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外厩ランキング情報【2024年】|ノーザンファームより回収率の高い外厩一覧

「外厩ランキング情報」の要点

  1. 外厩か否かで世間で言われているような回収率差はない

  2. メジャーな外厩ではチャンピオンヒルズの回収率が高い

  3. 芝はグリーンファーム、ダートは山岡トレセンの複勝回収率が高い

  4. 1600m以下はEISHINS、1700m以上はグリーンファームの複勝回収率が高い

  5. 競馬ファンに認知の低い外厩で条件が揃ったところを狙おう

■分析データ概要

  • 2023年から2024年の2年間

  • 障害戦および取消・除外馬は除く

  • オッズ50倍を超える馬は除く(傾向が安定しないのと、馬番需要を計測するため)

  • 期間中200頭以上出走した外厩のみ対象

外厩別回収率ランキング

一般的に外厩は効率的かつ効果的な調整が可能なため、競走馬に有利に働くといわれている。それは果たして本当なのか、本当であればどの外厩が回収率が高いのか。メジャーな外厩はどうなのか。などを全体、芝・ダート、距離別で検証していく。

①外厩ランキング:全体の傾向

最も複勝回収率が高いのはグリーンファーム:出走頭数は少ないが複勝率も高いため、一定の信頼性を置ける。
メジャーな外厩ではチャンピオンヒルズ
:出走頭数が3000を超え統計的な裏付けも十分で、勝率、複勝率も高い。
ノーザンファームしがらきは最も出走頭数が多いが、複勝率の高さに対して回収率が低い:ノーザンファームはその認知率が高いため、過剰に買われているのではないか。
外厩か否かで回収率に差はない:回収率視点(単勝オッズ50倍以下)では世間で言われているような有利さはない。

■グリーンファームの特徴

  • 周回コース:屋外に700メートルの坂路コースや、屋外500メートルの周回コースを備えている。

  • 安全性の確保:馬が安全にトレーニングできるよう、広い幅員の坂路コースを設けている。併せ馬を行う際にも事故のリスクを減少させることができる。

  • 柔軟な調整:トレーニング内容を調教師の指示に基づいて柔軟に調整できるため、馬の状態に応じた最適なトレーニングが可能となる。

■チャンピオンヒルズの特徴

  • 広大な敷地:総面積71ヘクタールを誇り、東京ドーム約15個分に相当する広さを持つ。

  • 広めの360馬房:施設内には12棟の厩舎があり、合計360馬房を備えている。馬房は通常よりも広めに設計されており、馬がストレスなく過ごせるよう配慮されている。

  • 特異な坂路コース:チャンピオンヒルズの代名詞とも言えるのが、全長1000メートルの一直線の坂路コースである。このコースは、フェルトダートとウッドチップの2種類があり、馬の脚元に優しく、負荷をかけたトレーニングが可能である。

  • 高い安全性:坂路コースはカーブがなく、馬が滑るリスクを減少させている。また、広い幅員を持つため、併せ馬を行う際にも安全に実施できる。

  • 育成過程の透明性:出資者は育成過程を映像で確認できるため、安心して馬を預けることができ、出資者との信頼関係の構築に寄与している。

②外厩ランキング:芝の傾向

最も複勝回収率が高いのはグリーンファーム:複勝率も高く、芝における馬の強さが十分にオッズに織り込まれていない模様。
ノーザンファーム天栄は複勝率が最も高く、回収率も基準の80%以上:過剰に買われるノーザンファームだが、芝の天栄はその複勝率の高さから、まだ回収率は基準超えを保っている。

■ノーザンファーム天栄の特徴

  • 持続力向上効果:1200メートルの周回コースや900メートルの坂路コースが設置されている。特に坂路は勾配があり、馬の筋力や持久力を効果的に鍛えることができる。

  • 120名のスタッフと獣医師免許所持:約120人のスタッフが在籍しており、獣医師免許を持つ者も多い。

  • 豊富な育成ノウハウ:過去の成功事例から得た育成ノウハウを蓄積しており、これが次世代の馬への調教に活かされている。特に、G1レースでの成功を収めた馬たちから得た経験が、育成メニューに反映されている。

  • 輸出検疫施設の完備:海外遠征に対応できる輸出検疫厩舎が設置されており、特にオーストラリアなどの厳しい検疫基準に対応可能な施設として、民間では国内唯一の存在である。

  • 高い実績:近年のレースで好成績を収めることが多く、特にG1レースでの活躍が目立つ。

③外厩ランキング:ダートの傾向

複勝回収率が最も高いのは山岡トレセン:出走頭数が少なく複勝率も低いため、ダート時に中穴をねらう際に注目するとよさそう。
十分な出走頭数で単勝も安定しているのは大山ヒルズ:複勝率も高く、実力のわりに競馬ファンの認知が低いため、ダートではおいしい馬券が潜んでいるだろう。

■山岡トレセンの特徴

  • ゴムチップとウッドチップ:ゴムチップを使用したダートコースやウッドチップコース、坂路、ウォーキングマシンなどが完備されているため、馬のコンディションに応じた多様なトレーニングが可能である。

  • 変化の少ない気候:夏は涼しく、冬は降雪量が少ないため、馬が快適に過ごせる環境が整っている。この気候は、馬のリフレッシュや癒しの場としても最適である。

  • リフレッシュと休養の重視:競走馬の育成だけでなく、リフレッシュや休養を重視しているため、馬がストレスを感じずに過ごせる環境が整っている。

■大山ヒルズの特徴

  • 独自の調教コース:最大の特徴は、全長800メートルの坂路コースがあり、その後に800メートルの平地ダートコースが続く「6の字」形状のコースだ。この設計により、馬は長時間にわたってキャンターを行うことができ、スピードを落とさずにトレーニングを続けられる。

  • 温暖な気候:鳥取県の温暖な気候は、北海道の厳しい寒さに比べて冬場の調教量を維持しやすく、馬の筋肉や毛づやの状態を良好に保つことができる。

  • 全スタッフによる一体感:スタッフ全員が同じ出勤・退勤時間を持ち、全頭を一緒に見るスタンスを取っている。このアプローチにより、馬に対する理解が深まり、育成の質の向上が期待できる。

  • 早期の性格把握:馬は1歳の8月頃から早々に移動してくるため、スタッフは早い段階から馬の性格を把握することができる。

  • トレッドミルの導入:トレッドミル(ランニングマシン)が7台設置されており、馬のトレーニングメニューに幅を持たせることができる。このことからゲートの馴致や基礎体力の向上が図られている。

  • 成功実績:3冠馬コントレイルやダービー馬キズナなど、多くの重賞ウィナーが誕生している。

④外厩:1600m以下の傾向

複勝回収率が最も高いのはEISHINS:複勝率も最も高く、単勝回収率も100%を超えているため、短距離で出走してきたら加点してもよいだろう。
ノーザンファームしがらきは複勝回収率が極めて低い:短距離路線では複勝率も平均的で、それでいてネームバリューがあるため無駄に買われ過ぎる傾向があるので要注意。

■EISHINSの特徴

  • 坂路とダートコース:坂路コースやダートコースが完備されており、多様な馬の特性に対応可能。

  • リラックスできる環境:静かで落ち着いた場所に位置しているため、馬がストレスを感じにくい。

  • 柔軟なトレーニングプログラム:馬の状態や成長に応じて、トレーニングプログラムを柔軟に調整している。

■ノーザンファームしがらきの特徴

  • 坂路の厳しい調教:約800メートルの坂路コースや900メートルの周回コースが完備されている。そのため競走馬は多様なトレーニングを受けることができ、特に坂路での厳しい調教が可能である。

  • 広大な敷地:敷地面積は東京ドーム6個分にも及び、広々とした環境で馬がストレスなく過ごせる。

  • G1馬排出:オルフェーヴルやジェンティルドンナなど、多くのG1ホースが誕生しているため、競馬界での評価も高い。

  • トレーニングと育成の一体化:生産から育成、調教までを一貫して行う方針を持っており、厩舎サイドとの連携が密である。

⑤外厩ランキング:1700m以上の傾向

複勝回収率が最も高いのはグリーンファーム:芝でも1位だったので、芝かつ1700m以上は、認知が低い外厩であることからも超狙い目。
山元トレセンは出走頭数1000を超えたうえで単複とも高い回収率を維持:1700m以上で高いパフォーマンスを発揮するため、条件にあった場合は積極的に加点したい。

■山元トレセンの特徴

  • 急勾配の坂路:屋外900メートルの坂路コースや1100メートルの周回コースが完備されている。特に坂路は最大勾配9%であり、厳しいトレーニングが可能である。

  • 全天候型の馬場:トレーニング施設は全天候型であり、天候の影響を受けにくいニューポリトラックを使用していることから、常に安定したコンディションでトレーニングを行うことができる。

  • リフレッシュと休養の重視:競走馬の育成だけでなく、リフレッシュや休養を重視しているため、馬がストレスを感じずに過ごせる環境が整っている。

  • 社台ファームの利用:社台ファームや追分ファームの生産馬が多く利用しており、外厩としての信頼性が高い。

外厩の豆知識

知っておくと便利かつ競馬仲間と話すネタとしても面白い「外厩」に関する豆知識をご紹介。

外厩の読み方は?

外厩の読み方は「がいきゅう」である。

競馬の外厩制度とは?

  • 外厩制度の概要:外厩制度は、競走馬がトレーニングセンターや競馬場内の厩舎に滞在する内厩制度とは対照的である。外厩は、民間の育成施設や牧場に設置されており、調教師は一定の条件を満たす外厩を利用することができる。この制度により、調教師は馬のコンディションに応じた柔軟な調整が可能となる。

  • 外厩制度の利点:調教師は馬房数の制限を超えて多くの馬を管理できるため、故障馬や疲労が蓄積した馬を外厩に預けることができる。また、外厩では専門的なトレーニングや健康管理が行われるため、馬のパフォーマンス向上に寄与する。

  • 外厩制度の歴史と現状:外厩制度は、2003年にホッカイドウ競馬で初めて導入された。その後、南関東公営競馬などでも採用され、近年ではノーザンファーム天栄やしがらきなどの外厩が注目を集めている。これらの外厩は、レース直前まで調整を行い、レース当日に競馬場に輸送されることが一般的である。

外厩四天王とは?

  • 天栄四天王:ノーザンファーム天栄を利用する調教師たちで構成されている。主な調教師、木村哲也、国枝栄、大竹正博、萩原清など。これらの調教師は、天栄での調教を通じて優れた成績を収めており、特に近年ではジオグリフやアーモンドアイなどの名馬を管理していた。

  • しがらき四天王:ノーザンファームしがらきを利用する調教師たちで構成されている。代表的な調教師は安田隆行、西村真幸、松永幹夫、高野友和など。彼らもまた、しがらきでの調教によって多くの成功を収めている。

外厩情報はどこで入手可能?

  • かよちんの競馬wiki(無料):会員登録など不要で閲覧可能。ランキングなどもあり。

  • 外厩競馬.com(無料):ノーザンファーム天栄やしがらき、空港で調整された馬の情報を毎週公開している。登録なしで閲覧可能。

  • 競馬セブン(無料):特に社台系の情報が豊富。

  • JRDBUMATOKU(有料):出馬表にどの外厩に入厩したかが記載されている。

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