過去の記録。#001_ダンスカンパニーBATIK
2009.3.28@世田谷パプリックシアター
席に着くと、そこにはカラスが舞台上空の止まり木にとまっていた。カラスの足はその止まり木に縛られている。時折繋がれた足を気にしていた。嫌がっているのであろう。ドキドキをおさえられない私は一瞬カラスのことを無視し生のBATIKに会えるよろこびにあふれていた。
BATIKとの最初の出会いは偶然つけたTVで出会った。夜、NHKをつけると知らない2人が『ではBATIKのSHOKUをご覧ください』的な言葉を発したあとBATIKの『SHOKU』の映像作品が流れた。
1秒で全身に鳥肌がたったことを今でも覚えている。
とても女性を感じ生々しく人間臭く、そのうちアウトライン以外のところまで生々しさと女性の香りが漂った。そのまま最後まで衝撃の連続を与え続けられ『すごいものを見てしまった』と思ったのを覚えている。すごい出会いに喜びに襲われ一夜にしてBATIKの虜になった。
そしてやはり気になるのがカラスだ。
入り口でもらったピンクの小冊子に目を通す。
そうだ私が『ラヴ アンド ピース』という言葉が大嫌いになった惨劇を思い出した。アメリカの同時多発テロだ。愛国心はたくさんの人を殺し、人の心を殺した。『愛なくして憎悪は生まれない』という言葉はとてもそのとおりだと思う。愛と憎悪が深いところで繋がってるとしても愛だけでとめられることが可能な人がこの世にたくさんいる事を信じたいと思った。たとえその愛がうわべだとしても。
憎悪とはよくない感情だ。愛と憎悪は感情の中で対極だ。
と思っているとはじまった。
音楽と共にBATIKが飛び出してきた。即圧倒される。来た!目の前にいる。衝撃がまた体を走りはじめる。TVで『SHOKU』を見てから今日までのBATIKとの距離感が急に近くなり、ほんの数秒だが動揺が走る。またすぐ目の前の出来事に夢中になる。鳥肌がとまらない。TVでは感じなかった、熱・息づかい・空気の動き・オーラなどがバシバシぶつかってくる。すごいパワーだ。
悲痛な叫び、届かないもどかしさ、愛はもどかしさなのか、平常心が無くなり、落胆、込み上げる、底。
絶望。白と黒のコントラスト。生き物にとって上にあがることは死の意味があったりする。言葉の反対にあるものと繋がる通路。バースデイ。人の素晴らしさ。人は素晴らしくなんなのであろうか。
2009.ある日の思い出の記録。
次回『トリプルファイヤーに加入したい』
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?