【通関士への道①】通関士公開模試、受けてきました
こんにちは。
noteで書くのは初めてですが、実はいま、2024年度の通関士試験合格を目指して勉強中です。
通関士は貨物の輸出入にかかわる唯一の国家資格で、輸出入の申告書をつくったり、貨物を分類して関税額を申告したりするプロたちです。
私は今まったく異業種で働いているのですが、一度きりの人生、思いっきり畑違いの業界に転職して力試ししてみたいと思って、6月ごろから勉強を始めていました。
その割には読書イベントに行ったり講演会に行ったり、遊び惚けていたわけですが……。
今年の通関士試験日は10月6日。そして一昨日9月1日には、某予備校主催の公開模試を受験しました。
初めての腕試し。あと1か月しか時間がない中で、自分がどこまでやれているのか?手ごたえや不安感を確認する一日でした。
当然模試の内容は明かせませんが、自分自身の記録の為に、苦戦した場所や全然太刀打ちできなかったことなどを記していきたいと思います。
1科目め:通関業法
このあとの2科目めがヤバすぎてあんまり覚えていないが、比較的易しかったように思う。
特に語群選択はパーフェクトすら狙えた筈が、アホな勘違いのためにおそらく2~3問を落としているだろう。
業法6条だけとにかくしっかりやらなくちゃと思って、6条準用の確認拒否事由などとの比較が甘かった。
とはいえ、肌感覚では正答率6割越え。自己採点では8割近かったので一安心。
2科目め:関税法・関税定率法・外為法
個人的に得点源にしている冒頭の語群選択に、まさかの「更正の期間制限・時効」が出題され、焼け野原となる。
とにかく数字を聞かれる問題が大集結していて、語群選択はほぼ壊滅。知識の甘さを突かれた。
最後の最後まで自信をもって回答できる問題がほとんどなく、始終地に足つかないふわふわした感じ。四方からしきりに溜め息が聞こえていたから、ほかの受験者も苦しんでいたのだろうか?そう思いたい……。
予想正答率は3割を切っていたが、自己採点ではギリギリ3割はあった。もちろん合格ラインには程遠い。程遠いにも程がある。
3科目め:通関実務
失意のうちに始まった通関実務は、得意にしている附帯税の難解な計算問題が出題されて差別化が図れることを期待したが、シンプルなのが1問だけだった。
計算問題は、契約内容がこんがらがった1問を除いて全問正解。しかし正誤問題が思ったほど取れず、特に貨物分類に難あり。
試験中、申告書は時間がなくて見直しできなかったこともあって薄々ヤバいなとは思っていたが、案の定、自己採点で輸出申告書の壊滅が発覚。
輸入申告書では「果物の包装紙」に大苦戦を強いられ、特に少額貨物がこんがらがって3分の1を落とす。結局「その他」の「その他」に回せば良かったのに、変な勘ぐりをしてしまった。
結果、予想正答率5割を下回り4割に。予想と乖離したのも地味にショックだった。
地方のリスキリング問題
東北の片田舎に住んでいると何が一番困るかって、大人が自習できるスペースがほとんど皆無だということ。
まず予備校なんてものはない。図書館は地元の中高生のための自習室しかなく、いつ行っても満員。有料スペースがあれば、大人の金銭力で何とかなったかもしれないが、それもなし。ノイズ覚悟でカフェに行っても知り合いに会ったりして、集中できる環境は自宅しかない。でも自宅には様々な誘惑があり……。
今回模試を受けるため遥々東京まで行ったが、やはりリスキリングの環境が完璧に整っていて感銘を受けた。
模試前日に某予備校の自習室を使わせてもらったが、小教室に5〜6人が予習をしていて、もちろんノイズはなし。距離感もちょうどいい。それまで一人で勉強していたので、周りに同じような目標を持つ人が、言葉を交わさなくても近くにいるということが、それだけで励みになった。
中には司法書士のテキストと六法を開いている初老の方もいて、何歳になってもリスキリングできるぞ!という無言のエールを貰えたりもした。
ただ、リスキリングが一番必要なのはむしろ地方なんじゃないかと思ったりもする。
地方には地方の良さが沢山あるし、私もそれに惹かれて移住を決めたクチではあるものの、一度腰を落ち着けてしまうと世界が急速に狭まる感じがするのも事実。
付き合う人間はどんどん会社の関係者に限られていき、新しい刺激がなくなっていく。
社会学用語で言う、「弱い紐帯」が乏しく、「強い紐帯」だけが子孫に受け継がれていく世界。
特に結婚や夫の転職などで地方に来たーーつまり自ら望んで来たわけではないーー女性にとって、地方はどのように見えるだろう?マジでキツいんじゃないかと思う。
そういう時、狭まった世界をもう一度ガッと広げてくれるのが資格だったりスキルだったりする。
なんだけど、地方は「大人が勉強する」環境が皆無だ。地元の中高生達と自習室の席を争ってもいいけど、そんな勇気ありますか?
周りをみると、学校を卒業したらお勉強も終わり!ってな人が多く、勉強ならまだしも読者すらしない人がほとんどで、このモヤモヤを理解してくれる人も少ないもの。
こんな時、もし地方に移住したりせず、そのまま大阪に暮らしていたらこんな気持ちにもならず、試験勉強ももっとスムーズだったかもしれないな……と思うわけだ。
実は今、大阪の両親が都会生活から足を洗って北陸に移住し、田舎スローライフを送ろうと画策していて、私も応援している。
古民家をリノベして、地域の人が集まれる場所を作りたいそうで、もうめちゃめちゃ応援しているが、
地方というのは時に、気付かないうちにジワジワと自らの人生の方向性を規定してしまったり、思わぬ不利益を被ったり、うんざりすることも多い。大自然や穏やかに時間が流れていく世界に強い憧れがあるのも分かるし、実際私も今住んでる街が好きだけど、トレードオフになって失われたものも決して少なくない。
そういうアクチュアリティをどうやって両親に伝えたらいいか、まだよく分からない。
古民家カフェやる、とか言い出したら、そうじゃなくて大人が静かに読書や勉強ができる空間を作ってほしい、って言ってみようかな。
通関士の話からだいぶ離れてしまったけど、新しいことを始めると新しい事に気付けるものですね。