見出し画像

ChatGPTを使ってみた

昨今話題のChatGPTを様々な用途で使用し、ホワイトカラー業務をどれほど軽減・代替できるか考察してみた。
 
1. ChatGPTとは
2015年にサンフランシスコに設立されたOpenAIが2022年11月にGPT-3の無料公開開始。GPTとはGenerative Pretrained Transformerの略で、大量のテキストデータの学習を行い、人間のような自然な文章・会話を生成する。
Microsoftは2019年以降OpenAIに対し計100億ドルを出資し、自社の検索サイトBingにChatGPTを適用。OpenAIの評価額は290億米ドル超。
Googleは2022年12月、ChatGPTは検索ビジネスに対する脅威として非常事態を宣言。ChatGPT に対抗し、2023年2月に会話型AIサービスBardを発表。Metaも研究者向けに対話型AIサービスを開始することを発表。
東大松尾研究室によれば、技術的には目的に特化した学習をさせれば、専用分野特化型のGhatGPTを作ることも可能で、例えば法律的・会計的・医学的等の各専門的見地からコメントするAI開発も可能。今後2-3年でホワイトカラーの仕事の殆どすべてに何らかの影響がある可能性が高いとの見解。
 
2. ChatGPTの使用法
「ChatGPTにできることは何?」と尋ねた所、下記回答を得た(一部省略)。
-----------

  1. 質問応答:ChatGPTは一般的な知識を持っており、ユーザーからの質問に答えることができます。例えば、歴史的事実や科学的知識などの分野での質問に対して答えることができます。

  2. 言語翻訳:ChatGPTは、複数の言語を理解し、自然な翻訳を行うことができます。

  3. 文書要約:ChatGPTは、与えられた文書から重要な情報を抽出し、簡潔な要約文を生成することができます。

-------------
 
3. ChatGPTの実際の回答
(1) 質問応答
「航空機リース事業者各社の業績は?」と日英それぞれ尋ねた所、下記回答を得た。日本語版は2019年、英語版は2021年時点のデータを基に回答が作成されており、現時点では最新のデータを取る用途には使用不可。内容も2020年のNet Income等は不正確であり、要改善。
----------------------
私は2019年以前の業績についての情報を持っています。航空機リース事業者は、業界が好調であることから一定の成長を続けています。以下は、主要な航空機リース事業者の業績の要約です。

  1. GEキャピタル・アビエーション・サービス(GECAS):GECASは、BoeingやAirbusなどの航空機を保有する世界最大の航空機リース事業者の1つです。2018年には、GECASは約1,700機の航空機を運用し、約242億ドルの資産を保有していました。同社の2018年の収益は31億ドルで、前年度比で13%増加しました。

  2. アビエーション・キャピタル・グループ(ACG):ACGは、BoeingやAirbusの航空機をリースすることに特化した会社です。2018年には、同社は約4億4,000万ドルの純利益を上げ、前年度比で33%増加しました。

  3. フィンレース:フィンレースは、世界的に知られた航空機リース会社であり、BoeingやAirbus、エンブラエルなどの航空機を保有しています。2018年には、同社は約1,000機の航空機を保有し、約250億ドルの資産を保有していました。同社の2018年の収益は22億ドルで、前年度比で5%増加しました。

  4. アーウィン・リース:アーウィン・リースは、小型のリージョナルジェットから大型のワイドボディ機まで、多様な航空機を保有している航空機リース会社です。2018年には、同社は約9億ドルの純利益を上げ、前年度比で2%増加しました。

  5. AERCAP:AERCAPは、BoeingやAirbusなどの航空機を保有する世界最大の航空機リース会社の1つです。2018年には、同社は約2,900機の航空機を保有し、約460億ドルの資産を保有していました。同社の2018年の収益は51億ドルで、前年度比で10%増加しました。

------------------------
As an AI language model, I don't have access to real-time financial data or current market conditions. However, I can provide some general information about some of the top aircraft leasing companies and their historical performance.
 

  1. AerCap Holdings N.V.: AerCap is one of the largest global aircraft leasing companies with a portfolio of approximately 1,000 aircraft. In 2020, the company reported a net income of $797.5 million, down from $1.2 billion in 2019. However, despite the challenging market conditions due to the COVID-19 pandemic, AerCap has continued to acquire new aircraft and expand its portfolio through acquisitions, including the acquisition of GE Capital Aviation Services (GECAS) in 2021.

  2. GECAS (GE Capital Aviation Services): GECAS is one of the largest aircraft leasing companies in the world and was acquired by AerCap in 2021. In 2019, before the acquisition, GECAS reported a net income of $1.1 billion.

  3. Avolon: Avolon is a leading global aircraft leasing company with a portfolio of over 800 aircraft. In 2020, the company reported a net income of $276 million, down from $717 million in 2019 due to the impact of the COVID-19 pandemic on the aviation industry.

  4. Air Lease Corporation (ALC): ALC is a leading aircraft leasing company with a fleet of over 400 aircraft. In 2020, the company reported a net income of $356 million, down from $475 million in 2019 due to the impact of the COVID-19 pandemic.

  5. BBAM: BBAM is a global aircraft leasing and asset management company with a portfolio of over 500 aircraft. In 2020, the company reported a net income of $55.6 million, down from $226.2 million in 2019 due to the impact of the COVID-19 pandemic on the aviation industry.

 
It's important to note that the aviation industry has been significantly impacted by the COVID-19 pandemic, and the financial performance of aircraft leasing companies may vary depending on various factors such as the size and age of their fleet, their customers, and their geographic locations.
------------------------
 
企業の業績も尋ねてみたが、同様に回答の中の数字が不正確で、数字を引っ張ってくる質疑応答は苦手な模様。
 
(2) 翻訳
上記1のGECASの日本語説明を英語に、AerCapの英語説明を日本語に翻訳させてみた。DeepLと比べる表現が幼稚で、翻訳のクオリティはDeepLの方が高い。
-----------------------
GE Capital Aviation Services (GECAS) is one of the world's largest aircraft leasing companies that owns aircraft from Boeing, Airbus, and other manufacturers. In 2018, GECAS operated approximately 1,700 aircraft and had assets worth around 24.2 billion US dollars. The company's revenue in 2018 was 3.1 billion US dollars, an increase of 13% compared to the previous year.
-----------------------
AerCap Holdings N.V.:AerCapは、約1,000機のポートフォリオを持つ世界最大の航空機リース会社の1つです。同社は2020年に797.5百万ドルの純利益を報告しましたが、2019年の12億ドルから減少しました。しかし、COVID-19パンデミックによる厳しい市場環境にもかかわらず、AerCapは新しい航空機を取得し、2021年にはGE Capital Aviation Services(GECAS)を買収するなど、ポートフォリオの拡大を続けています。
-----------------------
 
(3) 文書要約
ある企業の年頭社長挨拶の一部分の要約を依頼してみたが、端的に纏めてくれ優秀と感じた。ただ、より長めの文章も翻訳を頼むとエラーが表示され要約できなかったため、要改善。
---------------------
<原文>
2. 当社を取り巻く環境について
 
昨年を振り返ると、新型コロナウイルスのみならず、地政学リスクの高まり、世界的なインフレと金融引き締めの影響に伴う景気後退懸念など、先行きの不透明感がより一層強まった一年でした。そのような状況においても、皆さん一人ひとりの並々ならぬ努力により、2022年度の連結純利益は、史上最高益であった2021年度を上回り、2期連続で最高益となる見通しです。改めて日々尽力頂いている皆さんに心より感謝申し上げます。
2023年の世界情勢についても、引き続き先行きが不透明であり、事業環境が目まぐるしく変化する状況が続くと予想されます。基本的には世の中の先行きは不透明なものですので、何が起こってもおかしくない、と心構えをしっかりしていれば間違いはないと思います。
欧米を中心とした、高いインフレを抑制するための金融引き締めの影響や、ゼロコロナ政策の緩和の難しさに直面する中国経済の下振れリスクなどにより、世界経済は停滞する可能性が強まっています。
また、安全保障を巡る問題は一層複雑化しており、いつどこで顕在化するか予見できません。ウクライナ情勢の今後の進展や、米中関係、台湾問題などの動向には引き続き注意が必要です。特に米中関係は、経済の緊密な相互依存と先端技術での競争が混在する複雑な構図に転じており、世界的にも経済と安全保障の課題が重なる分野が大幅に拡大しています。我々としても以前にも増して、経済安全保障という重要課題に注意して向き合う必要があります。
その他にも、脱炭素のみならず、循環経済への移行、水資源・生物多様性の保全、人権の尊重、持続可能なサプライチェーンの構築など、サステナビリティへの取り組みもより一層重要性が高まっています。サステナビリティに真剣に取り組まなければ、もはやビジネスとして成立しない時代になっています。
一方で、昨年11月にエジプトで開催されたCOP27では、各国の意見の隔たりにより、温室効果ガスの排出削減や、化石燃料の段階的削減に向けた議論が難航したことや、米国の一部の州や共和党による反ESGの動きから分かる通り、サステナビリティへの取り組みは、地域やビジネス領域によって一様ではありません。
また、エネルギー安全保障の問題が顕在化した今、移行期特有の社会課題も避けては通れないテーマとなっており、地球環境に対してポジティブなインパクトを与えられる解決方法を、xxグループのみならずステークホルダーと一緒に考えていく姿勢が我々には求められています。
繰り返し申し上げていますが、このような先行きを見通すことが困難な時代だからこそ、ビジネスのチャンスがあります。足元の業績が好調であることは喜ばしいものですが、今一度気持ちを引き締め、事業環境の変化をしっかりと見極めた上で、危機感を持って取り組んで頂きたいと思います。皆さんには積極的に現場に足を運び、顧客やパートナーなどの状況の把握に努めて頂きたいと思います。その上で立ち止まっていないで走り出すことが必要になってきているのではないでしょうか。
顧客の皆様が困難な状況に直面した時、声を掛けてみよう、相談してみよう、と真っ先に思い浮かべる相手がxxグループでなければなりません。「世の中のギャップを埋め続ける永遠のパートナー」として、立ち返るべき原点としての社是「正・新・和」の精神に則り、社会・顧客の課題と向き合い、新しい価値を生み出していく、それがxxグループのミッションです。
---------------------
<要約>
2022年度の収益が前年度を上回り、2期連続で最高益となったことに感謝し、2023年の世界情勢について説明しています。世界経済が停滞する可能性があると共に、安全保障問題が複雑化し、サステナビリティへの取り組みがより重要になっていることが強調されています。また、地球環境に対してポジティブなインパクトを与える解決策をステークホルダーと共に考える姿勢が求められていると述べています。
---------------------
 
(4) リサーチ
「航空機リース業界のSWOT分析」を依頼したところ下記回答を得た(英語でもほぼ同内容の回答)。正確性に問題ないと思われ、数字を伴わない分析は得意な模様。
---------------
航空機リース業界のSWOT分析は以下のようになります。
【Strengths(強み)】

  • 航空機リースは、航空機を所有することで生じる莫大なコストやリスクを回避できるため、航空会社や貨物輸送会社などの顧客から需要が高い。

  • 長期的なリース契約によって、安定したキャッシュフローを確保できる。

  • 大規模な航空機リース会社は、膨大な資本を投資することができ、業界において競合優位性を獲得できる。

【Weaknesses(弱み)】

  • 航空機リース会社は、航空会社や貨物輸送会社のように航空運送サービスを提供することはできないため、収益が限られている。

  • 航空機リース会社は、航空機を常に最新のものに更新する必要があるため、高額な資本支出が必要となる。

  • 航空機リース会社は、世界中の航空会社や貨物輸送会社と取引するため、外国為替リスクが存在する。

【Opportunities(機会)】

  • 航空旅客需要の増加に伴い、航空機リース業界における需要が高まっている。

  • 新興国の航空市場の拡大により、航空機リース業界における需要が拡大している。

  • 航空機リース会社は、燃料効率の高い航空機を提供することで、航空会社や貨物輸送会社に貢献することができる。

【Threats(脅威)】

  • 新型コロナウイルス感染症の影響により、航空業界全体が深刻な打撃を受けているため、需要が低下している。

  • 航空機メーカーが直接顧客との契約を結ぶことで、航空機リース会社の需要が減少する可能性がある。

  • 航空機リース業界は、航空会社や貨物輸送会社の運航に依存しているため、これらの業界が打撃を受けた場合、リース会社にも悪影響

---------------
 
4. 法律関連業務での利用
(1) 法律相談・リサーチ
弁護士ドットコムがChatGPTを活用した法律相談チャットサービスの開発を検討。運営  する「みんなの法律相談」のサイト上に蓄積した100万件超の法律相談のデータをAI に学ばせ、質問に自動で回答するサービスを始める(弁護士法72条の観点から無料で提供予定)。
「航空機リース事業を行うのに必要な許認可はある?」と問いに対する回答は以下の通り。Leasing Agreementsが許認可として区分されている辺り、要改善。
------------
Yes, there are several permits and licenses required to operate an aircraft leasing business. The specific permits and licenses required can vary depending on the location of the business and the type of aircraft being leased. However, some common permits and licenses required include:
 

  1. Air Operator Certificate (AOC): An AOC is required to operate commercial flights and lease aircraft for commercial use. It is issued by the civil aviation authority of the country where the aircraft is registered.

  2. Aircraft Registration: All aircraft must be registered with the civil aviation authority of the country where they will be operated.

  3. Insurance: Aircraft leasing companies must obtain insurance coverage for the aircraft being leased.

  4. Leasing Agreements: The aircraft leasing business must have proper leasing agreements in place with the lessee.

  5. Business License: In some countries, a business license may be required to operate an aircraft leasing business.

  6. Tax Registration: Depending on the jurisdiction, an aircraft leasing business may need to register for and pay taxes.

 
It is important to research and comply with all applicable laws and regulations to operate an aircraft leasing business legally and effectively.
-----------
 
(2) 契約書作成
「NDAドラフトが欲しい」と依頼したところ、下記の通り内容に違和感ないそれらしいドラフトが提供された。ただ、日本語版を依頼すると3条のみの不完全なものが提供されたため、契約書類は英語版の方が情報が蓄積されている模様。
----------------
NON-DISCLOSURE AGREEMENT
 
This Non-Disclosure Agreement ("Agreement") is made and entered into on [insert date] by and between [insert name of disclosing party], a [insert state] corporation, with its principal place of business at [insert address] ("Disclosing Party") and [insert name of receiving party], a [insert state] corporation, with its principal place of business at [insert address] ("Receiving Party").
 
WHEREAS, the Disclosing Party possesses certain confidential and proprietary information (the "Confidential Information") relating to [insert description of Confidential Information]; and
WHEREAS, the Receiving Party desires to obtain access to the Confidential Information for the purpose of [insert purpose of disclosure]; and
WHEREAS, the Disclosing Party is willing to disclose the Confidential Information to the Receiving Party subject to the terms and conditions of this Agreement.
NOW, THEREFORE, in consideration of the mutual promises and covenants contained herein, the parties agree as follows:
 

  1. Confidential Information. The term "Confidential Information" shall mean any and all information disclosed by the Disclosing Party to the Receiving Party, whether in written, electronic or oral form, that is designated as confidential or proprietary by the Disclosing Party or that, under the circumstances, would be reasonably understood to be confidential or proprietary.

  2. Use and Disclosure of Confidential Information. The Receiving Party agrees to use the Confidential Information solely for the purpose of [insert purpose of disclosure] and to keep the Confidential Information confidential and not to disclose the Confidential Information to any third party without the prior written consent of the Disclosing Party. The Receiving Party may disclose the Confidential Information only to its employees or agents who have a need to know such information for the purpose of [insert purpose of disclosure] and who are bound by obligations of confidentiality at least as protective as those set forth in this Agreement.

  3. Exclusions. The obligations of confidentiality set forth in this Agreement shall not apply to any information that:

  a. is or becomes publicly known through no fault of the Receiving Party;
  b. is lawfully obtained by the Receiving Party from a third party without restriction as to use or
   disclosure;
  c. is independently developed by the Receiving Party without reference to the Confidential
   Information; or
  d. is required to be disclosed by applicable law or court order, provided that the Receiving Party gives   
   the Disclosing Party prompt written notice of such requirement so that the Disclosing Party may  
   seek an appropriate protective order.

  1. Ownership. All Confidential Information disclosed by the Disclosing Party shall remain the property of the Disclosing Party.

  2. Term. This Agreement shall remain in effect for a period of [insert duration] from the date first written above.

  3. Return of Confidential Information. Upon written request by the Disclosing Party, the Receiving Party shall promptly return all Confidential Information, including all copies thereof, to the Disclosing Party or destroy all such information and certify in writing to the Disclosing Party that such information has been destroyed.

  4. Governing Law. This Agreement shall be governed by and construed in accordance with the laws of the State of [insert state], without giving effect to any choice or conflict of law provision or rule.

  5. Entire Agreement. This Agreement constitutes the entire agreement between the parties with respect to the subject matter hereof and supersedes all

----------------
 
(3) 訴訟書類作成
香港の法律事務所と研究者が判例を題材にChatGPTに法律文書の作成を行わせたところ、推敲された内容を書き出す起案能力を有すると判明。両者の主張を考慮して判決を起草することも可能。ただ、現時点で内容は有能な訴訟弁護士ほど高度でなく、訴訟弁護士の仕事を代替はできないものの、補完することは可能との見解。
 
5. AIを用いたその他サービス
(1) OthersideAI
メールで書きたいことを箇条書きにすると自然な文体のメールを生成するサービス
 
(2) 議事録作成AIサービス
 会議内容を文字起こしの上、要約を自動的に作成する。Zoom・Microsoft Teams等との連携可。英語だとotter、日本語だとAI議事録取れる君やアンプトーク、AI GIJIROKU、Calqtalk等が存在する。
 
(3) AI-OCR
 テキストデータを抜き出す際の処理にAI技術を活用し、より精巧・正確に処理を行えるOCRシステム。従来のOCRよりも文字認識率が高い。
 
<参考資料>
東京大学松尾研究室「AIの進化と日本の戦略」 2023年2月17日
安宅和⼈「時代局⾯を考える」 ⾃由⺠主党 AI project  2023年2月17日
以上

いいなと思ったら応援しよう!