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タイムリープ実験

「タイムリープ実験」は、まず夢をコントロールする「明晰夢」を習得。次に夢の中で行きたい過去や未来の世界に入る「バーチャル・タイムリープ」を経験し、最終的に精神だけで過去や未来へ時間移動できる「真のタイムリープ」の存在を検証する実験です。

【タイムリープ実験100日間の報告とお礼】
明晰夢やタイムリープに関するテクニックを実践いただき、皆さまから送っていただいたデータを検証する実験を、2020年3月13日から6月20日まで100日間実施しました。
実験にご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

100日間の詳細な実験結果をこの有料記事(3000円)の最後にまとめています。
20種類以上の明晰夢テクニックとの関連を調べ、「明晰夢を見るのに効果的なテクニック」や「ハイビジョン以上の鮮やかな夢を見るのに効果的なテクニック」、「睡眠の質を向上させるテクニック」などを検証データとともに紹介しています。
※簡易版の100日間リポート(無料)はこちらを参照ください。

タイムリープの存在に関しては残念ながら今回の実験期間ではそこまで到達できず、実証できませんでした。
ただし明晰夢に関しては、22人の参加者のうち約3割がはじめて見ることに成功し、1度でも見た方は、その後見る確率が8割に向上しています。
(ステップ1の参加者の夢262回のうち明晰夢だったのは4.6%、ステップ2(明晰夢経験者)の夢155回のうち明晰夢だったのは8.4%)。
ある程度の有効性が確認されたので、この有料記事はそのまま残しておきます。

明晰夢に関心のある方、よろしければご参考・実践ください。

せっかくなのでタイムリープ実験用のアンケートフォームもそのまま残しておきます。
100日間の実験ではタイムリープを検証する最後のステップ3まで到達することはできませんでしたが、もし引き続き実践された方で、何らかの進展があれば、この記事のコメント欄や私のツイッターなどにご連絡いただければうれしいです。


タイムリープ実験へようこそ

私は「Back to the past」というサイトでタイムトラベルやタイムリープを考察しているBTTPです。

【タイムリープ実験の概要】
タイムリープ実験は3つのステップで行います。

[ステップ1:明晰夢トレーニング]
まず、夢の中で今夢を見ていることに気づく「明晰夢」をトレーニングします。
明晰夢を1回でも見ることがステップ1の目標です。

[ステップ2:バーチャル・タイムリープ]
ステップ1の明晰夢トレーニングで明晰夢を見られるようになったら、夢の内容を思いのままにコントロールすることにチャレンジしてください。
行きたい過去や未来の世界に入ることがステップ2の目標です。

[ステップ3:真のタイムリープ]
明晰夢をノンREM睡眠で見られるように試みてください。
ノンREM睡眠で明晰夢を見て、行きたい過去や未来の世界に入り、その記憶を持ったまま目覚めることがステップ3の目標です。


【最終目標】
●ステップ3に到達するのがご参加いただいたみなさんの最終目標です。
●ステップ1~3までのデータを収集し、真のタイムリープの可能性を検証するのがタイムリープ実験の目標です。


【参加するメリット】
ステップ1の明晰夢トレーニングを実践していただければ、約3割の人が「明晰夢」を見ることができます(100日間の実験結果より)。「明晰夢だけでも見てみたい」という方も参加ください。

ただし、明晰夢は「期待感」に大きく左右されます。明晰夢に否定的な方の参加はご遠慮ください。


【実験期間】
明日からや週末からなど、ご自分のペースで、いつからでも実験を開始できます。
なお実験開始から少なくと1週間、できれば1ヶ月ほど、あなたが今挑戦している段階のアンケートに回答いただき、送信ください。

googleフォーム画像サンプル

アンケート画像のサンプル

忙しい日は実験やアンケートを飛ばしていただけてもけっこうです。
あなたのペースで最低でも1週間(7日間)、できれば1ヶ月(30日間)続けてください。

当初予定の実験期間は終了しましたが、明晰夢を見てみたい方など、いつでもご自分のペースで実践することができます。


【タイムリープ実験に含まれるコンテンツ】
●タイムリープ実験のテキスト(このテキストです)
※実験前に一通り目を通してください。
※特に有料記事部分に記載しているステップ1からステップ3までのテクニックやメソッドは、実験前に必ずご覧ください。

●バーチャル・タイムリープガイドMP3
※夜中に起きて2度寝前に聴くと、行きたい過去や未来の世界に入る確率が高まります。CV:男性(タカハシ/CeVIO)、女性(さとうささら/CeVIO)

●明晰夢誘導ガイドMP3
※「マインドフルネス」の考え方をベースに、1ヶ月間の実験データと、皆さんから寄せられた明晰夢に関する情報を加えて作った「明晰夢へ誘導するための音源」です。寝る前にお聴きください。
CV:女性(さとうささら/CeVIO)

※上記2つのMP3は明晰夢テクニックに慣れていない初心者の方用に作ったものです。
※これ以外に実験に必要なものは、お手持ちの身近にあるもので準備可能です。必要な準備物の詳細は後半に記載しています。


【参加方法】
下記のタイムリープ実験にいたるまでの経緯をご覧いただき、このnoteの有料記事(3000円)を購入し、記載された実験内容にチャレンジしてください。

チャレンジされる方は、記事を購入後、最後に記載している「100日間の実験結果リポート」を読んでからお試しいただいた方が、より効率的に実践できます。

●この実験は、明晰夢や実験に前向きな方がより成功する確率が高く、同じ方の継続的なアンケートの回答を必要とすることから、「有料でも参加したい」という方を募ります。
●「前向きに」と大げさに書きましたが、自宅でも可能なバーチャル・アトラクションの感覚で、お気軽にお楽しみください。
●募集定員は特に設けておりませんが、私のデータ処理の限界で、募集を締め切る場合があります。
●データの考察は、随時noteや私(BTTP)のツイッター、「Back to the past」でご報告させていただきます。
よろしければ私のツイッターをフォローお願いします。


【注意事項】
●この実験は睡眠に影響を与える可能性があるので、未成年者の方は参加をご遠慮ください。
●統合失調症のような心因性障害やナルコレプシーのような睡眠障害を患っている方は、睡眠に悪影響を与える可能性があるので参加をご遠慮ください。
●この実験は朝起きたときに夢を思い出したり夢日記をつけたりアンケートに答えるため、普段の睡眠にプラス20分から30分程度の余分な時間を必要とします。
仕事が忙しく睡眠時間に余裕のない方、睡眠が不規則な方、授乳中などで睡眠不足になりがちな方は参加をご遠慮ください。


【1.タイムトラベル研究のきっかけ】

ネットにあふれる未来人、タイムトラベルの話は全部フィクションなのか?
もし0.01%でも真実の話が紛れ込んでいたとしたら、それはどんな理論で可能なのか?

そんな思いから、私は4年ほど前、「Back to the past」というサイトでタイムトラベルのリサーチをはじめました。

最新の量子論や相対性理論の本を読みあさってわかったのは、タイムトラベルの原理は物理学者が真剣に議論を重ねているテーマで、SFの中だけの話ではないことです。

例えば未来にタイムトラベルする方法は科学的に解明されています。


【2.未来へタイムトラベルする方法】

アインシュタイン博士特殊相対性理論によれば、光の速さに近づけば近づくほど時間はゆっくりと流れ、一般相対性理論によれば、重力の強い場所にいるほど時間の流れは遅くなります。

だから光の速度に近いロケットに乗って宇宙旅行に出かけて再び地球に戻ってくれば、自分の時間だけがゆっくりと流れるので、戻ってきた先の地球は「未来」の地球です。

またブラックホールのような重力の超強い星の近くで何日か過ごすと(近づきすぎれば事象の地平面を超えて戻れなくなるのでくれぐれも注意)、自分の時間だがゆっくりと流れ、地球に帰還したころには、地球は何十年も経過しています。

もっと現実的な話をすると、飛行機のパイロットは一般人に比べれば頻繁にスピードの速い乗り物に乗っているので、電車通勤のサラリーマンよりも非常にわずかな時間ですが未来を生きています。

同じように東京で生活している人は、ヒマラヤのような高地で生活する人に比べて、すごくわずかですが重力の強い場所にいるので、ほんの少しだけ未来にタイムトラベルしています。

でも、過去へタイムトラベルするのは容易ではありません。


【3.過去へタイムトラベルする方法】

いろいろな科学者が「過去へ戻る方法」を検討していますが、現在の科学力でそれを実現できるものはありません。
例えば映画「インターステラー」や「コンタクト」 の物理理論の監修者でノーベル物理学賞受賞者でもあるキップ・ソーン博士は、ワームホールを使ったタイムマシンを提案しています。
ワームホールとは2つの離れた空間を結ぶトンネルで、ドラえもんの「どこでもドア」をイメージしてください(ドラえもんはすでにのび太の机の引き出しにタイムマシンをもっていますが……)。
まず、のび太の部屋(A)にどこでもドアの入り口を置いて、出口を土管の公園(B)とします。

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そして土管公園の出口(B)を光速に近い速さで振動させます。

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特殊相対性理論から光速に近づくにつれ時間の流れが遅くなるので、のび太の部屋(A)の入り口に比べ、土管公園の出口(B)の時間は遅れていきます。

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この状態でのび太の部屋(A)のどこでもドアに入ると、土管公園の出口(B)から出てきたのび太は過去の世界に行くことができます。

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でもキップ・ソーン博士のタイムマシンの課題である、

●どうやって人が通れるほどのワームホールを作り、それを維持するのか?

●どうやって出口を光速で振動させるのか?

は、現代の科学では解決できていません。

他にも、コネチカット大学のロナルド・L・マレット博士が、リング状の高出力レーザーを用いたタイムマシンを考案しています。

強い重力があると一般相対性理論によって時空が曲がり、重力レンズ効果で光も曲がることが知られていますが、逆の作用では、曲がった光が周囲の時空を歪めるとも考えられます。

光自体に質量はありませんがエネルギーはあるので、そのエネルギーを積み上げていけば時空を歪めることができ、擬似的なブラックホールを形成し、その境界面にそって情報をのせた粒子を放り込めば、情報を未来から過去へ送信することができるというのがマレット博士の主張です。

具体的には、強力なレーザー光線がミラーに反射されてループし続ける装置をつくり、その装置をたくさん積みかさねて周囲の時空を歪め、CTC(閉じた時間曲線)を作ります。

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実際にマレット博士はこのタイムマシンの基礎モデルを作り、素粒子を過去に送る実験を行っています。


ただ、米タフツ大学のケン・D・オーラム教授とアレン・エヴェレット教授がマレット博士のタイマシンを検証したところ、

●「Can a circulating light beam produce a time machine?」(回転する光線がタイムマシンを生み出すことはできるか?)
2004/10/17 arXiv.orgより

マレット博士の理論でCTCが形成されるのは、

●回転レーザーの輪の直径が無限に近い大きさを持つ場合

●回転レーザーの円柱の長さが無限に近い大きさを持つ場合

に限られ、例えば円柱の縦の長さに対して、10の10乗のさらに46乗の輪の大きさが必要で、現在観測できる宇宙の大きさよりも大きくなり、実験室はおろか、地球上のいかなる場所でもタイムマシンを建設することは不可能です。

しかもソーン博士のタイムマシンもマレット博士のタイムマシンも、タイムマシンの完成より前の時間に戻ったり情報を送ったりすることはできません。

ということで現代科学以外の方法、疑似科学でもよいので、他に「過去に戻る方法」はないかと探しました。

そこで見つけたのが、精神だけが過去や未来へ時間移動する「タイムリープ」です。


【4.タイムリープとは】

「タイムリープ」(時間跳躍)とは、自分の精神(魂)だけが過去や未来に時間移動する現象です。
タイムトラベルのように身体的な移動をともなわないので「親殺しのパラドックス」に代表されるタイムパラドックスを回避できます。

「親殺しのパラドックス」とは「過去にタイムトラベルをして自分の両親のどちらかを殺してしまった。すると自分は生まれないことになる。でも結果タイムトラベルした自分はいなくなり、親は殺されずにすむ。でも親が無事ならば生まれてきた自分は再びタイムトラベルして親を殺す。すると自分はいなくなる・・・」という無限のループが続くパラドックスです。

ただし、タイムリープは、基本的に自分の人生の範囲での過去や未来にしか時間移動できません。


代表的なタイムリープの事例を紹介すると、

【5.初代タイムリーパーの話】

「2ちゃんねる」(現5ちゃんねる)などのネット掲示板でタイムリープが話題になったきっかけがこちら。

●「人生やり直したいやつ俺がタイムリープしたときのこと教えるから来い」
2012/6/25 2ちゃんねる(現5ちゃんねる)より

このスレ主(スレッドを立てた人)は過去に3回もタイムリープを成功させたそうです。

彼はネット上で「初代(タイムリーパー)」と呼ばれています。

スレ主がはじめてタイムリープに成功したのは21歳で、21歳から中学生の13歳に戻りました。

当時仕事もなく友達もおらず、昔もっとがんばっていたらと後悔ばかりしていて、寝る前に過去のことを考えていたら、現実のようなはっきりとした夢を見るようになったそうです。
夢の中で中学生のスレ主は、草原で友達や担任の先生とサッカーをしていましたが、現実の過去でそんな記憶はありません。

繰り返しこの夢を見ているうちに、夢の中の自分に意識が入り込むような感覚に変わっていき、足に当たるボールの感覚や、自分の体の動きがリアルに感じられるようになりました。
周囲の風景も少しずつはっきりとしてきて、サッカーをしていた草原が中学校の校舎に変わり、家の周囲や町の風景が次々に再現されていきました。

ついに中学生時代に過ごした町並みと人々が再現されると、夢の世界の方が現実になり、寝る前の世界が夢のように思えてきました。

これは夢だと思ってももう戻れない。

夢の中で自宅に帰って眠ったスレ主は、目が覚めた後、過去の夢の世界が現実になっていたそうです。


もう1つ興味深いタイムリープの事例で、

【6.タイムリーパーの予言が当たった話】

●タイムリープに成功したけど質問ある?
2012/10/2 2ちゃんねる(現5ちゃんねる)より

この話は「初代タイムリーパー」から4ヵ月後。
スレ主は初代タイムリーパーの「夢を使った過去に戻る方法」を信じて実行し、10月6日から10月2日の過去へ、たった4日間だけですが、タイムリープに成功したそうです。

夢の中でスレ主は、どこかの知らない公園の様子を監視カメラのような視点で見ていました。

自分がいないことに気づいて身体の感覚を取り戻そうともがいていたら、今度は部屋の中にいる自分を3人称視点で見ており、自分の身体に近づいていくと突然目が覚めました。

気がつくと、テレビの前にひざをかかえたまま座り、プレステ3のコントローラーを握っていました。

母親に聞くと、スレ主はずっとゲームをしていたそうですが、知らない服がクローゼットに入っていたり、パソコンに入っているソフトが違っていたり、顔のニキビが増えていたりと、元の世界と少しずつ変化がありました。

この話で注目すべき点は、スレ主がネット上で語った予言とよく似た事件や出来事が、その後次々に起こったことです。

[4日間タイムリーパーの予言]
スレ主はタイムリープ後に立てた10月2日のスレッドの中で、彼がリープ前の世界(未来)で見た、10月3日から6日の間で覚えているニュースを次のように語っています。

●10月4日 東北で震度4の地震
●10月4日 どこかの店で集団食中毒
●10月4日 父親をバットで殴った殺害事件
●10月5日 鉄筋コンクリートの下敷きになり作業員一人が死亡
●10月5日 違法ダウンロードの一斉逮捕がはじまる
●10月5日 台風で予想外の被害

このうち当たったと思われる予言は、

●東北で震度4の地震
→2012年10月3日、宮城県沖で最大震度4(マグニチュード5.1)の地震が発生。

●どこかの店で集団食中毒
→2012年10月5日、館山市立第3中学校で中学生84人が腹痛を訴える。

●父親をバットで殴った殺害事件
→2012年10月3日、名古屋市のマンションで小学1年の女児が監禁されていた事件で、その部屋に住む無職の男性が逮捕され、室内から撲殺された父親の死体が発見された。

●鉄筋コンクリートの下敷きになり作業員一人が死亡
→2012年10月1日、大分市の資材置き場でコンクリートパネル崩れ、女性が下敷きになって死亡。

これはスレ主がスレッドを立てる1日前に起こった事故ですが、全国的なニュースにはなっておらず、当時ほとんどの人々が知りませんでした。スレッド参加者たちが似たような事故を調べていてようやくわかったニュースです。

どれも時期が微妙にずれていたり細かい内容が異なっていたりしますが、1人の人間が語った予言と同じような出来事が、短期間でここまでたくさん起こるものでしょうか?

私は「もしこの不思議な現象が本当なら、それはどんな仕組みで起こったのか?」を考えるのが好きなので、夢を使ったタイムリープの方法を考察してみました。

【7.夢を使ったタイムリープの方法と明晰夢】

初代タイムリーパーの方法をまとめると、

①戻りたい過去のことを考えて日々を過ごす(特に寝る前)。

②戻りたい過去の夢を見る。

③過去の夢に意識を集中しつづけると、夢の世界の再現度があがっていく。

④夢の中の出来事へ集中し、夢の中の自分に意識を注ぎこみ、最後に夢の中の自分を乗っ取ると成功。

ということで、「夢のコントロール」が重要のようです。

「明晰夢」という特別な夢をご存知でしょうか?
夢の中で自分が今夢を見ていると気づく夢のことで、1913年にオランダの精神科医で作家のフレデリック・バン・エーデンが、「夢の研究」という論文の中で「明晰夢(Lucid dream)」という言葉をはじめて使用しました。

この明晰夢を見ることができれば、自分が今夢を見ていると気づくだけでなく、夢の世界のできごとを自分の思い通りに変化させることもできるようになると言います。

明晰夢を経験したことがない人からすると「夢を自分の意思で自由自在にコンロールすること」なんてまさに疑似科学と思われるかもしれませんが、1970代後半から1980年代にかけて、米スタンフォード大学の心理生理学者スティーヴン・ラバージ博士によって本格的な明晰夢の研究がはじまりました。

2014年にはドイツのヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ大学のウルスラ・ヴォス博士の研究チームが、REM睡眠中の被験者の脳へ特定の周波数の電気刺激を与えることで、明晰夢へ誘導する実験に成功しました。

そして2017年にオーストラリア・アデレード大学心理学部教授のデンホルム・アスピー博士が実施した実験では、特別な装置を必要とせず、博士の考案した「明晰夢テクニック」で、参加者の46%以上が1週間以内に明晰夢を見ることに成功しました。

私も明晰夢のトレーニング開始から2週間ほどで、はじめて夢の中で夢を見ていると気づく、今までに経験したこともない鮮やかな明晰夢を見ることができました。
初代タイムリーパーの方法から、明晰夢を元に、次のような流れを考えました。

(1).「明晰夢」を繰り返し見る訓練をし、夢の内容が思いのままにコントロールできるようになる。

 ↓

(2).明晰夢で過去の世界を構築する。

 ↓

(3).構築した過去の世界を何度も体験することによって、過去の世界が現実よりも当たり前になるように身をなじませ、夢を現実に変える。

(1)から(2)まではアスピー博士の明晰夢テクニックで実現できそうですが、(2)から(3)までの部分をどう実現するかが課題です。

そこでタイムリープの原点に戻り、「自分の精神(魂)だけが時間移動するにはどうすればいいか?」をもう一度考えてみました。


【8.魂とは何か?】

まず、われわれの心を表層の「自我(意識)」、中間層の「無意識」、深層の「魂」という3層に分けました。

6心の三層構造


最新の脳科学では「意識」や「無意識」は脳が作り出している可能性が高いと言われています。

だから深層の「魂」とは何かを証明し、その「魂」を「意識」や「無意識」から切り離す方法を考えなければなりません。

しかし「魂」とは何かを考えていくと、どんどんオカルトやスピリチュアルの世界に入ってしまいました。

個人的にオカルトやスピリチュアルは大好きです。

ただ、「魂を身体から切り離す」とか「魂だけで次元を超える」と表現すると、なんなく自分でわかったような気分になりますが、それが具体的にどういう現象なのか説明しろと言われても難しく、実験で検証もできません。

私が目指している「タイムリープ」はその仕組みが論理的に説明可能で、訓練したり何らかの装置を使ったりすることで誰でも体験できるものです。

だからいっそ「魂」のような表現を使わず、「意識」と「無意識」だけでタイムリープの仕組みを考えてみることにしました。

まずタイムリープという時間移動現象において、脳がどのように時間を認識しているかを知る必要があります。


【9.脳はどのように時間を認識しているか?】

米カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)神経生物学・心理学部教授のディーン・ブオノマーノ博士によれば、景色を見るために「目」が、音を聞くために「耳」が感覚器官として機能するように、脳は「時間」を知覚し、心的時間旅行するためのタイムマシンとしての機能を担っています。

われわれ人類が古代からどのように時間について知覚してきたかというと、狩りの時代にはまだ「時間」は重要ではありませんでした。
穀物を育て食糧をストックできるようになってからやっと、未来を予測することを覚えました。

では、「時間」を理解しているのは人間だけでしょうか? 

例えばライオンは「次に獲物がどう行動するか?」を予測したり、クマは餌のなくなる冬に備えて冬ごもりをしたり、一見時間を理解しているように見えますが、その行動原理は本能的なものです。

中には「アメリカカケス」(北米に生息するカラス科の青い鳥)のように、新鮮なエサが時間の経過とともにだめになったのがわかったり、ライバルに横取りされるのを防ぐために再びエサを隠したりできる動物もいます。

アメリカカケスは少なくともある程度の未来を思い描く心的時間旅行の能力をもっていると言えますが、人間のように来年に備えて稲を植えたり、健康のために運動したり、やがて訪れる死を恐れたりはしません。

簡単な手話を学習できるチンパンジーでも、10年前に何が起きたか、10年後に何が起きるかを想像することはできません。

東日本大震災の後に有名になった、「ここより下に家を建てるな」という警告の石碑が数百年も昔に刻まれていたというエピソードがあります。
人類は自分の命ではなく、はるか先の子孫の命を守るために、未来へ心的時間旅行することができます。

しかしそんな他の動物にはない、優れた「時間知覚能力」をもつ人間でも、その精度に関しては精神状態や周囲の状況によって大きく左右されます。


【10.脳が知覚する時間は幻】

クラシックのコンサートを楽しんでいるとき、後ろの席にいてもシンバルをたたいた「光景」と鳴った「音」は同時に知覚されます。
しかし実際には、シンバルをたたいた「光景」と「音」は、ほんの少し「音」の方が遅れて届きます。

光の速度は約30万km/秒で、音の速度は約0.340km/秒です。
300000÷0.340=882352.941……つまり、光が目に届く速さは、音が耳に届く速さの88万倍です。

なぜ同時に知覚されるかというと、「無意識」の脳が、物事をなるべく同時にあなたの「意識」に届けようと調整しているからです。
脳が視覚情報と聴覚情報を一体化させる時間範囲のことを「統合の時間窓」と呼びます。

「統合の時間窓」の範囲内では、例えば映画の音声トラックと画像トラックに0.1秒のずれがあってもほぼ気づきません。

さらに視覚信号より聴覚信号が0.05秒遅れても気づかないのに、逆に聴覚信号が視覚信号より0.05秒速くなると「何か変だぞ」と気づきます。
つまり脳は音(聴覚信号)が光(視覚信号)よりずっと遅いことを本能的に理解しているのです。

そして聴覚刺激をフラッシュなどの視覚刺激よりも先に与える実験を数百回繰り返すと、その後被験者は聴覚刺激を視覚刺激より先に知覚しても同時に感じるようになります。

従って「統合の時間窓」の範囲は絶対ではなく、意図的にずらしたり広げたりできるコントロール可能なものなのです。

われわれの脳は優れた時間知覚能力をもっているものの、それは水晶時計のように正確なものではなく、脳の中の「無意識」が一生懸命調整している錯覚なのです。

それでは次に最新の脳科学に基づき、「意識」や「無意識」は脳が作り出している可能性が高いことについて説明します。


【11.脳が作り出す「意識」と「無意識」の実験】

このドレスの画像をご存知でしょうか?

7見る人によって色の変わるドレス

見る人によって色の変わるドレス

私にはこのドレスの縞模様は「白と金」に見えますが、「青と黒」に見えるという人もいて、その割合は半々ぐらいです。

その理由として、人は物体を見るときその物体が放つ光の波長をそのまま意識に伝えるのではなく、脳が都合いいように変換して意識に伝えるためです。

例えばこのドレスが「白と金」に見える人は昼間太陽光を浴びることの多い人、「青と黒」に見える人は夜人工光を浴びることの多い人だと言われています。
普段われわれが過ごしている環境によって、脳が勝手に色のバランスを補正してしまうのです。

次の実験はフランスの神経科学者スタニスラス・ドゥアンヌ博士によるものです。

8スクリーン刺激実験anime

スクリーン刺激実験

4つのスクリーンのどれか1つにごくわずかな時間刺激(映像)が映し出され、どのスクリーンに表示されたかを答える実験で、0.3秒を超えたあたりから脳の活動の明らかな増加が認められました。

ドゥアンヌ博士によれば、「われわれは外界からのシグナルを意識する際、少なくとも0.3秒は遅れた状態で意識している」そうです。
「あなた」という意識は、実際には0.3秒遅れの世界を見ているのです。

さらに、UCLAの神経外科医イツァーク・フリード博士がてんかん患者に協力してもらい行った実験で、前頭前野に電極を刺入し、いつでも好きな時にボタンを押してもらいました。

9ボタン押し実験anime

ボタン押し実験

患者がボタンを押す0.9秒も前に、多くのニューロンの活動レベルが変化し、患者がボタンを押そうとする前に、実験者はそのタイミングを80%以上の確率で予測できました。

ボタンを押すためには指の筋肉を収縮しなければならず、筋肉が収縮するためには活動電位が必要で、活動電位が発生するためには脳の運動野ニューロンが発火しなければなりません。

しかしニューロンがいつ発火するかはランダムで、脳内の特定の回路の「無意識」によって引き起こされます。

ボタンを押そうとする行為は「無意識」下でランダムに決定され、あなたの「意識」とは無関係のようなのです。


【12.脳が知覚する「主観」も「時間」も錯覚】

もちろん指をいつ動かすかという単純な動作と、われわれが生活の中で行っている複雑な意思決定を単純に比べることはできませんが、われわれの「意識」は「無意識」に大きく左右され、あなたの「自由意志」がランダムなニューロンの発火によって決まるのならば、あなたの主観は錯覚なのです。

いままでの考察をまとめると、われわれの脳はすぐれた「時間知覚能力」をもっていますが、それは脳の「無意識」下によって調整されるあいまいなもの。

さらにあなたの主観的な「意識」は「無意識」にコントロールされた錯覚なのです。

次に神経学的な立場からと物理学的な立場からの、「時間」についての2種類の考え方を紹介します。


【13.物理学者の永遠主義(ブロック宇宙論とスポットライト理論)】

ブオノマーノ博士のような脳神経学者は、時間は「今」しか存在しないという「現在主義」の立場をとります。

物理学者や哲学者は、「過去・現在・未来」は同時に存在するという「永遠主義」を主張します。

「永遠主義」を説明する理論として、宇宙がはじまったときにすでに過去・現在・未来のすべての時間が存在したという「ブロック宇宙論」があります。

10ブロック宇宙

ブロック宇宙論

ブロック宇宙論はもともと、宇宙誕生の瞬間からわれわれの運命はすでにすべて決まっているという決定論的な考え方です。

ところで私たちは普段当たり前のように「時間が流れている」と感じていますが、脳神経学者も物理学者や哲学者も、その感覚は「錯覚」というのが共通の意見です。

例えば物理学を代表するアインシュタイン博士特殊相対性理論では、時間は空間の4つ目の次元であり、「時間の流れ」はわれわれの心の中にのみ存在し、外界の特徴ではないと考えます。

ブロック宇宙論をベースに開発された「スポットライト理論」では、「時間が流れる」という感覚は幻で、過去から現在へ、現在から未来にスポットライトが移動してくような様が「時間が流れている」ように見えるだけと説明されます。

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スポットライト理論
宇宙誕生から終わりまでのすべての時間は同時に存在しており、スポットライトが過去から現在に移動したから過去に戻れないのであって、単に「過去」という物に触れる事が出来なくなってしまったというのです。


【14.神経学者の現在主義】

反対にブオノマーノ博士のような神経学者が「時間の流れの主観的な感じは錯覚」と言うとき、「時間の流れを主観が感じる現象」は実在しているが、われわれがまだその仕組みを正しく理解していないという意味です。

ブオノマーノ博士によれば、ブロック宇宙論では「今」を「瞬間」ととらえるが、「瞬間」では意識は生まれず、生命は継続的な代謝の変化なので、継続的に変化するためには、時間に継続的な厚みがなければならないと言います。

例えば物質も縦・横・奥行という3次元の空間という広がりがあるからこそ、ただの「点」ではなく「物質」として拡張され、「意識」も同様に、生み出されるためには「時間的厚み」が必要で、継続的な時間経過の中でのみ意識が生み出されるというのです。

だから脳は時間を知り、過去を記憶し、意識を生み出しながら未来へと心的時間旅行する「タイムマシン」とブオノマーノ博士は主張します。


【15.量子論的な時間】

確かにブロック宇宙論の決定論的な考え方は、「量子力学の非局所性(われわれを構成する最小単位の素粒子は、観測されるまでは波のように広がっていて、どこにあるかが決まっていない)」と矛盾します。

最新の量子論では、われわれの世界の真の姿は「非局所的」であり、空間も時間も派生的なものと考えます。

この宇宙の過去・現在・未来は誕生したときにすでに存在しているが、それぞれの無数の時間の可能性は非局所的で定まっておらず、常にゆらいでいます。

だからスポットライト理論を量子論で書き直すと、この宇宙のさまざまな可能性は宇宙誕生時に生まれているが、その瞬間にどの可能性を選択するかという運命は決まっておらず、ゆらいでいます。

どの可能性を選択するかは量子力学的にいえばシュレーディンガー方程式の確率によります。
ブオノマーノ博士のような神経学者的に表現すると、「無意識」下のニューロンのランダムな発火なのです。

私たちの身体を動かしたり、何かを知覚しようとしたりする「意識」は「無意識」が選んだ可能性の1つであり、その量子論的なストップライトの移動が「時間の流れ」を「意識」に生み出していくのです。


【16.脳が生み出す「意識」と「無意識」と「時間の流れ」】

私たちの意識を、宇宙を旅するロケットに見立ててみました。

12量子スポットを旅する意識

量子論的スポットライト宇宙を旅するロケットマン

私たちの「意識」は、錯覚で、「無意識」が可能性の1つをランダムに選択して未来へ進んでいるにすぎません。

脳が生み出した「意識」や「時間の流れ」が錯覚ならば、それはコントロール可能なはずです。

錯覚である「意識」や「時間の流れ」を、もう一度「錯覚させる」=「修正する」ことができれば、自分の意識を過去や未来に移動させることができるはず、というのが私の仮説です。

つまり「意識に過去や未来の世界だと思い込ませる」のです。


【17.バーチャル・タイムリープ】

(1).夢の中で夢を見ていると気づく「明晰夢」を繰り返し見る訓練をして、夢の内容を思いのままにコントロールできるようになる。

 ↓

(2).明晰夢で過去の世界を構築する。

 ↓

(3).過去の世界にいる自分を何度も体験させることで意識を錯覚させ、過去の世界が現実だと意識に確信させる。

(1)から(2)は明晰夢で実現可能なので、(3)の具体的な方法として、

明晰夢を見やすい2度寝のタイミング(入眠から5時間後に目を覚まし、眠りの浅いREM睡眠に入るとき)に自己暗示、あるいは暗示を促す音源によって、次に眠ったとき「自分は今過去の世界にいる」と促すメッセージを脳に送ります。

バーチャル・タイムリープを促す自己暗示や音源(MP3)を聴きながら2度寝に入り、あなたの意識に「戻りたい過去の世界にいる」と自己暗示をかけるのです。

13バーチャルタイムリープのチャンス

こんなの「タイムリープ」じゃない、ただの夢だ!

精神が身体を離れて時間移動するのが「タイムリープ」じゃないのか!

そんな意見が聞こえてきます。

実際に、この元になった記事「タイムリープの仕組みを解明(バーチャル・タイムリープ)」「不思議.net」に掲載いただいたとき、「過去のことを頭の中で思い出すのとどう違うんだ?」という意見がありました。

このバーチャル・タイムリープはその名の通り「擬似的」なタイムリープですが、この方法であれば誰でも訓練しだいで、明晰夢によるありありとした鮮明な過去の世界をリアルに体験できます。

将来的に長時間明晰夢をコントロールできる技術が開発されれば、夢の中の過去世界に意識をとどまり続けさせることができるようになるかもしれません。

例えば回復の見込みのない病に侵された患者の心のケアとして、残り少ない余生を自分の幸せだった時間の中で過ごしてもらうことも可能になるでしょう。

そのとき「患者が夢の中で過去の世界を体験したまま生涯を終えること」は、「過去の世界にタイムリープして、その世界にとどまり続けること」と実質的に違いはないはずです。

しかし、やはりそれだけでは(私も含めて)満足できない方も多いでしょう。


【18.真のタイムリープ】

そのヒントはノンREM睡眠(一番深い眠り)にあると考えています。
一般的に夢は眠りの浅いREM(Rapid Eye Movement/急速眼球活動)睡眠に見やすいとされています。
朝の目覚めの直前が一晩の睡眠の中で一番REM睡眠の時間が長くなるからです。

14睡眠段階グラフ

睡眠の深さのグラフ

ノンREM睡眠時に夢を見にくいのは、睡眠の機能として、脳を外界から切り離し、脳を休息させたり記憶を整理したりする役割があるからだとされています。

最近の研究ではノンREM睡眠時も夢を見ているが、それを思い出すことが非常に難しいことがわかってきました。

ただタイムリープの原点に今一度立ち返ると、奇妙なことに気づきます。

タイムリープとはもともと精神(魂)を身体から切り離して、精神(魂)だけが時間移動する現象でした。

魂を身体から切り離すと言えば、身体から魂が抜け出てさまざまな場所へ移動できる「体外離脱(幽体離脱)」、あるいは心肺停止のような臨死の状態から蘇生した人たちの一部で報告される「臨死体験」が思い浮かびます。

このうち体外離脱は明晰夢の一種とも考えられていますが、「臨死体験」については精神科医で心理学者のレイモンド・ムーディ博士や、脳神経外科医のエベン・アレグザンダー医師、東大医学部の矢作直樹医師などは、実際に存在する現象として肯定的に研究しています。

臨死体験は、脳の生理学的・化学的な変化による幻覚とする「脳内現象」説と、意識のない手術中に自分を治療している医師や看護師や医療機器の状況を詳細に報告したなどの知りえるはずのない情報を知覚できたケースが報告されていることから、実際に存在する「現実現象」説があり、いまだ結論はついていません。(Wikipediaより)

いずれにしても死の間際という意識レベルが低い状態で、魂と脳や身体が切り離されているということは、臨死体験の状態はREM睡眠よりむしろ、低い脳波の深い眠り、つまりノンREM睡眠時と似ているはずです。

けれどもノンREM睡眠で明晰夢を見たという報告はほとんどありません。

ただ気になる情報として、ネット上でタイムリープ経験を報告した人たちの中で、一部の人が「本当のタイムリープはノンREM睡眠時のときにできると主張しています。

「病気の妻がタイムトラベルして小学生の自分に会いに来てくれた話」に登場するR子さんや、誰もがタイムリープできる未来からやってきたという300年リーパーなど。
詳しくは「Back to the past」の「タイムリープで過去に戻る方法(2)」をご覧ください。

その理由として、ノンREM睡眠時は「脳と時間を切り離す」ことが可能になると言っています。

時間(が流れているという錯覚)から脳を切り離すためには、REM睡眠よりむしろノンREM睡眠が最適なのです。

15真のタイムリープの可能性領域

最新の量子論においてこの世界は非局所性が真実だと考えられています。

だとすれば、現在の無意識は、過去や未来に存在するタイムラインのさまざまな無意識と量子もつれでつながっている可能性があります。

「真のタイムリープ」とは、時間と切り離された無意識を錯覚させて、過去や未来に存在する他のタイムラインの無意識とつなぐ方法と仮定します。

「バーチャル・タイムリープ」が現在の主観(意識)を錯覚させる方法だとすれば、「真のタイムリープ」は、過去や未来の無意識を現在の無意識が奪い取り、そこから過去や未来にいる主観(意識)を生み出す方法です。

ただし「真のタイムリープ」が成功したとして、それを実験で証明する方法は限られています。私は次の2つのどちらかが成功したときだと考えます。

●未来に行って将来起こること(予言)を知り、その記憶を持ったまま現代に戻って目覚め、報告する。
そして予言が当たれば、タイムリープが成功したことになる。
※4日間タイムリーパーの事例があります。ただし量子的なゆらぎのせいで、まったく同じ時間、同じ場所で起こるのはあり得ないのかもしれません。

●過去に行ってまだ誰も知らない事実を知り、その記憶を持ったまま現代に戻って目覚め、報告する。
例えば過去の未解決事件の真相や、過去に紛失した遺物を発見できれば、その証明になるかもしれません。
※ただし実際に真のタイムリープが成功したら、量子的なゆらぎからもとの世界のタイムラインに戻ってくることは不可能なのかもしれません。

だとすれば、けっしてタイムリープの検証は成功しないでしょう。

いずれにしてもこのような実験や、仮説の検証を行った人はほとんどいません。

一度行ったら行ったきりのタイムリープで、再現性がなく、実証することが難しい「疑似科学」なのかもしれません。

しかし少なくとも「バーチャル・タイムリープ」まではトレーニングによって可能です。

バーチャル・タイムリープのデータを積み重ねていく中で、ノンREM睡眠時に明晰夢を見ることができ、その中で時間を超える人の報告が出てくれば、「真のタイムリープ」への手がかりがつかめるはずです。

私はバーチャル・タイムリープだけでもエンターテイメントやメンタルケアの分野で役に立つ研究だと考えています。

先日私が運営しているもう1つのサイト「未来塵」で、母親と彼女の亡くなった娘がVRの世界で再会する話を紹介しました。

●VRで亡くなった人と再会できる未来はユートピアかディストピアか?
2020/2/28 未来塵より

VRで再会GIF

MBClife/YouTubeより
(動画の設定で字幕の自動翻訳→日本語を選べば、日本語字幕で視聴が可能)

私がバーチャル・タイムリープで実現したいのは、このような体験を、夢の中でもっとありありとしたリアルな実感を持って経験していただくことです。

この体験は、バーチャル・タイムリープで実現できます。


【19.タイムリープ実験の進め方と目標】

[ステップ1:明晰夢トレーニング]
まずは明晰夢テクニックを元に明晰夢を見られるようになってください。
明晰夢を1回でも見ることがステップ1の目標です。
※この明晰夢トレーニングは、私が一般的な明晰夢のプログラムをタイムリープ実験用に組んだものです。
明晰夢を本格的に学びたい方は、オーストラリア・アデレード大学心理学部教授のデンホルム・アスピー博士の最新の明晰夢テクニック(有料)などを参考ください。
※この段階(ステップ1)のアンケートを用意しています。できるだけ毎朝こちらのアンケートに回答いただき、結果を送信ください。

[ステップ2:バーチャル・タイムリープ]
ステップ1の明晰夢トレーニングで明晰夢を見られるようになったら、夢の内容を思いのままにコントロールすることにチャレンジしてください。
行きたい過去や未来の世界に入ることがステップ2の目標です。
※この段階(ステップ2)のアンケートを用意しています。できるだけ毎朝こちらのアンケートに回答いただき、結果を送信ください。
 
[ステップ3:真のタイムリープ]
明晰夢をノンREM睡眠で見られるように試みてください。
ノンREM睡眠で明晰夢を見て、行きたい過去や未来の世界に入り、その記憶を持ったまま目覚めることがステップ3の目標です。
通常ノンREM睡眠の夢の記憶を覚えていること自体が困難です。
※この段階(ステップ3)のアンケートを用意しています。
この段階で未来に行った方はぜひ予言を、過去に行った方は、まだ一般的公開されていない過去の情報をぜひご報告ください。


[最終目標]
●ステップ3に到達するのがご参加いただいたみなさんの最終目標です。

●ステップ1~3までのデータを収集し、真のタイムリープの可能性を検証するのがタイムリープ実験の目標です。


[注意事項]
●この実験は睡眠に影響を与える可能性があるので、未成年者の方は参加をご遠慮ください。

●統合失調症のような心因性障害やナルコレプシーのような睡眠障害を患っている方は、睡眠に悪影響を与える可能性があるので参加をご遠慮ください。

●この実験は朝起きたときに夢を思い出したり夢日記をつけたりアンケートに答えるため、普段の睡眠にプラス20分から30分程度の余分な時間を必要とします。
仕事が忙しく睡眠時間に余裕のない方、睡眠が不規則な方、授乳中などで睡眠不足になりがちな方は参加をご遠慮ください。


【20.準備物】

[実験に必要なもの]
●タイムリープ実験テキスト(このテキストです)
※実験前に、下記の有料記事部分のステップ1からステップ3までのテクニックやメソッドに、必ず目を通しておいてください。

●バーチャル・タイムリープガイドMP3
※夜中に起きて2度寝する前に聴くと、行きたい過去や未来の世界に入る可能性が高まります。CV:タカハシ(CeVIO)
※下記の有料記事部分のリンクからダウンロードして、MP3プレイヤーやスマホで再生できるように準備してください。

●夢日記をつけるためのノート、またはスマホのメモアプリ
※ノートやスマホはベッドの横に置いて、目覚めたときすぐに記入できるように準備しておいください。

●目財まし時計、またはスマホなどのアラーム機能


[あると便利なもの]
<睡眠の深さを計測できるスマホアプリ>
※就寝5時間後に起きるためのアラーム機能と睡眠の深さを計測できる機能を持ったアプリが便利です。特に眠りが浅いときに目覚ましが鳴るタイプがおすすめです。

<iPhoneの方におすすめ>
●Sleep Meister - 睡眠サイクルアラームLite
(App Storeへのリンク)
※眠りの深さをグラフで見たり、眠りが浅くなったりするときに目覚ましを慣らす機能、さら夢日記として使えるメモ機能もついており、まさに明晰夢のためのアプリです。これらの機能がすべて無料で使え、私も愛用しています。

<Androidの方におすすめ>
●熟睡アラーム-目覚ましと熟睡サウンドでスリープ&リラックス
(Google Playへのリンク)
※眠りの深さを計測できたり、眠りが浅くなったりするときに目覚ましを慣らす機能もついています。これらの機能は無料で使えます。睡眠へ誘う「熟睡サウンド」としてバイノーラルビート、ソルフェジオ周波数も聞けるそうです。


<明晰夢を見る確率をあげてくれるサプリ>
以下のサプリメントは明晰夢を見る確率を高めてくれますが、必須ではありません。
まずはサプリ無しで試して、うまくいかない場合にご自身の判断で使用してください。

●「ビタミン6」
夢を鮮やかに印象的にし、夢が思い出しやすくなるサプリです。
アスピー博士のビタミンB6を使った夢の想起に関する実験では、寝る直前にビタミンB6を240mg摂取した人たちは、プラセボ(偽薬)を飲んだ人たちに比べ、夢の内容を64.1%多く思い出すことができました。
ビタミンB6は、体内で睡眠を促進する神経伝達物質「セロトニン」のレベルを高めることがわかっています。

●「アルファGPC」
神経細胞膜に含まれるコリン系の栄養素で、人の体内でも合成され、特に魚や卵に多く含まれます。
REM睡眠を促進する神経伝達物質「アセチルコリン」の合成と分泌を直接増加させます。
アセチルコリンが増加するとREM睡眠の時間が長くなり、夢がより鮮明に、記憶に残りやすくなります。

●「フペルジンA」
中国で古くから鎮痛や腫れ・発熱などを抑える漢方薬として親しまれてきた薬草「トウゲシバ」から抽出されます。
フペルジンAは、アセチルコリンを分解する酵素「アセチルコリンエステラーゼ」を阻害する働きがあり、脳内のアセチルコリン量を増やす作用があります。 

詳しくは私のサイト「Back to the past」の「明晰夢を見る確率が上がるサプリ【2020年度版】」(タイムリープにもおすすめ)」をご覧ください。


それでは具体的な実験方法を解説します。


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