「お通じ」の悩みを解消するヒントは和式トイレに?!
薬などに頼らず、トイレの際の姿勢を変えるだけで便秘に効くという足置き台、「スクワティポティー」
(Squatty Potty )。 便秘に悩む母親のため、米国ユタ州の男性が発明したそうです。
今では売上が18億円をこえる巨大ビジネスになっているそうですが、成功の秘密は和式トイレを使うときの、「あの姿勢」にありました。
それは、アメリカのAmazonヘルスケア部門で売上ナンバー1の、すごい足置き台です。
洋式トイレに座った時に、足を置くためのものですが、身長の低い人が補助の足置きに使うものではありません。ひとことで言えば、便秘などに悩む人向けに開発されたもの。
人間は元々しゃがんで用を足していたのですが、16世紀頃に洋式トイレが発明され、急速にこれが広がりました。
この洋式トイレが、どうも現代人の便秘の原因ではないか?という考えが開発の原点です。
きっかけは母親の便秘
スクワティポティーを発明したのは、ロバート・エドワード(Robert Edwards)さんで、現在41歳です。
起業のきっかけは母親のジュディー(Judy)さんの便秘でした。
「母は長年便秘に悩まされていました。ある日、お医者さんのアドバイスで、洋式トイレの前に小さい椅子に足を置いてしゃがむ姿勢になったら便通が楽になったんです」。
しかし、ここで問題が発生します。
「毎回椅子を運ぶのは大変だし、我が家の狭いトイレの中では、何回もつまずきそうになっていました」。
そこで、彼が考えたのが洋式トイレにぴったり収納できるような「U」字型の椅子でした。
「母はすっかり気に入りました。友人たちにプレゼントしたら、その家族や友人たちにもプレゼントしたいという輪が広がってしまい…それでスクワティポティー社を作ったんです」。
しゃがむという自然な姿勢
ロバートさんはスクワティポティーの効果について「基本的に人間の体はしゃがんで用を足すように作られています。日本の和式トイレを考えればわかりやすいですよね」と言います。
「洋式トイレが普及したことで、直腸が十分に伸びることができず、便の通りが阻害されてしまったんです。
お医者さんが母に椅子を使うことをすすめたのも、しゃがむという自然な姿勢を取り戻すためだったのです」
子供の便秘が増えているのはトイレの変化のせい?
最近、便秘や、それに伴う痔を患っている子供が増えているそうです。
NPO法人日本トイレ研究所(東京都港区、代表:加藤 篤さん)は、子どもの排便・生活実態の把握のため、全国47都道府県の小学生4,833名の保護者を対象に、「小学生の排便と生活習慣に関する調査」を実施しました。
今回の調査にあたり、生活習慣や食生活の多様化、さらには子どもたちの学びの場であり、生活の場でもある小学校のトイレの老朽化や、小学校での排便教育が浸透していない現状などから、「現代の子どもにおける便秘問題は危機的状況にあるのではないか」との仮説を立てました。
その結果、小学生の5人に1人が便秘状態にあることや、小学生の2人に1人が学校でうんちをしない、と回答するなど、子どもの排便・生活における実態が明らかになりました。
朝食を食べないこと、ストレス過多などの原因が考えられますが、洋式トイレでしか排便できない=和式トイレでは排便できないので自宅に帰るまでがまんする、という理由もあるのです。
しかも、生まれてから使い慣れてきた洋式トイレにも問題があったのです。
洋式トイレに普通にイスのように座ると、肛門に続く直腸が直角になってしまい、ウンチが出にくくなってしまいます。
ウンチが出たとしても、残便感があることも。 あるいは、お尻に体重が乗る姿勢が続き、痔などの原因にもなります。
洋式トイレが主流となり、和式トイレが減っている昨今、「どの排便姿勢ならウンチがスッキリ出るか」という経験ができにくくなりました。 その結果、大人に多いと思われていた便秘や痔に悩む子供が増えてしまったという考え方もあるのです。
なぜ、和式トイレの「あのスタイル」が効くのか?
和式トイレの排便スタイルが最適な排便姿勢とされるのはなぜなのでしょうか。
まず、和式トイレを使うためにはしゃがまないといけません。あの姿勢は、直腸から肛門へのウンチルートがまっすぐになるのです。 さらに、足を開く必要があるので、自然と肛門が開きます。
ウンチを出すときには踏ん張るもの、というイメージがありますが、腸の働きが正常なときは、ウンチを出しやすい姿勢をとることができれば、力を加えなくてもスルッと出てくるのです。
腸や肛門への負担が最小限で済む、それが和式トイレの姿勢だったのですね。
かつては欧米でも和式トイレスタイルでウンチをしていたようです。 しかし、文明的だという理由で洋式トイレへと変化していきました。 そのせいなのか、和式トイレスタイルのアジアの人々に比べて、欧米人は痔や腸の炎症を患う人が多いといいます。
洋式トイレでもスルッと排便!あの銅像スタイルを拝借
和式トイレの姿勢が、洋式トイレよりもウンチを出しやすいスタイルであるのは述べてきたとおりです。
しかし、だからといって今使っているトイレを変えるのは大変です。
しゃがむ姿勢も、洋式トイレスタイルに比べると足腰に負担がかかり、避けたい場合もあるでしょう。
ですから、洋式トイレを前提として、よりウンチの出しやすいスタイルに変えることで対応しましょう。 ヒントになるのは、あの有名な銅像、通称「考える人」です。
和式トイレ最大のメリットはしゃがむことでした。
同じ姿勢にするためには、洋式トイレに座ったら、肘を太ももに置き、前傾姿勢をとりましょう。 さらに、足の下に踏み台を置くか、なければかかとを上げて、より体全体を丸めたスタイルにして完成です。
これで骨盤底筋が直腸を締め付けることがなくなり、直腸と肛門をつなぐルートが直角気味から、より緩やかにカーブを描くようになります。
ちなみに、犬や猫が排尿する姿勢と、排便するときの姿勢が違うことはご存知ですね。排便姿勢はまさに、和式トイレのあの姿勢とそっくりです。生き物すべての共通の姿勢なのかもしれません。
スクワティポティー(Squatty Potty)は必要?
さて、最初に紹介したスクワポワティーは、洋式トイレで和式トイレのような姿勢を取るための足置き台です。
形状としては洋式トイレに置いてもそんなに邪魔にならない形状をしています。小さい子のトイレトレーニングの際の踏み台としてもいいかもしれません。
上から設置したところを見ると、大きな湾曲がトイレの下部に納まって、普段の出入りのじゃまにはならないようです。
実際に使用する際は下の写真のように引き出して使用します。
ネットで調べると類似の安い商品もあるようですが、トイレ下部に納める湾曲が小さかったりして邪魔になるなど注意が必要です(最新型の洋式トイレは下部が大きくなっています)。やはりヒット商品ならではの工夫があるようです。
とはいえ、Amazonで調べると実売価格で4,980円となっています。
買う前に効果が想像しにくいだけに、少し手を出しにくい気がします。
そこで、まずは20cm程度の高さの箱を用意して、効果を確かめてみましょう。
たとえば、ホームセンターで安価に売られている発砲スチロールでできたブロック(コンクリートブロックとほぼ同じ形)がおすすめです。
高さが10cmなので2個貼りあわせれば大丈夫です。
牛乳パックの空箱を何個かしっかり貼り合わせてもいいかもしれません。
ふんばったときに不安定になるような強度では危険ですから、しっかり注意してください。
シニア世代の方は、上の図のように前かがみになるときの姿勢安定のためにクッションを持つことも試してみましょう。
ぜひ、スッキリライフの実現のためにトライしてみてください。