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CES 2024 Trends to Watch, presented by CTA (トレンド編)

Consumer Electronics Show (CES)を日本から追っかけてみます。

今年の4月で創立100周年を迎えるCTA (Consumer Technology Association)による2014年のトレンド予想です。1月8日 (月)に発表されたCTAリサーチディクレクターのジェシカ・ブース氏とプログラムディレクターのブライアン・コミスキー氏はテックのトレンドを「人工知能 (AI)、持続可能性 (Sustainability )、包括性 (Inclusion)が産業全体のパフォーマンスやインパクトに影響を及ぼす」と述べました。

現在のトレンド

出典: Consumer Technology Association

まずアメリカ総人口の4分の1に当たる約6900万人がZ世代 (11-26歳)になり、ミレニアルに次ぐ大きな集団になっており、いずれ購買者層の中核としてテクノロジー製品への支出の増加に影響を与えるとされています。グローバル的に見ても、全人口約80億人のうちZ世代がその4分の1を占めており、彼らと他の若い世代がオンラインへ参加することで、グローバル株式市場も加速していくされています。アメリカでは人口の92%がインターネットを利用、インドではわずか46%、ナイジェリアでは55%、中国では73%、EUでは87%である。54億人がオンラインに接続しているが、2027年までにさらに10億人が追加されるとCTAは予測しています。東南アジア、アフリカ、アメリカでは、インターネットを活用した産業で経済的に大きな成長が見られています。さらに、これらの変化に適応するデジタルインフラストラクチャを確保する必要があります。

出典: Consumer Technology Association

先進的なコネクティビティ技術(5G、6Gなど)やIoT、エッジ、Li-Fiなどのデジタルインフラが進化しています。これらに加え、「AIとロボティクス、クラウドコンピューティングの自動化、そしてサイバーセキュリティが今後の必須技術となりつつある」とコミスキー氏は解説します。また、デジタルユーティリティと先進的なコネクティッドソリューションなどの技術は、拡張可能で効率的なインフラを確保するための鍵となります。今年の出展の30-40%はエンタープライズ向けのテクノロジーを紹介する予定です。

技術トレンドにおいて、「人工知能 (AI )、持続可能性 (Sustainability )、包括性 (Inclusion)が垂直分野を超えて産業全体に影響を与える」ことを、コミスキー氏は強調しています。これらは過去1年で急速に進化しており、「世界をより知的で、緑豊かで、包括的にするのに役立ちます」と述べています。

将来のトレンド

出典: Consumer Technology Association

AIエコシステムの進化が注目: 今年のCESではIntelやQualcommなどのチップメーカーがAIの進化について語ります。また、Microsoftが30年ぶりにキーボードにAIコパイロットツールのボタンを追加するなど、アップデートも見られます。多くの人が、AI技術を魅力に感じる一方で、懸念事項としては、プライバシーや仕事の喪失が挙げられています。CTAの調査によると、74%の消費者は連邦政府がAIに対する安全対策を規制すべきだと考えています。

持続可能性のトレンド: 2016年に署名されたパリ協定の折り返し地点となる2024年は、2030年に向けたゴール到達を加速させるため、代替材料、インフラ、実験的なエネルギー源への投資が行われています。米国だけでも、2035年までに二酸化炭素排出ゼロの電力供給を目指し、2050年までにネットゼロ経済を実現するために約970億ドルがアメリカ単独で予算化されています。

多様性、包括性 (Inclusion)、アクセシビリティ:ブース氏によると、多様性をリードする企業は19%の収益増加があると解説。また、世界中には18億人の障害を持つ人々がおり、その中で包括性を実践している企業は1.6倍の収益増加が見られると発表しています。CESではLGBTテック、新たな成長機会に取り組むラテラル・ベンチャーズ (Lateral ventures)などのパートナーを通じて包括性を体現します。健康とウェルネス技術は、「個別化」、「アクセシビリティ」、「インテリジェント」が結びついています。人工知能やバーチャルプライマリケアのチャットボットなど、インテリジェントなテクノロジーがヘルステックを主導し、さらに女性の健康にも焦点が当てられています。

自動車、モビリティ: BMWやMercedesが次世代モビリティを紹介する予定です。EVに対する消費者の期待は「大きい」「良い」「速い」という3つの要素に絞られていますが、これは従来の意味とは異なり、「充電ネットワークの拡充」、「高度な安全機能の向上」、「迅速な充電技術の進化」を指し、これらの進化は海上や空中でも起こっているとコミスキー氏は述べています。

出典: Consumer Technology Association

テレビ: テレビは家庭内のインテリジェントなスマートハブに進化するとブース氏は予想しています。キッチンや洗濯室の様子を見たり、セキュリティカメラに接続しフロントドアの状況を確認、テレヘルスのためにTVで放射温度計 (サーマル・イメージ)を表示するなど、家庭内IoTの中心的な存在になります。また、テレビではスポーツ中継をライブで見ながら、賭け (betting)をするなど対話的で非線形 (non linear)なコンテンツが増加します。これらサービスにはNetflixのインタラクティブ・ディスプレイやディスカバリー、Rokuなども注目されています。また、コミスキー氏は、ストリーミング時代の成熟に伴い、字幕を通じて外国語コンテンンツを楽しむことに抵抗のない若い世代間では、マルチリンガルで包括的なグローバルプログラミングへの需要が高まっていいると指摘しています。音声コンテンツでは、SpotifyやAppleに加え、BTSのARMYsなど「スーパーファンモデル」に代表されるTikTokの収益化手法が注目されています。また、ポッドキャストのリスナーが高齢化しているため、コンテンツは若いリスナーを取り込む方針に変わっていくと解説しています。

出典: Consumer Technology Association

ゲーミング: 版権 (IP)との重要性が高まっているとコミスキー氏は解説しています。10億ドルの興行収入を記録した映画『スーパーマリオブラザーズ・ムービ』やテレビ番組の成功などで、現在40本以上のTVシリーズや映画が制作されていることからも、レトロゲームのリメイクやAIを活用したグラフィックなどが注目されています。2024年の最新の予測では、68%はハードウエア、残りがソフトウエアになると解説しています。またアメリカでは、ゲームはHuluなどのストリーミングサービスと同様約3分の1の消費者の支出を占めていることからも、ゲームがエンターテインメントソフトウェアの主な収益源になると予測しています。

出典: Consumer Technology Association

さらに、世界には約30億人のゲーマーがおり、モバイルが45%と大半を占め、コンソール (37%)、PC (18%)で構成されている。ゲームのソーシャル性が高まる中、消費者は携帯性に優れ、あらゆるプラットフォームでプレイできることを望んでいること、そしてメタバースやXRの発展に伴い、ハイブリッドで没入感のある機能やゲームがトレンドとして拡大していくとブース氏は解説しています。

全体資料はダウンロード可能プレゼンテーションビデオ

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