着るものを作り、食べるものを作る
今年の夏は初めてプランターで野菜を作りました。今までは、お裾分けを頂いたり直売所で新鮮なものを買える事で満足していたのですが、やっぱり自分で作ってみたい!という気持ちに駆られチャレンジすることにしました。お知り合いで苗を作っている方から分けて頂き、トマトと万願寺シシトウを育てることに。
知識として知ってはいたことですが、植物って本当に水と日光で育つんだなぁと実感しました。日差しが強くてカラカラになるとグッタリしてしまうし、しばらくおひさまが顔を出さないとなかなか実もならない。普段なら自分の出かける都合とか快適かどうかで天気を意識していますが、植物の観点から雨が降ることに感謝したり、久々の晴れ間に喜んだりしていました。
私の場合は実がなるだけで嬉しいレベルですが、これを販売しようと思ったら気にかけることが沢山あるのだろうなぁと、農家の方々のご苦労にも思いを馳せました。
それにしても、自分で収穫する喜びはひとしおですね。採りたてをすぐ調理できる幸福感。それにハマってしまい、秋からはまたブロッコリーを育て始めました。
自分の暮らしに関わるという事において数年前に私が一番初めに取り組んだのは、衣服を作ってみるということでした。学生の頃に何枚かワンピースを作ったことがあるのですが、当時は途中でわからないところが出てくると、いつも母親に仕上げをお願いする始末…。でも大人になって少し根気強くなった私は、最後までめげずに第一弾のパジャマを完成させました。自分で作ったものを身につけるというのは想像以上に満足度が高く、続けてパンツやカットソー、肌着なども作るようになりました。もちろん自分では作れない素敵なものもたくさんあるのですが、買うことで作る楽しみが減るのは惜しいなぁと思ってしまいます。同じように食べるものを作れるようになったら、さらに楽しい時間が増えるんじゃないかなぁと思ったのが、野菜作りを始めた理由の1つです。
そしてもうひとつは、現実的に生活の術を身に着けたいからです。地方に暮らしていると、サービスが行き届かない場合があります。災害時には特に、お金を持っていても欲しいものが手に入らない、修繕をお願いしたくても後回しになる、ということが多々あります。
早川ユミさんという方が好きなのですが、この方は作家として服を作りながら、家の周りでお米や果樹・野菜を育てていて、一緒に暮らしているお弟子さんたちと共に農作業やモノづくりをしている様子を発信しています。7月に宮城に来られたので、お話会に行きました。コロナ禍で世の中が見通せない時期が数年続きましたが、そんな時でも手元に食料があるというだけで大きな安心感があるというようなお話をされていました。私の町の農家の方からも、東日本大震災をはじめ度重なる災害があったけれど、この辺りはだいたい自分で野菜や米を作っているから、なんとか凌いでいけたよ、という話を聞きます。お金だけではなく自分を養う手立てを持っているということは、強みだなと思います。
私の町には農業チャレンジ研修という制度があって、指導を受けながら任せられた区画で野菜作りを学ぶことができます。来年はプランターからレベルアップして、栽培や加工にチャレンジしてみたいなと目論んでいます。