甲子園は通過点です
氏原英明さん著 新潮新書出版のこの1冊。
『甲子園という病』に続く最新刊。
この本で何点か感動した部分があったので、アウトプットします。
高校野球の全力疾走
高校野球は入場料によって運営されている。この点は私自身意識をしたことがなかった。いろいろな面で納得することができた。
なぜ全力疾走しなければならないのか
・高体連は入場料によって成り立っている
・入場料がなければ公式戦の球場使用やその他の運営ができない。
・つまり野球部の顧客は観客
・観客を満足させるプレーができないと、観客動員を増やせない
・観客が求めてるのは爽やかさ、ひたむきさ、一生懸命さ
・誰でもできる一生懸命な姿=全力疾走
私はこう解釈した。
ここ4年間、9人ギリギリのところで野球部として活動していた。すると、ランナーコーチャーは打順から遠い選手が出て、バット引きをして、その他控え選手がいればその選手がやることも9人の中で回していく。
イニング間の全力疾走は選手にとって酷であることを、痛感している。
正直なところ、過去に「ゆっくり行っていいぞ」と声をかけたことがある。
もちろん、大会前の会議ではスピードアップや全力疾走はマストであると通達がある。やらなくてはいけないというのはわかった上で言葉かけをした。
さまざまな点を考えた結果…
やはりあの一言は良くなかったなあと。
ドラッカーは、マネジメントの中で、顧客は誰かと問うてます。企業は顧客の満足を高めることが必要不可欠と言っています。
野球部の顧客の一人、観客。
その観客を満足させる最低限の、全力疾走。
私は、なぜ全力疾走をしなければならないのかをちゃんと生徒に説明してこなかった。
自分の勉強不足を感じた章であった。
育成のカリスマ
市川で育成世代のクラブチームを運営している、幸野健一さんについて書かれている章。
「日本にとってのスポーツは運動、つまり体育になってると感じています。」
という一節がある。
これまた衝撃であった。スポーツの語源は楽しいという言葉が語源だとなんとなく知っていたが、その点には気づいてなかった。
野球を楽しむということと、
野球をする際の礼儀、言葉遣いや心構えなど体育的な側面と、
すべてごっちゃにしてしまっているなと。
これまた勉強不足を感じた。ちゃんと説明して、ちゃんと理解してもらえたら、もっともっと高校野球の魅力を感じられるし、高校野球を続けたいという生徒は増えると思う。説明ができないと、ただ面倒だとか、厳しそうとかで敬遠されてしまう。
幸野健一さんは
『PASSION 新世界を生き抜く子どもの育て方』
という本を上梓している。読みやすく、理解しやすい本でこちらも熱くなれる本です。育成世代のスポーツ指導について考えている方はぜひ!
高島さんと岡嵜さん
広島でトレーナーをされている高島さんと、同じく広島で武田高校の野球部監督をされている岡嵜さん。
この二人の物語。
高島さん、
「高卒からメジャーにいく選手を育成したい」
岡嵜さん、
「一人でも多くのプロを出すこと」
プロの指導者はこうあるべきなのかなと感じた。
まとめ
私が氏原さんと出会ったのは、2014年。初めて監督として、秋からチームをスタートし、冬を迎えた時。知識も経験もない僕に、育成ってなんだろうと問いかけて頂きました。今思うと、恥ずかしながらその辺りから指導について考え始めたました。現在、YouTubeや音声媒体その他様々な場面でお見かけすることが多くなった氏原さん。自分自身の指導に少しでも疑問を感じている方は、ぜひ氏原さんに触れて欲しいです。少なくとも私はお会いして変わることができました。皆さんと共に育成についてもっともっと考えていきたいです。