【TEX】22年のスタンスを示す労使協定成立後の補強
労使協定が成立して2週間経ってからnoteを書き出すテキサス・レンジャーズ担当です。今回は労使協定後の補強を整理します。前回の記事で取り上げた大型補強と比較して小規模な動き、すなわち前年度102敗チームにふさわしい動きを見せたと思います。
投手の補強
先発
・マーティン・ペレス(1年4M)
・マット・ムーア(マイナー契約)
リリーフ
・ギャレット・リチャーズ(1年4.5M)
・グレッグ・ホランド(マイナー契約)
・ブランドン・ワークマン(マイナー契約)
今シーズンを安価で凌ぐ以外の意図を感じない地味な補強です。リチャーズはおそらくロングリリーフとして起用される見込み。
ちなみに、リチャーズの21年の数字は先発とリリーフで
| | 平均球速 | xwOBA |
| 先発 | 94.2マイル | .371 |
| リリーフ | 94.9マイル | .289 |
となっていて、多少リリーフの方がいいみたいですが、劇的に球速が上がったわけではない、サンプルが小さいなどから参考程度の数字として紹介しておきます。
野手の補強
捕手
・ミッチ・ガーバー(トレード。調停2年目で3.3M、23年オフFA)
内野
・マット・カーペンター(マイナー契約)
・チャーリー・カルバーソン(マイナー契約)
外野
・ブラッド・ミラー(2年10M)
こちらはもう少し近い未来を見据えた補強になりました。ガーバーは打力とフレーミングに優れ、安価で2年は保持できるものの故障がちな選手です。こちらの記事に上げたようにレンジャーズは近年フレーミングを重視しており、カイナーファレファを放出して取りにいくにしても方向性は合致しています。またFA市場に出る頃には33歳ということもあって、リーズナブルな複数年契約の提示を考えてもいい選手です。
ブラッド・ミラーも打力はかなり高く、年俸5M前後で取れたのは大きいと感じます。守備はお察しレベルですが、それでもウィリー・カルフーンより足が動く分だけまともといえそうです。
ガーバー(xwOBA .383)といい、ミラーといい、そこのスタッツだけ見てとってきたのではないかという気もしないでもない補強です。ともかくまともな打者を2人獲得したことで、22年に不動の中軸だったアドリス・ガルシアを下位打順に置ける程度に打線はグレードアップされたといえそうです。
ジョシュ・ヤング故障の穴は誰で埋める?
https://www.si.com/mlb/rangers/news/texas-prospect-josh-jung-shoulder-surgery-out-six-months
レンジャーズのサードを少なくとも5月から務めるはずだったトッププロスペクトのヤングがトレーニング中に左肩を負傷して全治6ヶ月の手術を受けました。利き腕ではなかっただけまだ良かったと言えますが、全米トップクラスの期待を受ける選手だけに、かなり痛いところです。
カイナーファレファをトレードで放出した今のロスターで候補は実質的に2人に絞られています。そのうちの1人がマイナー契約したカーペンターであり、もう1人が昨シーズンの終盤に活躍したアンディ・イバニェスです。
結論から言うと、すでに40人枠にいて、昨年デビューということで最低年俸であり、守備力で勝るイバニェスの方がかなり有利です。カーペンターの成績はシフトの影響を含めても期待値系スタッツからするとあまりにも悪い
20年 wOBA .293 xwOBA .332
21年 wOBA .269 xwOBA .341
ので、バウンスバックする可能性はありますが、レギュラースポットを与えるかどうかという意味だとイバニェスが濃厚な状況です。
イバニェスとカーペンターは、パワーヒッターではないものの打球に角度をつけるのがうまいという特徴を除き、打席の左右、選球の姿勢およびその結果としての三振や四球の数が対照的。5月1日までは28人枠に増加することを含めてプラトゥーン起用はありえる話ですが、よほどの不振にならない限りはイバニェスで今シーズンはいくと思います。
スプリングトレーニング真っ最中ですが、ロスター枠の争いはそこまで激しくなく、先発の5番手が誰なのか程度だと思います。ほぼ補強は終わったと見ていいチーム編成をみてもうまくいって80勝、70勝切る可能性も十分と見ています。メジャーレベルではシーガーたちが健康であること、マイナーではジャック・ライターの公式戦デビューなどが見どころとなりそうです。
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