鈴木 一朗 さん
イチロー”選手”。と、あえて言わせていただく。
今回の国学院久我山高校の訪問。率直に羨ましい。
私はイチロー選手ともに野球人生を歩んできた。小学校の頃イチロー選手を見にオリックス戦に行き、日米野球を観に行き、下敷きを買って学校でいつも眺め、少年野球ではフォームの真似をして。シアトルに移籍した後は、毎日ヒットが出ないかワクワクして、ヒットが出なかったら悲しくなって。仕事を始めたばかりの自分にとって、イチロー選手は心の支えだった。
イチロー選手が現役を引退して、現在高校野球の指導をしている。智弁和歌山高校に続き、今回が2校目。そこで見せるイチロー選手の表情が、私にとってはとても新鮮だ。
先も述べたが、私にとってのイチロー選手はグラウンド上でしか存在しなかった。現在、高校野球を指導している姿を見れる。素の鈴木一朗さんを見ている気分。ファンとしてはそれが、とてつもなくたまらない。生徒たちの話を最後まで聞いて、誠心誠意質問に答えている。智辯和歌山のときもそうだったが、動画を見ると涙してしまう。
「なんて愛情深い方なんだろう」
私は以前、千葉の高校で教員をしていたが、その時千葉ロッテマリーンズのスカウトの方がグラウンドに来てくださった。当時スカウトであった山森 雅文さん(現在はJFE東日本コーチ)。山森さんはオリックス時代イチロー選手と共にプレーしていた。その際、イチロー選手の努力の仕方について話をしてくださった。
イチロー選手はオリックス時代、試合に行く前朝早くから練習していた。そして、試合から帰ってきて練習。とてつもない練習量だったようだ。頂点を極めた選手はやはり努力の仕方も超一流だなとその時感じた。また、マシンの鳥かごの右側の面(ライト方向)、マシン後方の面(センター方向)、左側の面(レフト方向)に打ち分ける練習をしていたよう。また、オリックスのイチロー選手が使用した練習場は伝説になっている。どうやらオリックスに入団した新人選手は、イチロー選手がメジャーに行った後もオフなど日本に帰ってきているタイミングで、その練習場で生で見学していたようだ。
ロッテのスカウトの方が、高校のグラウンドに来たということだけで興奮しているのに、大好きなイチロー選手とともにプレーをして、その話まで聞けるなんて。夢のような時間だったこと今でも覚えている。
話は逸れたが、シアトル時代、オリックス時代やもちろん少年時代から努力を重ねてきたイチロー選手。私はイチロー選手のそんなエピソードを知っているだけに、高校生にかけている言葉はどれも宝物だと思った。ただ、もし私が高校生の時にイチロー選手に会ったら、嬉しすぎて質問などできないと思うが(笑)。
大好きなイチロー選手。僕にとってはいつまでもヒーロー。イチロー選手はまだまだバリバリ動ける。私もまだまだこれから。いつかお会いできることを楽しみにして。イチロー選手の笑顔を見たら、ごはん3杯はいける。そして、頑張れる。