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腹筋が無くなっていく感覚

フリーアナウンサーとなったの有働由美子さんのエッセイ本を少し前に読んだ。その名も『ウドウロク』。(逆さまから読んだら、黒ウドウとのこと。ネーミングセンス抜群で、より好きになる。)

短編集のようなつくりで、総ページ数もコンパクトだ。
何より、作者のお顔が分かるのでさまざまな場面の想像(妄想?)も膨らみ、とても読みやすい。

その中で、
1人で外食に行くことすら疲れた…というテーマの章があった。
「背筋を伸ばしてお腹を引っ込めて、人前でかっこよく食事するだけの腹筋が無くなってきた。家ならお腹の贅肉も気にせず投げ出して、背中をまるめて、力を緩めて食事ができる」的なことが書かれている。
なるほど、確かにと思った。

腹筋≒自分をよく見せようとするプライド
と考えられて、とても共感した。

私はフリー素材みたいなもので、どこの誰にどう使われているかも分からないため、とっくの昔につまらないプライドが無くなっていた。
しかし、そんな人でも、やはり大切なプライドは残しておかなければならぬ。

すっぴんで外に出ることに始まり、
何でもいいよいいよ〜と言って許しちゃうクセも、大丈夫と聞かれたら大丈夫と返すクセも気をつけなきゃいけない。

最低限のマナーとして身だしなみは整えるけど、髪を切るとか切らないとか、どんな服を着るか着ないか(?)とかにも、こだわりがない。

こだわりがある人って、プライドがあって、自分のペースを守っている感じがする。
こだわっているポイントを聞いただけで、なんだか素敵だなぁ、自分のことを大切に考えてるんだなぁと感動してしまう。

屁理屈だけど、
ここまで来ると、こだわりが無いことが私のこだわりかもしれない。
こだわりがない私でいた方が、周りに迷惑をかけなくてすむし、何より私が楽チンなのだ。
もう、そんなふうに考えるしかない程に私の腹筋は風化している。

関係各位、怠惰な私ですんまそん…
腹筋を鍛えて、きちんと出来栄えの良いフリー素材であり続けられるよう頑張ります。
自分を許そうかと思いつつも、やっぱり反省してしまう夜だ。

あと、有働由美子さんの『ウドウロク』はオススメです。みんな、読んでね。

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