シナリオ 「家族の定義」#01
登場人物
飯島絵美(22/25)
飯島浩二(50/53)
飯島優子(48/51)
谷 淳平(33/36)
小林郁子(42/45)
○精神科病院・ナースステーション
忙しそうにしている準備をしている介護士たち。精神患者がナースステーションの周りをうろついている。
郁子「おはようございます!」
ナースステーションに現れる小林郁子(45)
介護士A「郁子さん、荷物届いてますよ。……あ、それ。取り忘れてますよ」
介護士Aが大きい封筒を手渡した後、郁子の手首を指さす介護士。
郁子、自分の手首を見ると綺麗なガラスのブレスレットがしてある。
郁子「お、危ない。ありがとう」
ブレスレットを外し制服のポケットにしまう郁子。椅子に座り封筒を開く。中からは綺麗な夕日が照らしている川が表紙の写真集。
○タイトル「家族の定義」
○テロップ 三年前
○田舎の駅
××駅と書かれた古い田舎の駅。
人通りは少なく、ぽつぽつハトが歩いている。
電車が到着する。
次々と改札を出てくる人ごみに交じって改札を通る飯島絵美(22)。
大きめの荷物を持ち、首からカメラをぶら下げている。
どこを見るでもなく立っている絵美。
駅員の笛がなり、電車が出発する。
それに驚き、絵美の前を歩いていたハトが勢いよく飛び立つ。
絵美、飛び立つハトを見て写真に収め、ゆっくりと歩いていく。
○精神科病院・外
大きな建物の前でタクシーが止まる。
タクシーから降り、建物を眺める絵美。
建物からは何人か出入りしている。
建物の入り口には「朝ヶ丘精神科病院」の文字。
入ることをためらっている絵美。
郁子「絵美ちゃん?」
絵美「郁子さん…」
患者とともに建物から出てきた郁子。 ほかの介護士に患者を任せ、絵美に近づく。
郁子「久しぶりやね~確か…東京に就職したんじゃなかったっけ?」
絵美「まとまった休みが取れたから、帰ってきたんです」
絵美、力なく微笑む。
郁子「お母さんもきっと喜ぶよ。一緒に行こうか」
嬉しそうな郁子とは対照的に浮かない表情の絵美。
絵美「・・・すみません、やっぱり…帰ります」
帰ろうと背を向ける絵美。
郁子「・・・絵美ちゃん!」
立ち止まり振り返る絵美。
郁子「また来てあげてね」
絵美「(力なく微笑んで)…はい」
再び歩き出す絵美。心配そうな郁子。
○飯島家・居間
昔ながらの古い和室。棚にはガラスで出来た小物などが置いてある。
居間の真ん中に大きめのテーブルが置いてあり、絵美が肘を付いてテレビを見ている。
作業服の胸元に「手作りガラス工房 やまもと」と刺繍された作業服をハンガーフックにかけながら話しかける飯島浩二(50)
浩二「…仕事どうや?」
絵美「やっと慣れて来たって感じかな…お父さんは?」
浩二「まぁ、ぼちぼちやな」
絵美と向かい合って座る浩二。
絵美も浩二もテレビを見ている。
絵美「…そっか」
テレビの音だけが聞こえる居間。気まずい雰囲気。
○飯島家・絵美の部屋
物が少なく、勉強机とベッドが置いてあるだけのシンプルな部屋。
ベッドに横になる絵美、ふと勉強机に置いてある写真たてを見る。
写真たてには綺麗な夕日の写真。
じっと見つめた後、ゆっくり目を閉じる。
#02は続く
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