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私にとっての…

11月13日(土)9時から第15回読書てらこやが行われた。今回のテーマは「対話する」で、選定本は『ダイアローグ』と『最後に残るのは本』である。本の感想はブログに後日書こうと思うが、ここには「読書てらこや」を通して感じた〝内側〟にあるものを表現してみたい。

私自身は「対話」が怖かった。小さい頃から話すことが苦手だ。話すことにとどまらず、自分を表現することも不得手だ。今も特段変わったとは思えない。職場にいても自ら喋ることは必要最小限であり、仕事上必要なときには口を開くが、雑談はあまりない。気軽に話せる人は限定的である。相手が何を思っているのか気を遣うくらいなら、無言でいるほうが気楽だとつい思ってしまう。

そんな私が第1回から「読書てらこや」に(飛び石的に)参加してきて、(1年間を振り返ると)、自分で言うのもおかしいが以前よりも喋るようになったなと思う。何を、どんなふうに伝えようか考えることも増えた気がする。最初は、確かに怖かった。初めて会う人がほとんどである中、小心者で、口下手な私はどこまで自分をさらけ出してよいものか迷ったし、私という存在を受け入れて(認めて)もらえるのかどうか不安でしかなかった。しかし、初回から吉満さんとフレンドリーに話している人がいることに、不思議な感覚を持ちながらも、憧れというか、羨ましさが生まれた。でも、そのような人になる必要はここではなく、自分は自分のままでいいし、背伸びなんてしなくてよい。そう思えるようになってきた。以前話に出てきた「等身大」でいることができる、この場所というのは居心地がいい。こんな感覚は味わったことがない。今は、喋ることも、人の話を聴くことも、五感を通して〝心地よい〟と感じる。

『ダイアローグ』を読んで、確かに今までの私はあらゆる場面で 「心地よい調整」の状態を維持してきたということに気づかされた。人と話す際に、この話は面白いだろうか、人を傷つけていないだろうか、しいてはこの人は私と話をしていて楽しいだろうかとさえ考えてしまう。でも、対話は完璧ではないし、楽しいものであるとは限らない。対話の中で、何か新しいものを創造できたら、素敵だと思う。

とにかく、今回のグループセッションでは、「耳を傾けること」と「いかなるものも除外しないこと」を意識した。これから周りの人と対話をしていく際には、このことを大切にしたいと思う。実際、吉満さんがそれぞれの方の話を聴いて、受け入れて、コメントをしている。まさに、その姿が今私が目指したい教師像でもある。教師は兎角答えを言いたくなってしまう性分なのだが、如何に耳を傾け、受け入れてあげるかを実践していきたい。ただ、私にも感情があるので、これがなかなか難しい。

読書会が終わってから考えていたことがある。それについて自己対話をしていた。感想を書きつつ、何か表現できないかと思うが、結局形にはならない…。でも、それでいいのだろう。

1つ目は、私にとっての「しずけさとユーモア」とは何だろうか。

どことなく教員として目指している方向性にも似ている。しずけさ、時々ユーモア。数学は〝楽しく〟教えたい。もちろん、40人いれば、全員が楽しいと思えるのは難しい。そもそも楽しいと思う感性はみな違う。でも、一部でも私とのご縁で、流れが変わってくれたなら、これほど嬉しいことはない。

そして、生徒さんとかかわる中で、本を薦めることも楽しくなってきた。プレゼントすることもある。その中でも一際、センジュ出版の本は〝一緒に暮らしたい〟と思える本であり、生徒さんにはぜひ読んでほしいし〝一緒に歩んでほしい〟とさえ思う、心地よい本である。これからもずっと薦め続けたい。

2つ目は、私にとっての「本」とは何だろうか。

ワクワクさせてくれるし、生きる原動力みたいなものになっているかもしれない。本屋や図書館に足を運ぶだけで、ワクワクする。本が私の方を見て、オーラをバンバン放ってくる。ワクワクしないはずがない。でも、読める本には限りがあるし、今の私にとって必要である本も限定的だろう。だからこそ、五感でそのオーラを感じ取るしかない。今ではそれに近いものを直感的に捉えられるようになってきた…気がする。

本を読むとき、知識だけを得ようとは思っていない。だから、電子書籍にはない、本としてのさまざまな感触、匂いは欠かせない。それも含めて「本」だと思う。本を作る人の思いが至るところに現れる。文章そのものも確かに大切だが、味わい方が全く変わる。食事で例えるなら、栄養のことだけを考えればミキサーでジュース状にして飲んでも同じことだ。でも、それでは美味しくないし、満足しないだろう。食べる場所のムード、お皿や盛り付け方などを含めたすべてが味に関わっているのではないか。そんなふうに思う。

どちらの問いも奥が深いものであるがゆえに、これからも時折立ち止まって思い耽ってみたい。

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