終活ブームに潜む危険・お墓がどうしても高額になる石材店のしくみ お墓編その36
石材業界のジレンマ
石材店が、何故高い「お墓」を売るのか?
何回か、「お墓」が高い理由を記載してきました。
では、石材店の企業努力である程度「お墓」は安くなるのか?
答え
出来るといえば出来る。出来ないといえば出来ない。
1、民間霊園開発の資金は石材店が出している。
これは、石材店の努力で削減できる費用にはなりません。
また、お金をかけてない霊園は、将来的に破綻の危険が待ってます。
2、集客にお金がかかる。
こちらも一見すると、石材店の努力でどうにかなるような気もしますが、実際ホームページにしろチラシにしろテレアポにしろ広告費に月100万単位かかっていたりします。
しかも、宣伝をしないと霊園にフラッと寄るような人は居ません。
3、仕入れ原価を抑える。
これも、中国産でギリギリまでコストカットをしていたのが裏目に出て、中国の加工会社が9割独占なのを背景に強気に出てます。
また、中国の職人は給料次第ですぐに転職をしますので職人の給料は右肩上がりです。 なので石材店で値下げ交渉自体できない状態です。
そこで、安いお墓を売る方法もあります。
1、開発費のかからない寺院墓地・公営霊園(市町村の運営する霊園)
これは、石材店は何ら霊園の開発に費用をかけてないので「お墓」の利益で資金回収の必要がありません。
2、これらの販売に宣伝費をかけていない。
よく、お寺や大きな公営霊園のそばに石材店があるかと思います。
これらは、お参りにきたお客様が毎回見かけるので、いざ自分が購入する際に立ち寄ってみたりします。
3、仕入れ原価を抑える。
こちらは、直接中国の加工工場と交渉力のある会社もなかにはあります。
ただし、元々「お墓」自体の原価はそれほど高くないので、上記2つに比べ安くなるかは微妙なところです。
結局のところ、大手になるほど幅広くエリアを網羅しているところほど
お墓の値段は高くなります。
電話営業や民間霊園に待機する人員を置けるような会社は、ある意味資本力がある会社だから、潰れにくいとも思われるでしょう。
実際は、それらの維持に多額のコストを払っている現状です。
それでも、なんとか経営できるのは一般の方が「お墓」は高いのが当たり前という意識が残っているからでしょう。
決して、「お墓」は高いものではありません。
たかだか、畳半畳程度の1㎡程度の広さで200万円がおかしいと思うべきでしょう。
いろいろ情報を集め、無駄な支出を控える。
そして、なにより生前にお墓を買わないことです。
お参りにくるのは、故人ではなく遺族の方です。
ご本人より、遺族のそのときの状況にあわせて「お墓」を購入することを筆者は強くお勧めします。
また、建立に期限はありません。
いつまでも、ご遺骨をお手元に置いておいても構わないと考えております。
心の整理が出来て、冷静にお墓のことが考えられるようになってから、石材店と交渉してみてください。
そこには、予算を聞き出して自社の扱う近隣の霊園を適当に紹介する石材店の姿が見えてくると思います。
決して、公営霊園のことなど説明はしません。
いつもの一言。
「お墓を生前に買うなら、生きてるうちに思い出をつくりましょう。」
大切な人との時間は「お墓」を買っても得られません。