クローゼットを「自慢の空間」へと変身させよう
欧米でも収納が苦手な人は多く、クローゼットが散らかって「ストレス空間」となっているケースが珍しくありません。
しかしながら、写真のように、まるでお店が自分の家の中にあるような、楽しくワクワクする「自慢の空間」をつくりあげている人も多くいるのです。今月は、友達に自慢したくなるクローゼットをつくる、いくつかのアイデアをご紹介いたします。
物を収納するだけになりがちなクローゼットですが、美しさと使いやすさという付加価値が加わると自慢のスペースへと変わります。
回転式の収納を用いたクローゼット
コの字型に収納スペースを設けた場合、入角(いりすみ)と呼ばれる両側の角の部分は服やボックス状の物を置くだけであまり活用されない場合があります。それを解消するには、この例のように回転式の収納にすると、非常に取り出しやすくなります。
ショールームのようなクローゼット
クローゼットの向こう側にはデスクが見えており、サッシからの明かりもスリガラスを通して入ってきています。
仕切る建具のない、ウォークインスタイルになっており、内部の仕上げも木目をそのまま生かしたシンプルな雰囲気です。通常は壁となる部分にスリガラスをL状に配置し、ガラス棚を付けるなどお洒落な工夫をしています。
ポッカリ浮かんだクローゼット
クローゼット空間のみ、周りと異なる建材を使って、独立した形に見せています。
リビングの天井が高い上、このクローゼットへは2階の廊下からさらにステップを上がっていくスキップフロアー構造になっているので、まるで空中にポッカリ浮かんでいるように見えます。
アクセントで美しく見えるクローゼット
このクローゼットは、よくみると、棚の構造に天板や底板、背板がなく、側板(縦の材料)と棚板だけで構成しているため、全体として箱型になっています。
そのおかげで天井や床もスッキリ見え、おしゃれさが増しています。
背面のネクタイはよく見ると柄(絵)でしかありません。つまりこの模様はアクセントということです。
さらに側板についても木口には濃い色のテープを貼って、ここにもアクセントを付けています。
一見すると普通のクローゼットに見えますが、細かいところにアクセントをつけるだけで高級感が増します。
姿見ミラーがあるクローゼット
クローゼットで身支度を整えるためには姿見ミラーがあると良いとは思っても、大きなミラーはなかなか自分では用意できないものです。
こちらでは壁に鏡を貼り一体化させていますので、建築工事の中で壁に組み入れられたものです。
ですから、クローゼットについては、家の計画段階でどうするかという方向性を決めることがベストです。
見て楽しめるアートなクローゼット
クローゼットは、モノをしまい込むため場所として作られているため、それ自体が主張することのない単色で仕上げている場合が多いようです。
ですが、この例は原色を思い切って使い、アートの様相を強く現しており、見るだけでワクワクするこのスペースとなっており、活気を感じます。
使いやすさを考慮しているシューズクローゼット
キャビネットには特注で作られた傘立てやスライド式の棚板を付けており、使い勝手を充分考慮した作りとなっています。建具のシンプルさも見逃せません。
クローゼットに機能を持たせる
クローゼット内に、便利なアイロン台がセットされています。
ただ着替えるためだけでなく、特殊な金物を使えば多目的なクローゼットに変えることもできるという例です。
収納量を増やす鍵は縦にスライドする収納を設けること
この例では、引き出すと靴をしまう棚があらわれる造作になっています。
この設計により、横のハンガースペースを狭くせずに済んでいます。
壁厚を利用した収納スペースの工夫
クローゼットで悩ましいのが、アクセサリー等の小物をどこに、どのようにしまい込むかということ。
この例では、壁の厚さを利用したアクセサリー専用の収納を設けることで解消しています。扉の裏にミラーが貼ってあるところも見逃せません。
廊下にこのような収納があるのも、着替えたあとでアクセサリーを選べるという利点を感じます。
おもちゃ屋さんの売り場が家にあるような子ども部屋のクローゼット収納
シンプルな網棚を活用した収納です。クローゼットの扉を開けると、そこにおもちゃ売り場があるよう楽しさが目に飛び込んできます。
箱に仕舞いこむ収納をやめたことで、お店のように持ち物を並べてディスプレイする楽しさが味わえ、自然に整理する習慣が身につくのです。
以上、訪米のクローゼットを参考にしましたので、やや突飛なアイデアでしたが、いかがでしょうか。
いつも散らかってストレスの原因となっているクローゼットが、工夫次第で「自慢のスペース」「わくわく楽しい空間」に一変するのです。