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大地震で家具が「凶器」に!命を守る防災対策

地震の時にはいつも「動かない」と思っているものたちが凶器となってあなたを襲う


大災害は予想が難しく、突然やってきます。 非常事態に直面すると、自宅の電話番号が思い出せなくなるなど、普段なら難なくできることがとっさにできなくなるくらいに精神的なダメージは大きく、事前の備えが重要です。
いざという時の準備はいろいろあるのですが、今回は自宅の「家具」にスポットをあてて安全対策を考えます。


震度5以上で何がおきる?

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地震の揺れの大きさを示す単位として震度があります。東日本大震災の震度7は過去最大の値でした。
ある程度の規模の地震になると、テレビなどで速報や警報のアナウンスがでます。どれくらい地震で情報が出るかというと…
「震度3~4→地震速報」
「震度5弱以上→緊急地震警報」
ということになります。
最近は震度5以上の大きな地震が頻発しているだけに、不安は募るばかりです。


寝室やリビングルームに潜む危険とは?

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津波による被災が多かった東日本大震災に比べ、直下型であった阪神大震災では自宅で亡くなった方が87%! 地震で凶器となるのは、自分の家であり、家具なのです。

今すぐできる!寝室やリビングルームの安全対策

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家具の転倒や落下を防止するための便利なグッズを活用しましょう。
また、家具の配置(レイアウト)を見直しましょう。
人が1日8時間寝るとすると、1日の3分の1は寝室(または子ども室)で過ごしていることになります。
つまり寝ている間に地震が起こる確率はとても高く、しかも寝ている間は無防備で、すぐに地震に対処できないことも十分考えられます。
下の図のように、寝室内の家具の配置の工夫で、もしものときの生死を分けることもあるのです。

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地震の際に危険だった寝室やリビングルームを、安心してくつろげる空間に変身させましょう。



恐怖のキッチン・ダイニング!

寝室やリビングルーム以外にも、キッチンやダイニングもあなたを傷つける危険が潜んでいます。


【食器棚が倒れる!】
床に置くタイプの食器棚が倒れてきます。
中身も当然落下します。特に扉がガラスの場合は割れてガラスの破片が凶器となって降り注ぎます。
【電子レンジや家電品が飛ぶ!】
テレビと同じで、重たいものでも揺れの大きさによっては飛びます。食器棚の天板の上に置いていたトースターやコーヒーメーカーなども飛びます!特に平らで表面がツルツルしている天板の場合は滑りやすいのです。
【吊戸棚の中身が落下!】
流しで炊事をしていたお母さんの頭上に、吊戸の中の物が落下してきます。重たいものだと、大怪我に!
【食器が飛ぶ!】
きれいに飾られた食器棚の中の食器やコーヒーカップが飛び出してきます!食卓の上にあった食器やお箸、コップなどが飛び出し、床に落下します。危険なフォークやナイフも足元に飛散してしまいます!
【引き出しが飛ぶ!】
つい忘れがちなのが引き出しです。 カトラリー(フォークやスプーン)などが入っている引き出しは重みがあるので飛び出します。
【ガラスが凶器に変身!】
食器棚や飾り棚の中に入っていた食器や装飾品が倒れて、扉のガラスが割れることがあります。中の物はそのまま床に落下して破損。扉のガラスの破片も周囲に飛び散ります。
ガラスの破片は鋭利な刃物と同じです。
【鍋に引火!】
食事中の地震でテーブルの下に入るのは大事な行動ですが、テーブルの上の料理がこぼれてくるかもしれません。 湯豆腐の鍋がひっくり返り、卓上コンロから出火なんてこともあるので、グラッときたらまずは火を消すことが先です。

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安全なキッチン・ダイニングに改造

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基本的に、寝室やリビングルームの安全対策と同じで、家具の転倒・落下防止するためのグッズや、ガラス飛散防止フィルムなど便利なグッズをうまく利用して、安心して食べられるキッチン・ダイニングに改造しましょう。
特にキッチンは扉の付いた家具が多いので、耐震ラッチ(写真↓)やストッパーを活用しましょう。

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ご近所さんで共有したいサバイバル・ツール

大地震が起こると、ライフラインの復旧まで避難所での共同生活をしなくてはならない場合もあります。そんな時、町内会の人たちやマンションの管理組合などで用意しておくと便利なグッズをいくつかご紹介します。 各個人で用意しておくには、少々かさばったりしますから、近所の方々と協力して用意してはいかがでしょうか?


【マンホール対応型 簡易トイレ】

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まず一番に困るのがトイレです。トイレを我慢するのは肉体的にも精神的にも大きな負担となります。少しでも多く、トイレがあったら・・・。このトイレはマンホールに直接設置するタイプです。マンホールの蓋を開けて、トイレ専用の蓋に交換します。
その上に便器を設置し、個室になるようにテントで覆いますので、女性でも安心です。 保管するためにコンパクトにたたむことができます。あくまでも緊急のものです。


【簡易トイレ】

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これは汚物を排泄用袋(ビニール袋)に集めて処理するものです。 このビニール袋には液体を固めることができる吸収剤や消臭機能もあり、水を流すことができなくなった便器や、折りたたみイスに設置することで利用することができます。
さらに、マントが用意されているので、このマントを着用すれば、一見座っている姿に見えるわけです。


【かまど兼用ベンチ】

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マンションの共用部や公園にあるベンチに、かまどの機能をもたせたらいかがでしょうか? ベンチの座面を外すとかまどに変身!燃料は別に保管しておき、いざというときはここで焚きだしができる優れもの。


【ソーラーライト】

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ソーラー電池を備えて、街灯のエネルギーにする設備です。
災害時に避難する広場や、食料や水の配給所などの重要な場所を案内する街灯に、太陽光エネルギーを使います。自然界に存在するエネルギーを上手に役立てることができます。
停電でも街灯が点灯することで防犯性を高めます。
災害時に備えてこれらの設備やグッズを準備しても、いざという時に使い方がわからなかったら、何の意味もありません。準備するだけでなく、使い方の練習もしておきましょう。また、災害時はご近所同士の連携も大切になります。


今回は、住まいに潜む危険を認識し、今すぐできる安全対策をご紹介しました。しかし、根本的には住まいの耐震対策が必要です。日本の住まいの多くは耐震性能が不足しています。まずは耐震診断を建築会社に依頼し、適切な対策のアドバイスを受けましょう。あなたと家族の命を守るための安全対策は「待ったなし」であると、認識してください。


震度5以上の地震が頻発!逃げる準備はできていますか?


震度5以上の大きな揺れが発生したニュースが続いています。いつ、どこで発生するかわからない地震。あなたはその瞬間、逃げきれる自信がありますか?


■逃げ切れる人は2割・・・あなたはどっち?

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これは民間の防災機関が20~60代、男女700人に向けた防災に関する意識調査を行った結果です。
「日ごろから地震や津波の被害に備えた対策が出来ていますか?」という質問に対し、日ごろから対策を出来ていると答えた人は全体の2割、対策をしていないと答えた人は8割という結果になりました。


■安全な場所に避難するまでに必要な7つのこと
どこで地震に遭遇するかは予想できませんが、もっとも無防備なのは「就寝中」です。そこで、寝ている時に緊急地震速報が発表されてから、安全な場所に避難するまでの行動についてまとめました。

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【 ○=災害時に必要な行動 】


対策をしていない人ほど、震災時に「やらなければならないこと」が多くなってしまいます。


①まずは落ち着く
事前の備えの有無に関わらず、震災時にまず大切なのは落ち着いた行動をとること。
②灯りの確保
熊本地震も最初に大きな揺れが発生したのは夜でした。停電してしまったら、行動するには懐中電灯などが必須。
③靴をはく
散乱した家具や割れたガラスなどがあると屋内でも足元は危険。枕元に靴の準備をしておくと◎
④身支度(防寒など)
避難するときは動きやすい格好で。冬場は寒さ対策も重要です。また、場合によっては雨具なども必要かも。
⑤情報収集と判断
避難時に必要なのは正しい情報。すばやい避難行動をとるために情報収集はとても大切です。
⑥防災グッズ
地震後に思わぬ怪我などをしないよう、軍手やマスクの準備を。また、保存のきく非常食も準備できていますか。
⑦避難ルート決定
どこに避難したらいい‥?どうやってそこまで行ったらいい‥?事前に準備が出来ているかどうかで大きな差が出るかも知れません。


地震のニュースが相次いでおり、被害に遭う方がいませんように…と祈るばかりです。
でも、もしかしたら今、今夜、明日、いつどこで起こるかわからないのが地震です。「その時」に備えて、できうる限りのことはやっておきたいものです。日ごろから備えが出来ている人は、「いざ」というときにすばやく行動することができます。
これまで備えをしてこなかった方へ・・・、まだ「準備不足で逃げ切れない8割」の中にいるつもりですか?
対策は「いま」しかできません。どうか皆さま、くれぐれもご留意ください。

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