米国市場から展開スタート 3Dモデル・ARを活用した機械故障診断アプリを開発
▼クライアント
株式会社クボタ 様
https://www.kubota.co.jp
▼業種
機械・電気製品|業務用機械製造|農業機械
▼サポート内容
故障診断アプリ『Kubota Diagnostics』の設計・デザイン・開発
▼DXの分類・目的
派生事業(既存市場×新規資産)|新製品・サービスの開発|業務効率化
▼キーワード
アプリ開発|AR|3Dモデル|UIデザイン|アジャイル開発|ローカライズ|Flutter
建設機械・農業機械などをはじめとする多彩な製品を通じ、顧客のニーズに応じたトータルソリューションを提供する「クボタ」。同社のグローバル拠点が研究・生産・販売した製品は世界120ヵ国以上で活躍している。
モンスターラボグループは、3Dモデル・ARを活用した機械の故障診断アプリ『Kubota Diagnostics(クボタ ダイアグノスティックス)』の開発プロジェクトに参画。要件定義、UIデザイン、設計、プロダクト開発を担当した。
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■課題
グローバルに製品を展開するクボタは、海外にも多数の販売子会社を設立している。機械が故障した際は現地のサービスエンジニアが対応しているが、従来はWeb上のマニュアルをもとに故障診断しており、担当者の経験・スキルによっては時間を要することも。また、問い合わせが必要な場合はダウンタイムが長引くケースもあった。
機械の故障による稼働率低下は、ユーザーにとって収益低下に直結する深刻な問題となる。したがって、サービスエンジニアの迅速かつ効率的な故障診断をサポートし、機械のダウンタイム削減に寄与するプロダクトが求められていた。
また、同プロダクトはグローバル展開を視野に入れており、まずは最もニーズが高い米国市場で運用開始・効果検証を行うことになっていたため、ローカライズやグローバル展開の知見をもった開発パートナーが求められていた。
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■ソリューション
故障診断の効率化においては、機械が発するエラーコードや不具合症状をアプリに入力することで、自動的に点検箇所や修理方法が表示されるシンプルなフローを構築。サービスエンジニアが膨大なマニュアルと向き合う必要なく、迅速に故障箇所を割り出せるようにした。
また、3DモデルとARを組み合わせることで、スマートフォンを建機にかざすと、内部の故障箇所・対象部品などをビジュアルで認識できる機能を実現。建機内部を実際に確認する手間を省き、効率的に修理できるようにした。
アプリのUIデザインには、モンスターラボグループのデザインコンサルティングファーム「A.C.O.」から、イギリス出身のネイティブスピーカーで、グローバルプロジェクトの豊富な実績をもつデザイナーをアサイン。
モンスターラボのグローバルネットワークを活かしたターゲットマーケットリサーチに始まり、可読性の高いフォント・文字のサイズ、片手でもタップしやすい大きめのボタン、内容を素早く理解しやすいピクトグラムなどを使用し、建設現場での利用を意識したUIデザインを実装した。
また、クボタ現地法人スタッフとのコミュニケーションにおける橋渡し役としても協力した。
開発面では拡張性を鑑みて、マルチデバイスへの対応が可能なFlutterを採用。独自のCMSを構築し、ログとユーザーからのフィードバックを蓄積させることで、今後の診断フローの整備や故障余地につながるさまざまな情報を収集できるようにした。
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■結果
リリースに先駆け、本アプリの発表が行われた海外販売代理店向けのミーティングでは、操作性に優れたUIデザインとともに、3Dモデル・ARを活用してビジュアルで故障診断ができる仕組みに大きな注目が集まった。
今後は、アプリを通じて故障内容の情報を効率的に収集することができるようになるため、アフターサービスの品質向上や故障予知、顧客ニーズなどをプロダクト開発に反映することも可能になる。同時に、サービスエンジニアの教育や人員の確保といった面でも期待されている。
同サービスは2020年12月より米国で開始され、今後は日本を含む世界各地の市場に対象製品を拡充し順次展開していく予定だ。
(情報公開日:2021年1月22日)
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