Genocide
僕は他者を傷つけた。言葉でも心でも、自らの手でもナイフを振り回した。他者を傷つけていくうちに、"痛み"が分からなくなった。ねえ、君は痛かった?苦しかった?僕はどこも痛くなかったよ。そうやってまた自己防衛して、僕はどんどん強くなっていくんだ。大丈夫、人間はみんな嘘つきだから。どうせ死んじゃうのだから。大丈夫、もうすぐ楽になれるのだから。
僕は人間の事が嫌いだ。本当に憎いんだ。だから友達と言う名の奴隷に提案をしたのだ。己を捨ててまでも、僕はこの世の消滅を望んだ。けれど君は裏切った。僕の味方など居ない。だから君も、君たちの家族も友達も仲間も、全部消え去って欲しくなったのだ。時空を歪ませようが、今からこの世界を支配するのはこの僕だ。一刻も早くこの腐った世界を壊すんだ。最初は怖かった。目の前で散り去るお前らを見る度に自分の取った罪の重さを感じた。けれどそれらが当たり前となっていった。日常となっていく。見慣れた光景。お前らを虐殺する事に満足を覚えた。どんな正義の味方も、負けてしまえばいずれかは塵だ。哀れだ。生物は皆哀れだ。