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三年目のヒヤシンス no.1

 ホームセンターの園芸コーナーでヒヤシンスの球根を見かけた。
9月の半ばを過ぎても酷暑が続いていて、球根のことなどまったく頭になかった。
いくら暑くても、暦の上ではもう秋だ。
球根が店頭に並んでも、不思議ではない。
去年も一昨年も、私はここでヒヤシンスの球根を購入した。
こんな暑い時期ではなく、もっと寒くなってからだったけれど…

バラ売りされているのを見るのは、初めてだった。
これまではネットに3個入っていて、バラ売りはなかった。
単に時期が早いせいかもしれないけれど、私にとってはその方が都合が良い。
水栽培用のポットが2つしかないのだから。
去年まで余った一つは、ベランダで土植えにしていた。

バラ売りの球根には、水栽培用と印字されたシールが貼ってあった。
バーコードも一緒に貼ってあった。
驚きと同時に、やっぱりと、どこか納得する自分がいた。
去年も一昨年も、私が買った球根は水栽培用ではなかったと思う。
水だけでも花は咲かせてくれたけど、茎が長く伸び過ぎる。
バランスを保てず、倒れてしまうのだ。
こんなものなのかと思いながらも、でも何かが違うような気がしていた。
そもそも水栽培用の球根があることを知らなかった。

土植えにした球根は、ベランダで順調に育った。
ヒヤシンスの花自体、頭はかなり大きい。
それは水栽培も、土植えも同じだった。
それでも土植えは花が咲いても倒れることはないし、茎もそれほど長く伸びなかった。
屋外と室内の違いかもしれないが、花の色も土植えの方が心持ち鮮やかだった。

葉と茎と花と、ヒヤシンスにとってどのバランスがベストなんだろう?
よくわからないけど、少なくとも倒れてしまうのは残念だ。
この球根は、土植えにすべきだだと二年目にして悟ったのだ。

そして今年、三年目にして初めて水栽培用の球根に出会った。
本当にあったんだ…
何が違うのか、あれこれ手にとって眺めた。
ラベルがないと全くわからない。
もしかしたら、見分けられる人もいるかもしれないが、少なくとも私にはその違いはわからなかった。
これは偶然の出会いなのか、それとも必然なのか…
そのうちの二つを買って帰って、冷蔵庫の野菜室に入れた。

続ヒヤシンス・プロジェクト on.17


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