下手の長考
もう着ない洋服や靴を処分してしまおうと集めたはいいけれど、
肝心の処分の仕方がわからず、
ごみ袋に入れて捨てるのもなんだか気がひけるし、
そもそも可燃なのか不燃なのか分からなくて怖いしで、
ひとまず親に相談してみた。
「リサイクルショップに持っていくのがいいよ」とアドバイスをもらい、
早速調べたら近くにちょうど見つけたので、
「よしここに持っていけば、なんとかなりそう」と意気込んで、処分してしまいたいものを集める。
その時、一番処分の仕方がわからなかったものを思い出した。
「婚約指輪」
私は2年くらい前まで結婚をしていた。
(正確に言うと、戸籍的に色々とややこしく「結婚のようなもの」だけれど。)
なので家には、婚約指輪と結婚指輪がいまだにある。
結婚指輪は、ファッションリングとして使えないこともないし、まだいい。
問題は、婚約指輪。
立て爪のダイヤの指輪はファッションリングとして使うには、
なかなか難易度が高い。
しかも当然だけれど左手の薬指以外では、きつすぎたり緩すぎたりする。
一人で暮らすようになってからは、
たまに、太ったかなぁと気になったときに着けてみて、
「よしまだこの指輪入るし大丈夫」という確認ツールとしてしか使っていなかった。
(実際は当時より5キロほど太ったけど)
ちょうど相談できそうな同性の経験者もいないし
インターネットで検索したところ、
①リフォーム(デザインを変えて再利用)する
②質屋でお金に換える
③叩き割る
という3択が案内されている記事がでてきた。
いやいや③叩き割る っていったって、
ダイヤモンドを叩き割るには 金槌やらをまず準備しなきゃだめだろうし、
別に石に罪はないし、叩き割りたい程の感情も持ち合わせてないし、とまず却下。
そうすると残りは①のリフォームして再利用か、②の質屋でお金に換える になる。
①リフォーム は母親もよくしている。
昔流行ったデザインのジュエリーを、ちょっと今風の、自分好みのデザインに変えたり。
んんん、別になぁ、しかも面倒くさそうだしなぁ。
②質屋でお金に換える
確か、かつての同居人は「お金に困ったら売ってくれていいよ」と言っていた。
お金が有り余っているわけではないけれど、そこまで切迫して困っているわけでもないし、なんだかなぁ。
そんなことを考えていたら、リサイクルショップの閉店の時間が近づいてきたので、
袋に詰めた洋服と靴を急いで持っていった。
結局いい案が思いつかないまま、件の指輪はまだ家に転がっている。
一人の日曜は、たまに、自分の選ばなかったものを考えさせてくる。
これを選ぶということは、あれを選ばないということ。
本当は多分知っている。
選ばなかったものに思いを馳せても、特になんの結論も生産性もない。
だって選ばなかったから。
それだったら、選んだことを今後どうより良くできるか考えるのが
きっと正しい、大人なやり方なんだと思う。
まぁ、でも人間だものね、たまにはあるよね、と
一人タイ料理を食べながら考える。
ちなみにタイ料理は、リサイクルショップで思いがけずもらった800円で支払った。
今週は楽しみな予定も控えているし、とりあえずまた明日から、
選んだことを続けていこう。
あともし誰か面倒くさくなくて、かつ心躍る、
指輪の処分方法を知っている人がいれば、こっそり教えてほしいとひそかに考えている。
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