最後の最後まで落胆させた

長女にはまず電話で話をした
まだこの時は離婚すること、お家を出なければならないことだけで
詳しい話は後日することに決めていた

ただただ長女は静かに聞いていた
そしてふたりで泣いた

近々長女の住んでいるお家に行くことを伝えて
その日は電話を切ったと思う

後日お家に行って顔を合わしてすぐ泣いてしまった
自分達に突然帰る家がなくなったことも
お金がなくなったこともとても受け入れられないぐらいのことだけれど
父親が、本当にこの世で一人ぼっちになってしまったんだね
と、複雑な気持ちだと泣いていた

長女は子供の頃から父親の本質に気づいていて、自分をよく見せるために妻や子供のことを利用してること、社会での評価が大事なこと

自分達が助けてほしいい時に向き合ってくれない父親に早くから落胆し、心を閉ざしていた

それでも家族だから

父親だから、私たちが見放してしまったら

社員にも見放された父親は本当に終わりなんじゃないかと心配していた

本当に次女も、長女も優しい子に育ってくれている


『でも実際父親は子供たちの心配よりも

こんな状態になるはずがない

自分がしてきた行動や言動がこの状態を引き起こしてることにも気づきもしないし

反省することもなく

人のせいにしているだけだった


自分のことは棚に上げて、自分を守ることと

自分にどれだけ愛情があるかどうかしか確認しなかった

自分の可哀想な状況を娘にも心配してもらえるかどうかが重要だったのだ


離婚するという話も

自分が責められることを避けたいため

子供と連絡も取ろうとしなかった

相変わらず仕事しなきゃいけない、どうにもできない

自分が大変なんだとばかり主張してくる』そういう人だった




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