合格はゴールではなくスタートでしかない
先週の天気についての素朴な質問に答えるコーナー「教えてミキティ」では、「気象予報士にはどうしたらなれるの?」という質問にお答えしました!
気象予報士になるには、とにもかくにも、まずは「気象予報士試験に合格する」必要があります。
この気象予報士試験、合格率が4~5パーセントということから、
「難しいんでしょ?」と言われることが多いです。
しかし、実際に仕事として資格を活かそうというよりも、趣味として受験する方も多くいるため、(気長に合格を目指そう・・という方も多いため)合格率が低くなっているという一面もあるのかもしれません。
とはいえ、勉強なしでは答えられない、難しい問題が出題される試験であることには違いありません。
気象予報士試験は、現在のところ、夏と冬(8月・1月)の年2回行われていて、マーク形式の試験(2種類)と記述式の試験があります。(難易度の高い資格の割に、合格後、仕事に結びつかないことが多く、試験は年1回に減るのではないかという噂もありますが、何とか年2回の開催が続いています。)
すべて筆記試験で、天気図の前でしゃべるなど、お天気キャスターのようなことをする試験はありません。
例題として、紹介したのがこちら。
(実際に出題された問題を少し易しくしました。)
ちょっと意外な感じもしますが、台風の強い風により海水がかき混ぜられ、下層にある冷たい水が沸き上がるため、一時的に海面水温は下がることが多いのです。
ちなみに、私のおすすめの勉強方法は、「自分のオリジナルの問題集」を作ることです。自分の苦手なジャンルの問題や3回以上解いても間違う問題を抜き集め、ノートなどにまとめます。また、自分がなかなか覚えられない用語は、それを答えさせる問題を自分で作ってしまいます。
また、受験勉強で意識したことは、試験は試験でしかないため、問題に対して深入りしすぎないことです。実際の気象業務では、試験では出てこないパターンの気象現象がいくらでも起こり得ます。だからといって、試験でも、「実際はAも考えられそうだし、Bもありそうだし・・」と考えすぎるのはナンセンスな気がします。試験での目的はあくまで、試験に合格する答えを書くことであり、正確に現象を予想することではないと私は考えていました。
気象予報士試験に合格してから3年以上が経ちましたが、試験に受かってからも、もっと勉強しなければと思う毎日です。むしろ、合格してからは問題も正しい答えも誰も与えてくれない分、自分で見つけていくという大変さがあります。どんな試験も合格はゴールではなく、スタートラインでしかない、そんなことを思い出しました。
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