律神経を乱し、体調を悪化させ、思考も想念も毒していく。ダイエットが長続きしないパターンに典型だろう。
「安心・安全」を手にしたいと思い、守銭奴になった結果、失う怖れに囚われて、安心・安全の心境から遠ざかるとか。
現実を引き寄せるのは、顕在意識じゃ無くて潜在意識らしい
自分の意識が自分の現実を作る、などと言うが、その時の「意識」は、顕在意識では無くて、どうやら潜在意識の方らしい。
識学的には、阿頼耶識ってことになるのだろうか。
潜在意識に、不足感・罪悪感・抵抗感 があると、その解消のための行動に駆り立てられるらしい。
潜在意識は、危機に怯えている
潜在意識は、その目的たる生存の絶対尊重のもと、危機に怯えているといえる。
幼い頃から今までに蓄えた無数の経験知から、危機回避のための自分ルールを内蔵して、顕在意識が何と言おうとお構いなしに自分ルールで自分を動かしている。
そして、その自分ルールの効力が、顕在意識にとって意図せざる誘導・足枷になって働くと。
つまり、自分の行動則が変わるなら、関連する既存の自分ルールが解放されねばならない。
結局、顕在意識にできることはない
量子力学やパラレルワールドの話が出てきて、今の私にはお腹いっぱいで肚落ちしないが…
要するに、顕在意識で事態を良くしようと足掻くのは、効果無いようだ。
それより、自分の潜在意識エネルギーの力を確信して、心安らかに愉快にしてればそれで良い、と…
そして、湧いてくる不安や恐れは、その裏にある自分ルールとそれを持ってる素である不足感・罪悪感・抵抗感を、ただ見て許せば良いのだと。
許しは、こわばった心身を緩ませ、自責感や強迫観念を解放する。それをし続けることで、囚れのない真の自我に近づく、ていうことか?
うーん、まだまだ会得の確信がない。