ラッパーではないけれど。


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18歳の私に与えられたもの。

ともだちについて。

 昨日久しぶりに、学生時代の友達の中で、比較的近くに住んでいるメンバーと飲みに行った。

お会計の時になって、どうする?ゲームする?普通に割り勘?という話に。

大体勝負は自分が勝つと思い込んでいる私が「ゲームしよゲーム!!」と強く主張した挙句負けて3人分の支払いをするはめになり、今日も一日悔しい思いを味わっていたので、ともだち についてのことでも書こう。

 性別的なものでいうと、男性複数の中に女性が一人のこの集まり。

年に一回旅行に行ったりするのだけれど、記念写真を他の人に見せると「なんかのAVの撮影グループ?」と言われたりもする。今のところ、アダルトなビデオは撮影していない。

 私以外のみんなは、高校生の時同じ寮で過ごしていた人たち。大体みんな、そのまま付属の大学に進学してきた。(一人途中で高校退学になって、受験して同じ大学に入学してきた人も、いたりいなかったり)

 同室で部屋が汚すぎて喧嘩しただとか

誰々の靴箱に爆竹をいれただとか、あの数学の先生のモノマネだとか、失恋した時に作った失恋ソング集の話だとか、それはもう彼らの共有事項はたくさん。

その中になぜか私一人。しかも性別も違う。

 間違っても、モテると主張したいわけではない。

この人たちに、女としての性別でモテたくないし、それは向こうも同感だとおもう。

仲良くなった頃は、みんな10代だったのに、びっくりするくらい色のついた話が見当たらない。

私がほかの人(ここにはいない共通の後輩)と色恋沙汰でもめたとき、

「あいつからいろいろ話きいたんやけど、俺はあきちゃんと絶交する」と電話がかかってきたことならある。今は笑い話だけれど。

何がきっかけで仲良くなったのかも、もはや全然わからない。

ただ、わかっているのは、私にとって人生で初めての心が安心できる空間だったということ。

何の役割をしなくても、そのまま存在できる初めての場所だったということ。

徹夜で麻雀した挙句、疲れ果てて誰かの部屋でみんなで寝ちゃったとき。

旅行に行って、すでに浴衣に着換えた数人と、ずっと携帯でパワプロやっている人と、子供の写真をひたすら見せたがる人と、ひとまず乾杯しようとビールを飲むとき。

誰かの結婚式にみんなで前泊して、次の朝

「お前の鼾がうるさくて寝れなかった」

「いやお前の歯ぎしりのほうがひどかった」等という恐ろしいほど不毛な言い争いを聞いている時。

 ものすごい安心感で泣きそうになる。

 彼らと出会う前、まだ実家に住んでいたころの私は、結構いろんなことが怖かった。

家族の足音だとか、食器を洗う音だとか。

狭い田舎の噂話だとか、話している相手が次に言いそうな言葉とか。

そこに悪意があってもなくても、とにかくなんだか怖かった。

そんな私に与えられた、何にも怖くない空間。

久しぶりに会って、一緒に飲んだり、歌ったり、旅したりする。

 でも次の日にはまた別々の場所に帰って、お父さんをしたり、サラリーマンをしたり。

大人になってからの友達は、本当の友達だというのもわかる。

彼等とは、学生の時に知り合って、そのまま一緒に大人(といわれる年齢)になった。

多分私たちは、大人になってから、またもう一回友達になったんだと思う。

それぞれが、ほかの人生をもった ひと で

結婚したり、離婚したり、転職したり、お父さんになったり しながらも

まだまだ私たちは ともだちでいる。

別に契約したわけでも約束したわけでもないのに。

 

恥ずかしいから絶対言わないけれど、この文章を読む恐れもないから書いてしまうと、大きな、ありがとう の気持ちだけもっている。

 役割をしなくていいって言ったけれど、もしみんなに聞いたら、 

「酒飲みのアキちゃん」くらいの、役割ではない、リングネームになるんじゃないかと思う。

 彼等との旅行の珍道中や、ナスの揚げもの遺恨勃発事件、六本木交差点で三つ指ついた話等もいつか忘れないよう記録しよう。

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