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種の咲く植物

ヒヤシンス・プロジェクトその後  on.17
去年の冬にヒヤシンスを植えた。
花が終わった後の長いあいだ、鉢には葉だけが残っていた。
緑があるうちは、まあいいやと、そのままにしておいた。
その葉もついに朽ちたので、そろそろ何か植えようと思っていたら、土から何やら芽が出ている。
どこからか種が飛んできたのだろう。
何となく草という風貌ではないので、少し様子を見ることにした。
もしかしたら花が咲くかもしれない。

その植物は、順調に育ち蕾をつけ始めた。
ただ、蕾は何度も見かけるけれど、花を見たことがない。
毎朝、カーテンを開けるときにベランダの鉢植えは見ているし、土が乾けば水やりもする。
でも、気づいた時には、もう花が開いた後のようで茶色くなっている。
一体、どんな花が咲いているのか?
よほど開花時間が短いのか、単に見逃しているだけなのか、理由はわからないけれど、花の姿が見られないどころか、色もわからない。
夜の間に咲いているのだろうか?

不思議に思っていたら、今朝その理由がようやくわかった。
蕾が開くと、そこに花びらはなかった。
種が行儀よく並んでいる。
花の蕾だと思っていたそれは、種の入ったさやのようだった。
種が落ちた後のさやが茶色くなったところを、私はずっと見ていたのだ。
蕾はいかにも花が咲きそうに見えるので、ずっと花が咲くものだと思っていた。
まさか、種が入っているなんて、まったく想像できなかった。
この植物、名前は何ていうんだろう?

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